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アメリカのドル資金供給について
今般のユーロ危機とヨーロッパ金融機関のドル資金調達難に対応する形で世界中銀のドル資金供給がなされましたが相当な規模のようです。QE3がどうのと騒ぐ前にそれぐらいの資金を供給するかもしれませんので注意深く見守っていたいと思います。具体的にFRBのバランスシートがどれだけ膨らんだか見てればいいと思うのですが、わかりやすいサイトがあったら教えてください。 QE1で 1.725兆ドル QE2で6000億ドル 札をすりましたが、それとの対応でどのくらい刷ったのかが一目瞭然でわかるとうれしいです。
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素人だけど持っている情報を書きこんでおきます。 FRBのバランスシートの状態を見るのに一番わかりやすいと思っているサイトはWSJのグラフですね。 A Look Inside the Fed’s Balance Sheet http://blogs.wsj.com/economics/2011/08/09/a-look-inside-the-feds-balance-sheet-12/tab/interactive/ Mortgage-backed securities(MBS債)が急激に増え始めたのがQE1時、 その後U.S. Treasury securities(アメリカ国債)が急激に増えているときがQE2の時ですね。 世界中銀のドル資金供給というのはFRBは自分のバランスシートをふくらませる(単に言えばお金を刷る)ことで対処していました。項目としてはCentral bank liquidity swapsで計上されているものですね。 リーマン・ショック以降に枠組みとして作られ2008年~2009年の初めころが一番使われていたことがわかります。 このWSJのグラフはこの回答を書き込んだ現在2011/8/9で更新が止まっています(まあ適時に更新をしているので後々この回答に迷いこんだ(爆)人は更新されたデータを見てるかもしれません。) 現状の最新データ(というよりこのグラフのソース)はFRBの以下のURLに乘っているものです。 http://www.federalreserve.gov/releases/h41/ 2011/12/1現在Central bank liquidity swapsは24億ドルと・・・ 中央銀行間のドル供給オペについてさらに突っ込んだ話題をやっておくと現状この仕組を日銀も利用している(正確には邦銀)んですよね。 日銀ドル供給オペに2週連続の応札、年末越え3カ月物に1億ドル http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK067274020111129 ただし、知ってる人は知ってるだろうけど、この中央銀行間ドルスワップ協定を主に使っているのはヨーロッパ、ECBですね。 つい最近の結果はこれです http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK805324520111130 ↓(対応するECBのソース) http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110134_all.en.html (出典)Open market operationsより http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html 出典から確かめてみますとECBはドル供給オペを現在3つほどやっていることがわかります。一番規模が大きいので3ヶ月ものを13.5億ドルほどオファーしています。全部合わせると20億ドル強なので、ドル供給オペはほとんどがヨーロッパがやっているということになります。 私は素人なので細かいところのツッコミには答えられない人間ですが、こんなところでどうでしょうか?
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- umaruko
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No.1です。3日の間に状況が変わりすぎたので一回だけ追記しておきます。 前回の回答では触れなかったのですが、11/30にドル供給オペの貸出金利が今まではオーバーナイト物に1%金利上乗せの水準だったのですが、0.5%に緩和されています。 【関連】ロイターの解説記事 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK805461520111201 金利が下げられるということは同時に借りやすくなるということなので、ドル供給オペの拡大はわかりきっていたわけで、FRBのバランスシートもこれによりかなり拡大することは確定事項だったわけなのです。 そしたらごらんの有様だよ…。はっきり言ってここまでひどいとは思わなかったorz ●ECBのドル供給オペ、84日物は500億ドル超と予想大幅に上回る http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE7B600L20111207?sp=true > 欧州中央銀行(ECB)は7日、84日物のドル資金供給オペを実施し、34行に総額506億8500万ドルを供給した。 ↓(対応するECBのソース) http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110139_all.en.html ほかにも7日物を16億ドルほどオファーしてるのも確認できます。これにより裏側でFRBは550億ドル弱お金を刷ることになるということが確定となりました。(まあ一時的にはということですが) もちろんフォローはいれときますが、リーマンショック直後はこのドル供給オペで最大5800億ドルほど刷っていたわけですから、現在は当時の1/10水準ですのでこれで金融終了というつもりはありません。 ただし、こんなにも市場でドルが調達できない銀行がヨーロッパに多いということは懸念しておくべきことでしょうねぇ。 と同時にFRBも面倒見きれるかねぇ、、とも思います。ただでさえFRB内部は意見の対立があるんでね。。刷りすぎてアメリカにダメージが来るようならタカ派が黙ってないような気もする。。 ●【スライドショー】FRB:政策スタンス勢力図(暇つぶし用) http://jp.wsj.com/US/node_306695 最後に質問者さまじゃないけどこの件はしばらく注意深く見守らなければならないといけませんね。 (おまけ)日韓スワップの記事だけど、2008年から2009年のFRBによるドルスワップ協定のデータが記事中盤からあるので紹介。 http://grandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-419.html
お礼
いろいろ詳しくありがとうございました。ヘリコプターベンと言われたのは伊達ではないとばかりに果敢に札を刷ってきましたが、アメリカにとってはいいときにいい人が議長になったと思います。一方日本もヨーロッパも正論ではありますがそれゆえもたついています。もっとも私もお金を刷りさえすればいいとは思っていなくて、円流通圏の領土拡大を睨みながらどう立ち回るかというのは当然セットだと考えていますが。
お礼
どうもこうもありません。すごい! めちゃくちゃわかりやすいです。小泉元首相風に「感動したっ!ありがとう!」と表現しておきます。素人とは単に金融業を本職にしていないというだけで投資や経済情勢にかなり造詣深い方と拝察します。私も素人(職業はまったく金融に関係ない)ですが投資や経済学は好きなほうです。 たしかECBはFRBやBOJと決定的に違って国債が買えなかったと記憶しています(ゼロじゃないけれど)。決定的に札刷り緩和ができない機関なんですよね。融資しか。ドル供給も現先取引しかできなかったんじゃないかな。だから1週間物ドル供給オペになってるんだと思います。