今の日本の当用・常用漢字の多くは「日本流簡体字」であって、漢字界の現状は日本式略字と大陸式簡体字と繁体字の三つの流れが平行して存在していることになります。
中国とその辺境の言葉が漢字という共通の文字によって発展してきたことの利点は大きいと思われます。
名前は基本的に漢字を使うという習慣は公式には漢字を使わなくなっている韓国やベトナム(日本と同じで漢字の名前ではない人もいる)でも前提としてあり、やはり中国の縁に位置する地域の共通性を示していると思われます。
しかし近年の日中の簡体字はその共通性を失いつつあり、これはせっかく保ってきた漢字の機能を減ずるものではないかという議論は起こってきています。中国の簡体字は発音重視の表音文字化するというアイデアに基づいているので元の文字が分かっても日本人には意味がわかりにくいというのが難点。逆に日本の略字は発音を考慮していないか日本での音を元にしているので中国人にはわかりづらい。
中国簡体字については行き過ぎではないかという意見は中国にも出てきているので、政治的な意味からの排外的な姿勢にとらわれないで、漢字を使う国々が共通な言語としての漢字のこれからのデザインを協議して行く場が出来て行けば新たな共通字体の流通に役立つのではないでしょうか。
現に簡体字、常用漢字にもお互い読めるものもあります。
現状としては中国簡体字が日本語フォントに入っていれば使えるようにはなります。そうでないとそこだけが違うフォントになって視覚的におかしなことになってしまいます。
手書き文字での使用は、これまでの非公式の民間の略字と同じことだと思われます。便利なものは普及してあまり読めないものは普及しないでしょう。これは誰かが決めたからどうなるというものでもないでしょう。(当用・常用漢字にも下敷きとなった流通字体があります)
言偏などは草書を知っている人は簡体字の省略方法でもすぐ分かりますが、そうでない人は戸惑うでしょうね。
一部草書の使用は当用・常用漢字にもありますし有望だと思いますが。
お礼
みなさん、ご回答ありがとうございます。