少しは浸透しているのでしょうが、普及しているとはとうてい思えませんし、今の状態では未来も感じられません。ネットを検索していると、「日本で電子書籍が普及しない理由」というレポートを書いたサイトが、いっぱい出てきます。
とにかく、どんなに優れた電子書籍ビュアー(キンドルみたいなもの)が出てきても、日本ではコンテンツがほとんどありません。これから作っていく本ならよいのですが、過去の本は、日本の著作権を変えない限り、簡単に出すことができません。
電子書籍だからといって、紙の書籍より特別安いわけではないし、同じ価格の場合もあります。それでコンテンツがほとんどないとなれば、ユーザー側のメリットがほとんどありません。
Amazonは初期段階で6万点の電子書籍を用意しようとしたが、実際は3千点程度のコンテンツしか用意できなかった? これじゃ、無理でしょう。
出版社側にはもっとメリットがありません。紙としてデザインした本が、ワンタッチで簡単に電子化できるわけではないし(かなりの手間がかかる)、出版するにも途中でかなりのマージンを吸い取られます。著作権の扱いが非常に難しく、原稿、写真、イラストなど1つ1つをクリアしていかなければなりません。むしろ、現時点では電子書籍には否定的になっている出版社も多いのではないでしょうか。
ライターにも負担がかかります。消費者にとっては、デジタルコンテンツのアップデート(改訂など)は、無料が当たり前という考えでいると思いますが、出した本のフォローをライターや出版社が無料でやるのか?といえば、そんなのやってられないと言っている人がいました。紙なら新しい本として出すのでライターにも出版社にもメリットがありますが、電子書籍の無料アップデートですませようとすると、とても採算があうものではありません。
いろいろ考えると、いまの時点、いまのような流れ、いまのようなコンテンツだと、日本での電子書籍は、普及には至らないでしょうね。そこまでみんなが苦労してまで、誰もが液晶を手にして本を読むとは思えないです。
ただ、このような問題点をクリアできるようになったり、電子書籍ならではのコンテンツが生まれてくれば、それを引き金に爆発的に普及することはあるかもしれません。アイデア次第でしょうか。