(溶質の)質量/(溶液の)体積 式(1)
で表した濃度の問題ですね。
希釈するとき、加えるのは純水ですから、希釈の操作を行っても、"元になっている溶液に含まれていた『溶質の量』はそのまま保たれている"ことに注目しましょう。
つまり、式(1)で、希釈前と希釈後を比較すると、分数の分子側の量が同じだということです。ということは、希釈で濃度を変えるとき、分数の分母側だけが変わるのだということが理解できるはずです。
分母(つまり溶液の体積)が2倍になれば、濃度は1/2倍になり、分母が3倍になれば、濃度は1/3倍になる…
これを一般的に言えば、溶液の体積をn倍にすると、濃度は1/n倍になるのですから、濃度と体積が反比例するということです。
ですから、濃度をm倍にするなら、体積を1/m倍にすれば良いということになります。
2[mg/ml]の溶液を 100[ng/ml]にする場合を例にとってみましょう。
まずは単位を合わせなくてはなりません。
100[ng]=100・10^(-9)[g]=100・10^(-6)[mg]=1.0・10^(-4)[mg]ですから、希釈後の濃度は、100[ng]=1.0・10^(-4)[mg/ml]となるわけです。
つまり濃度を (10^(-4))[mg/ml]/2[mg/ml] 倍にするわけです。
そのためには、溶液の体積を、(10^(-4))[mg/ml]/2[mg/ml] の逆数の 2/(10^(-4))=2・10^4倍にすれば良いことがわかります。
50[ng/ml]にするには、100[ng/ml]の更に1/2倍の濃度にするのですから、体積は2倍に。つまり 2[mg/ml]の溶液から始めると、体積を 2・(2・10^4)=4・10^4倍にすれば良いでしょう。
25[ng/ml]にするには…… もう、おわかりですね。
公式ふうに書けば、
溶液の体積を、(元の濃度/希釈後の濃度)倍にすれば良いということです。
なお、希釈の具体的な作業に当たっては、元の溶液に純水を加えていって、体積が所期の値になるように調製します。
お礼
ありがとうございます。 無事実験を終えることができました。