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消費税と所得税の同時上昇について
- 消費税と所得税の同時上昇の経済影響について簡単に考えます。
- 経済不況時に消費税と所得税を上げることの影響について考えます。
- 消費税と所得税の上昇が経済に与える影響について解説します。
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質問者が選んだベストアンサー
質問者の考えは正しいと思います。 以前映画「コンタクト」で観たのですが、科学の格言に「オッカムの剃刀」というのがあるようです。 意味は「単純で美しい理論こそ真実であろう」というようなものでした。 難しく考える必要はなく、シンプルにお金のあるところから税金を多く取る。 そしてお金の滞りをなくし、流動性を高めれば活気も生まれてくるのだと思います。 相対的貧困率などを見ても格差問題でデモが起きているアメリカとさほど変わらない状況にあるのがいまの日本です。 (全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」が2009年の厚生労働省の調査で、過去最悪の16.0%となった。OECDでも加盟30カ国中、4番目に悪かった) 逆に言えば、格差の是正がなされれば北欧のように消費税率が高くても不公平感が少ないのかもしれません。 まずは総中流といわれた頃の税体系(所得税や相続税の最高税率の引き上げを含めた高所得者への課税強化)に戻し、活気を取り戻す必要があるのかもしれません。 ★このことについては11月22日、政府は年内にまとめる2012年度税制改正大綱に検討課題として盛り込み、13年度以降に具体案を検討することになりました。その点は大いに評価できます。 消費増税は所得の少ない人ほど負担感が重くなるという逆進性の問題があります。 もし、消費増税を強行するのであれば、勤労所得税額控除・給付付き税額控除を具体案(日本の低所得者の実情に合った形)として提示した上ですすめるべきだと思われます。 しかし、政府はこの提示を見送る方向のようですね・・残念! ★勤労所得税額控除とは・・勤労によって得た所得に対して一定率で税額控除(この額だけ所得税額を軽減)を与える制度で、アメリカのEITC(Earned Income Tax Credit)に由来する。一般的に控除額が所得税額を上回る場合に超過分が行政当局から支給されるため、実質的に一定の所得に達しない者に補助金を与える公的扶助制度として機能している。税額控除額を低所得層から高所得層にかけて、逓増領域・定額領域・逓減領域と段階的に設定することで、控除が定額領域に至るまでは所得誘因が働くことになり、労働意欲が高まる制度設計となっている。イギリスでの同様な制度としてWFTC (Working Family Tax Credit)。同様の概念を指す言葉として、給付付き税額控除。 中曽根政権以来、米国の新自由主義的税制の影響で、継続的に大企業・高額所得者への減税措置が取られ、1983年時に所得税の最高税率は75%、住民税は18%だったのですが、どんどんその後引き下げられ、98年時点で所得税は50%、住民税は15%になりました。その後、所得税は40%住民税が10%となり、小泉政権でもその低い高額所得者の所得税率が継続され、今日に至っています。小泉政権になってから、証券優遇税制で、03年以降、株取引での所得には、分離課税で7%、住民税3%、あわせて10%という大変低い税率になっているのです。例えばスウェーデンでは株式所得は分離課税とせず総合課税(スウェーデンの累進税率の最高税率は62%)として扱われます。日本は金持ち優遇社会なのです。 累進課税をあげるというのは格差是正には非常に有効です。 しかし、それは共産主義を意味していません。「差が少ない」というのと「差が無い」というのとは決定的に違うのです。アメリカや現在の日本のように格差が大きい社会は(ほんの一部の人を除き)活力を奪うものです。格差が小さいほうが目標とする人の背中も見えて頑張れる人が多いのです。これについては心理学的にもそう言えると和田秀樹氏《精神科医(川崎幸病院精神科顧問)、臨床心理士、国際医療福祉大学臨床心理学専攻教授、一橋大学特任教授、学校法人成城学園理事、起業家》は自身の本に書いています。 話は逸れますが日本経済の復興について少し書きます。 日本は小泉・竹中路線が象徴的なように「アメリカ型」の社会、「金持ち優遇」の社会をつくってきました。 その結果、非正規社員の割合が増え、正規社員を含め労働対価は大きく減少していきました。 果たしてこれでよいのでしょうか? 2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン。 彼は自身の本「格差はつくられた」のなかでこう説いています。 「アメリカはリベラルが強かった時代のほうが良かった」 また、彼は「国際競争力というものはペテンだ」と言い国際競争力をつけなくてはいけないからと言って賃下げをするのは愚の骨頂だと主張しています。 第二次世界大戦後イギリスやフランスといった戦勝国でさえボロボロになったのに対し、アメリカだけがなぜか戦後不況に陥らなかった。 どうしてかというと「総中流化した国民が概ね経済的にゆとりを持てていたから」なのだそうです。 最低賃金を上げたり、労働組合に対する規制も緩める政策をしたルーズベルト。 その後のトルーマン大統領はさらに高額所得者への最高税率を上げることもしました。 その結果何が起こったかというと、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、自動車といった製品を一般庶民が持てるようになったのです。 生活水準の大圧縮のおかげで多くの人の生活水準が上がり、企業は何を作っても売れるようになったということです。 ここで歴史をひもといてみます。日本がアメリカに勝ったのは家庭用ビデオデッキが開発された時でした。日本のビクターがVHS、ソニーがベータ、アメリカが別の方式でした。 発売当初の値段はビクターもソニーも25万円くらい、アメリカ企画の製品は1000ドルぐらいでした。 当時は1ドル250円くらいだったので同程度の値段といえるでしょう。 ところがアメリカでは70年代半ばから貧富の差が開きはじめていましたから大衆には手が出せないものになっていたのです。 一方、日本の一般労働者はボーナスをはたいてもビデオデッキを買いました。 しかし、アメリカの労働者は1000ドルのビデオデッキは高いといってなかなか買いません。 日本は順調に売り上げを伸ばしていきました。そして大量生産が可能になっていくのです。 結果的にどんどん価格を下げることができ、アメリカ市場においてもアメリカの規格を駆逐するまでになったのです。 それ以降、8ミリのビデオカメラも同じ状況でした。日本が先行して売れて大量生産が可能になりました。その後アメリカでも1000ドルをきる値段で売り出すことに成功し、とたんに猛烈に売れだしたということです。 私はここに経済再生のヒントがあると考えているのです。 『荒廃する世界のなかで』という本の中で故トニー・ジャット氏(元ニューヨーク大教授)は次のように書いています。 【裕福な少数者と貧しい多数者との隔たりが拡大すればするほど、社会問題は悪化する。これは富める国と貧しい国の両方について言える真実だと思われます。国が裕福か否かではなく、不平等か否かが問題なのです。スウェーデンやフィンランドは、国民一人当たり所得あるいは国内総生産(GDP)で世界最高の富める国ですが、金持ちと貧乏人を隔てるギャップは非常に狭く、かつ、計測可能な福祉指標において常に世界トップを行っています。それとは逆に、アメリカ合衆国は富の総量はまことに巨大ですが、こうした尺度に照らすと、いつもしんがりです。】 まずは消費増税以外の税制改革をすすめ、格差の少ない、活気に満ちた社会をつくる事が求められるのだと思います。 消費増税はその後で考えるというのが、正しい手順・流れだと思うのですが・・いかがでしょうか? ご参考まで!!
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- potatorooms
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消費税を引き上げてもし景気が悪くなったら、間違いなく円安に進みます。 今、日本が円高なのは、先進国のどの国も景気が悪く、失業率が高い中で、日本だけが何もしないのに割と数字が良いためです。 きちんと税金を引き上げて、今よりも状況が悪くなれば、この評価が変わります。 ちなみに、税率の話は騙されないこと。日本の公務員は頭がいいので、税率が低いまま、国民から大量のお金を得る方法を考えついています。ご両親の給与明細を見せてもらうととても良く分かりますよ。 実際、税収でも国会の審議を通さないで公務員が直接使える金額の方が大きいんです。 そのうえで、さらに郵便貯金という税金が国家予算以上の規模であります。これに反対したのが小泉改革ですね。郵政改革を戻そうと今行っている人たちは、つまりはこの隠れたお財布の復活を願っている人たち、ということになります。
- revitor2011
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増税の理由ですが、巨額の財政赤字、IMFの勧告、海外の消費税率との比較、国民負担率(所得に対する税金と社会保険料の比率) 財政赤字は約1000兆円で、GDP(経済規模)の約200% IMF勧告で消費税率を2012年以降に7─8%に引き上げ、段階的に15%に引き上げることが重要だと提言している。 海外の消費税率は、イギリス20%、フランス19.6%、イタリア20%、ドイツ19%、米国は州ごとに小売売上税 国民負担率 日本39.5%、米国34.9%、イギリス48.3%、ドイツ52.4%、フランス61.2%、スウェーデン64.8% (食料品の消費税率や還元率は比較されていないデータです) 増税と景気についての関係ですが、1989年消費税施行3%、1997年税率引き上げ5%と日経平均株価を比べれば、予想できると思います。
補足
回答ありがとうございます。 日本の借金がもの凄いから増税して収入増やして返済しないといけない。これは分かります、 けれど本当に消費税を増やして大丈夫なのでしょうか? 日経平均株価も施行した3%のときも5%に引き上げた時も今よりは景気良かったんじゃないんですか? 景気悪い時に消費税なんて上げたら手に負えない状況になると思うのですが・・・。
- yutayuta00
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この不況に消費税をあげることは逆効果だと思います。 おそらくギリシャのようになるでしょう。経済論では不景気なときに増税して成功した国はないといいます。逆に景気がいいときにやるべきだという考えがあります。 私はこういった関連の質問でも書いたのですが、社会保障の見直しと、無駄の削減です。国は無駄だと分かっていてできないことが沢山あるんです。例えば農業保障や天下り、それに沖縄駐留のアメリカ軍の思いやり予算。特に農業保障についてはこれを無くせば選挙のときの有権者を失います。やはり何だかんだ言っても自分達のための政治なんです。 また子供手当てですが、こんなものも必要ないでしょ。親の飲み食いやパチンコ台に消えるだけです。ほんと無駄の宝庫です。 もう他に策ってないですよ。復興予算もあるのに、何もかも一度にやろうという野田政権の焦りとしか考えられません。 いまの5パーセントの行方も分からないとされていますし、けっきょく無駄な予算につかわれているのでしょう。 いったい何を考えてるんだと思います。国民からお金を搾り取るだけなら、ほんとサルでも考える政治ですよ。
補足
政府も流石に何か考えて、考えて考えて変な方向に行ってしまったのかと思ったらそうでもないみたいですねww 回答ありがとうございます
- potatorooms
- ベストアンサー率28% (3506/12498)
不況はなぜ起きているんですか? いま、先進国の通貨の中で、一人勝ちをしているその国が、なぜ、不況なのでしょうか? 震災がなくても、ここ数年、国家予算は、戦後、最大規模になっています。これだけのお金を使っても、不況なのはなぜでしょう? それとね、今年使った国家予算を3割節約しても、過去最高の税収だったバブルの最後の年よりも支出が多いんです。 仮に、景気が良くなったとして、過去日本が最もお金持ちになった年よりも3割も多い、そんな収入を期待していいと思います? こんなことをいつまで続けられると思います? 算数が苦手な人たちが政治や経済を握ってしまったのが、日本の不幸なんです。なので、自分の贅沢な生活を守りたい人たちに簡単に騙される。 なぜ、日本は不況なんでしょう? そして、そんな日本に、先進国一の発展性があると思われているから、円が強いんですが、世界は日本に何を期待しているんでしょう?
補足
そうですね^^
補足
丁寧で長い回答、ありがとうございます。 前半は少し難しかったのですが、 「所得税によって格差を小さくする→労働意欲が増す」 というのは、普通に「なるほど」と思いました。 けれど今の日本だと、「働いても働いても所得税でほとんど持ってかれる・・・」という状況もあるような部分も存在するのではないかと思います。裕福な層でなく一般の層まで取り過ぎなのでしょうか・・・? あと最初に紹介していただいた映画「コンタクト」、ちょっとTSUTAYAで借りてみますww