わたしは多くの回答者の皆さんとは意見が合わないようです。
武力衝突にいたるのは、武力で解決するしかないと考える人が大勢を占めたときです。
国境問題を交渉で解決した例などいくらもあります。近年でいえば中国とロシアがそうですね。中国とソ連こそ何度となく衝突をくり返して国境を争いながら、それでも最後は話し合いで解決できました。
要は双方に解決する意思があればなんとかなるものです。しかし、問題を解決することより、相手国をやっつけることのほうが大事だと思う人が多いときはいつまでたっても解決しません。
領土紛争ほど国民のナショナリズムをあおり立てる恰好の道具立てはないということですね。
尖閣諸島については該当しないようですが、竹島と北方領土の帰属でもめているのはアメリカにも責任があります。第二次大戦後の世界を構想するなかで、アメリカ国務省のジョージ・ケナンを筆頭にした若手官僚たちはあえてこの二つの帰属をあいまいにしておくことで、日本と韓国、日本とソ連のあいだに紛争の種を仕込もうと考えました。そうすれば、日本がアメリカをさしおいて両国と仲良くなることはないだろう、という目算があってのことです。これは公開された資料に記されています。
戦後60年がたちながら、いまだにわたしたちは彼らに勝る知恵を手に入れられないでいるのです。わたしにはその事実が情けない。
誤解しないでいただきたいのは、だから領土に関して主張してはいけないとか、かならず中国に譲るべきだと言っているわけではありません。ただ、現在の状況はほんとうに武力で解決するしかないのか、冷静に考えてほしいのです。
日本にとって中国は最大の輸出国です。中国にとって日本は最大の輸入国です。こんな両国が(あえて言いますが)だれも住まない島をめぐって戦火を交えるなど、愚の骨頂です。角を矯めて牛を殺すとはこのことでしょう。
日本経済を破綻させたいのなら、世界経済に対しても大打撃を与えたいのなら、そしてアメリカもそれに巻きこみたいのなら、ぜひ中国との戦争を始めるべきでしょう。でも、そうでないなら交渉を続けるしかありません。
なんとなれば、中国がいかに厄介な国であろうと、彼らが隣国であることはけっして変えることができないからです。話し合ったほうが良いのではなく、それしか方法はないのです。
ご質問のハーグの国際裁判所ですが、これは双方にその裁定を受け入れる用意がなければ意味がないので、目下の問題に対しては大して役に立たないのではないでしょうか。
結局大切なのは両国の「国境紛争を解決したい」という意思でしょう。ただ相手の非を鳴らすばかりでは、あるいはただ相手をやっつけたいと願うばかりでは、いつまでたっても事態はこのままか、対立がエスカレーションするだけです。
日本では中国の非道ばかりが喧伝されています(わたしもそれは否定しません)が、ネットを見ている分には日本だって相当なものだと思いますよ。どっちもどっちというか…。
ちなみに石原慎太郎氏に対する海外の評価ですが、「ネオナチばりの排外主義者」との評もあります。わたしが見かけた範囲では、単なる日本の保守政治家というより極右政治家と見なす人も多いです。
この回答ではおそらく質問者様を不快にさせてしまったのではないかと推察します。たいへん失礼しました。
お礼
いえいえ不快になどなっておりません。 最近ひょんな事から幕末の日本史の一部をかじった事があります。 当時の窓口となった大名の苦労と交渉力をリアルに感じました。 確かに軍事力しか解決の方法はないと言うのは拙速な判断と言えます。 貴重なご意見を有難うございました。 すいません、締め切ったの早過ぎました。とりあえずお礼まで。