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そもそも「時間」とは何なのでしょうか?
「時間」に関する素朴すぎる疑問に答えていただけると幸甚です。 1.時間と空間は表裏一体のものですか? たとえば、電磁波における電場と磁場のように。 2.時間にエネルギーはありますか? 3.時間は波動のようなものですか? 波動やエネルギー、原子、素粒子といったもので説明できないものなのでしょうか。 4.現在・過去・未来は同時に存在していますか? 現在からみて、1年前、1年後の世界というのは別空間、別次元等に存在しているものなのか。 5.時間は現在から未来へ進みますが、それを進ませる推進力は何でしょうか? エントロピーの法則と関係がありますか。 6.時間はどうして止まらないのか? 相対性理論によれば、時間は伸び縮みしますが、 光速ロケットに乗っている本人の時間は変わらないですよね。 本人時間で1年経てば、一年歳を取るというふうに。 ずっと動いているわけで、止まるということはないのでしょうか? よろしくお願いします。
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>7.どうして時間についてよくわからないのか? 物理学的には、時間は「数学の変数として扱えればいい」からです。ちなみに相対論以降、空間と時間は不可分です。 重力も、その振る舞いについては研究しますし、4つの力(重力、電磁気力、弱い力、強い力)が宇宙誕生初期には一つにまとまっていたころまで遡って理論化しようともしていますが、重力、あるいは4つに分離した力、さらにはそれらを一つにまとめた力が、どうしてあるかについては無頓着です。 時間そのものが、物理学的に分かっていないのは、分かる必要が無いから、誰も調べていないのです。 それでも時間の振る舞いについては、物理学的な事象として最小の時間である、プランク時間があることは分かっています。これは、物理学的事象が連続したアナログではなく、離散的なデジタルであることを意味します。 >8.静止している人と光速移動している人とに流れる時間は同じか? それは特殊相対論で答えが出ています。互いに違います。光速度未満でも、相対速度が0でなければ、それぞれ違う時間になります。 > 速度0の人と、速度Aで移動している人に流れる時間は同じだという証明はされていますか? 特殊相対論的、一般相対論的に異なるという証明がされています。 > 地球上で流れる(過ごす)時間と、宇宙の果てで流れる(過ごす)時間に違いはあるか? 曖昧なご質問ですが、原則として同じようなものです。しかし空間が膨張しているため、厳密な定義は難しいでしょう。ここでも時間と空間が不可分なことが影響します。 >9.時間にゆらぎがあるのか? ありません。物理学における「ゆらぎ」とは、何らかの物理量について、時空的(時間的、空間的)な平均値からの変動のことです。時間をも元にしてのものですから、時間そのものの揺らぎは考えません。 >10.時間のない世界はどんな世界? ビッグバン宇宙の始まる以前の世界です。基本的には、無でしょうね。 ホーキング博士の考えでは、もし本物のブラックホールがあったら、その特異点では時間がないとのことです。時間が無いけれど、あらゆる可能性を持った量子的な何か。 またホーキング博士は、時間を複素数で考えると、ビッグバン宇宙の始まる以前と滑らかにつながり、時間はずっとあり続けるという仮説を述べています。 > 想像もできないのでしょうか? (実数)時間ない世界はホーキング博士の提唱している世界ですが、その数式をイメージできる人はいないでしょう。発案者のホーキング博士でも、喩えですら説明できていません。 そもそも、その元となる量子力学がイメージを拒絶しているということはありますが(量子力学の名言に「量子力学が分かったと思えたら、それは量子力学が分かっていない証拠だ」といのがあります)。 > そこには空間も存在しませんか? しません。時間停止の世界なら空間は存在し得ますし、そもそも物理学では「時間を止めて」記述することも多いのです(特に量子力学)。時間の無い世界だと、空間もありません。 > 深海魚が水のない世界を想像できないように、人間は時間のない世界を認識できないのでしょうか? 深海魚の喩えは合わないです。時間停止の場合、それは時間停止の世界を見るこちら側の認識で、時間停止世界の住人からすれば、普通に時間は流れています。 その時間もないとなると、空間も消滅し、当然ながら物質も何もありません。それをどう認識するかは、個々人の問題かもしれません。 >11.ミクロの世界の時間とマクロの世界の時間に違いはあるか? 特に違いはありません。 > 素粒子の世界では因果律は破られており、時間は逆行しているのではないですか? 反物質は、物理学理論的には、普通の物質の時間を逆転したものです。素粒子的にはそうなんですが(素粒子であるため情報は運べない)、それがマクロの物体になったときどうなのかは、今のところはっきりしない部分があります。 >12.時間はあらゆる物理的物体から独立している? いえ、時間と空間は不可分です。そして、空間は物質(エネルギーと言い換えたほうが正確)と不可分です。 > 時間は速度、重力、熱などのものから独立していると証明されているのか? 独立していないと証明されています。 >13.ひも理論と時間 > ひも理論では多くの次元が存在するそうですが、多次元になっても時間は変わらないと考えられているのでしょうか? 物理学理論は、空間的には3次元に限定されません。さすがに0次元には適用できませんが、1次元でも4次元でも、それ以上のn次元でも適用できます。ただし、空間3次元以外の世界は無いため、実験・観測事実はありません。 ただし、時間を2次元以上にすることは、理論的に成功していません。もちろん、実験・観測事実もありません。 超ひも理論で空間が4次元以上とされていますが、観測可能な、この宇宙の空間3次元以上の、高次元空間は、コンパクトに折りたたまれていて観測できないと考えられています。もしかすると、数学的都合のためだけの便法であるかもしれません。 この4次元時空でも、CPT対称性(チャージ、パリティ、時間がセットになった対称性)というものがあり、そのうち二つが一時的に破れてもいいとされています。そのとき、残った一つが二つの破れを補うように破れます。つまり、三つセットでは安定しているということです。しかし、時間だけ見れば、それが常に安定しているとは限らないということでもあります。 さらに、21世紀に入ってから、三つセットで対称性が破れる可能性が示唆されています。これは、いろいろな物理学理論の基礎であるローレンツ対称性をも破ることになるため、注目されているようです。 そんな問題山積の状況です。ぼんやりと「時間って何だろう?」と考える暇すら、物理学にはありません。
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- bgm38489
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時間とはこれだ、と断定できる人は、恐らくこの世にいないでしょう。アリストテレス・アインシュタインなどは、こうに違いない、といったが、様々な反証が上がっている。反証の上がらないものは、科学ではない、という人もいるぐらいだ。 こんなところで簡単な回答を求めるより、時間に関する専門書(700円程度の新書)の読破をお勧めする。講談社のブルーバックスには、時間、宇宙、四次元の本が山ほどある。僕のお勧めは、都築卓司の「時間の不思議」。これは、ホーキングの虚時間説を中心に述べてある。 他、入不二基義の「時間は実在するか」(講談社現代新書)。これは、哲学書だが、マクタガードの「時間の非実在性の証明」について、それを追求し、批判するものである。 もう一冊挙げるとしたら、橋元淳一郎の「時間はどこで生まれるのか」(集英社新書)。この本は、僕がこれまで読んできた時間論の本の中で、一番専門的な本だと思うが、著者は、現代物理学を踏まえた上での斬新な哲学的時間論の登場を渇望している(10ページより拝借)。 このお勧めした三冊は、たくさんの本を読んできたうえで印象に残った本なので、これらだけを読んでも意味がないと思う。実際に時間とは何か、最終的な答えはわかっていないのだから。わかっていない、ということがわかり、自分なりの説も持てるようになることが、物理素人オジサンの求めるものです。
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