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材料力学 門型ラーメン 3種類の変位の解法
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構造系の解析を手計算で行う場合の基本は、次です。 (a)支点反力(C,Dが地盤から受ける力)を、最初に求める。 (b)支点から出発して、支点につながる部材から、順次部材力を求める。 (c)求まった部材力から、部材の変形を算定し、変位を求める。 (1),(2),(3)いずれについても(a)さえ出来れば、(b)と(c)は自ずとついてくる、というのは理解なさっているでしょうか?。という訳で、手計算の場合は(a)が重要です。 構造系全体の力の釣り合い(水平方向の合力0,鉛直方向の合力0,力のモーメントの合力0の3条件)から、支点反力を決めれる場合を、静定構造と言います。これが(1)です。 (1)の支点反力は、C点における水平,鉛直反力と、D点における鉛直反力の3個のみで、構造系全体の3個の力の釣り合い条件だけで、それらを算定できます。それらの反力は、構造系全体の力の釣り合い条件のみで決まるので、材料特性(E)や部材特性(断面性能I)とは無関係に定まります。力の釣り合い条件とは、静力学の基本です。ここから「静定」という言い方が生まれたのだと思います。 いったん支点反力が求まれば、後は曲げモーメント図を書いて部材力を算定し(ラーメンでは大抵、曲げしか考えません)、(b)と(c)を実行します。 構造系全体の力の釣り合い条件のみで、支点反力が定まらない構造系を、「不静定」と言います。不静定=動的では「ない」ところが、この用語の問題点ですが、これは歴史的に決まった事です。 「不静定」構造物であろうと、力の釣り合い条件は全て満たします。ただしそれだけでは、支点反力の解が一つに定まらず、力の釣り合い条件だけでは、支点反力の解が不定解になる場合を指します。これが「不静定」の云われだろうと思います。実際、(2)の支点反力の成分は4個,(3)の支点反力の成分は6個で、構造系全体の力の釣り合い条件数3を越えています。 「不静定」構造物の場合には、材料特性(E)や部材特性(断面性能I)まで考慮しないと、支点反力は一つに決まりません。この場合の解法には、概ね4つあります。 (d)梁の微分方程式。 (e)たわみ角法。 (f)最小働の原理(カスティリアノの定理)。 (g)仮想働の原理(変分原理)。 (d)~(f)はいずれも同等なものですが、(d),(e)をコンピューターに便利なように整備したのが、いわゆるフレーム計算(骨組解析,有限要素法)と言われるものです。(e)は手計算向きでもあり、(f),(g)は完全に手計算向きです。(f)と(g)では、最初に支点反力を求める事ができ、静定構造の処理が、そのまま使えます。 ラーメンの場合、お奨めは(g)ですが、その際には「マックスウェル・ベティーの相反定理」も是非調べて下さい。これは(g)の理解に欠かせないものと思えます。 以上、けっこう書きましたが、(2),(3)を扱うためには、それなりの「構造力学」の参考書なり解説書が必要です。物理の本に同等の説明は載っているかも知れませんが、「実用向きではありません」。