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怪奇大作戦の『京都買います』について
円谷プロの『怪奇大作戦』の中でも印象的な題名の『京都買います』という作品ですが、どんなストーリーですか?
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25話の「京都買います」は23話の「呪いの壺」と合わせて「京都2部作」であり、最高傑作とも賞される作品です。 (ちなみに24話が「狂気人間」です) 以下、長いですが完全にネタバレになります。 古式ゆかしい京都では、ここ数日の間、仏像消失事件が発生しており、今夜もまた1つの仏像が消えます。 しかし、一般の盗難事件とは異なり、人の出入りした形跡が全くないことから、SRIに調査依頼がまわってきました。 牧は、以前に消えた仏像たちを研究していたという藤森教授を訪ねますが、結局は何の手がかりも掴めません。 しかし牧はそこで須藤美弥子という女性研究員に出会います、どこか不思議な雰囲気の美弥子に牧は見とれてしまいます。 一旦、調査を切り上げた牧は、さおりに誘われてディスコへ出かけます。 わざわざ京都に来てまで踊りまくるさおりや、騒音の中で踊り狂う若者の気持ちが理解できない牧は嫌気がさしてしまいます。 そんなディスコの中で、若者たちから「京都を売ります」という署名を集める美弥子を見つけます。 ディスコから出て行く美弥子を追って、何故そんなことをするのか?と問うと、京の町や仏像が好きだからと答え、走り去ってしまいます。 次に牧は、平等院で美弥子を発見し、再度美弥子に問います。 すると、仏像の美しさの分からない人たちから京の都を買い取り、その良さの分かる人たちだけの都を作りたいと美弥子は答えます。 その考えが理解出来ないという牧に、仏像は自分だけのものと思いたいと話す美弥子。 そんな不思議な美弥子に、いつしか牧は心惹かれていくのでした。 そんな中、またも発生する仏像消失事件。 調査してみても、やはり人の出入りした形跡はないが、三沢が寺に仕掛けられた不審な機械を発見します。調べてみると、それは物質転送機でした。 また、仏像が消えた寺には、昼間必ず美弥子が訪れていることも判明します。 翌日、牧は美弥子を尾行し、そして物質転送機を取り付ける瞬間を目の当たりにします。 京都府警に姿を現した牧の手には、美弥子が取り付けた物質転送機がありました。 作動時刻は深夜12時、今すぐに踏み込もうとする警察に、現場を押さえた方がいいと牧が意見します。 深夜12時、藤森教授や美弥子、読経をあげる僧侶たちの見守る中、仏像が転送されてきます。 その現場を押さえ、踏み込んだ警察により、藤森教授は国宝消失事件の犯人として逮捕されます。 そんな中、警官隊の中に牧を見つけ、美弥子は驚き、立ち去ります。 事件解決により二人の仲も終わります。 事件後、京の町を散策する牧ですが、様々な寺を巡るその姿は、美弥子を捜しているようにも思えます。 そんな中、ふと立ち寄った寺で、牧は庭掃除をしている尼僧に声をかけます。 振り向く尼僧のその顔はまさしく須藤美弥子でした。 牧は驚き、「美弥子さん…」と口を開くと、尼僧は 「正連尼と申します…。須藤美弥子は一生仏像と共に暮らすとお伝えしてくれとの事でした…」 「きっと、その方がお幸せだと思います。どうぞ貴方様もお忘れになって下さいませ…」 牧は一度目を逸らした後、再び美弥子を見ます。 すると、頭巾のこぼれ落ちた美弥子の姿は仏像に変わっていました。 仏像を愛した女は、自らも仏像となり、そしてこれからも仏像を愛し続けてゆくのでした…。