大統領は「共和制」をとる国の国家元首の立場、「首相」というのはあくまでも実務上のTOPです。
なので、
>宰相:内政のボス
>統領:全体のボス
で基本的にはあっています。
もう少し、簡単にまとめてみます。
1・大統領とは何か。
大統領というのは、「共和制」におけるその国を代表する第一人者の事です。
「共和制」に対置できる概念は「君主制」です。
「君主制」の場合、「君主」がその国を代表する第一人者となります。
国と国との関係において、「大統領」というのは、「共和制」において「君主制の君主」と同格の地位が与えられます。
例えば、英国で言えばエリザベス女王が、日本で言えば天皇が、共和制国家の大統領と同格となります。(まぁ、日本の天皇は君主なのか?という議論もありますけど)
「君主・大統領」を区別無く呼ぶ言葉に、「国家元首」という言い方があります。
こちらは、「国を代表するモノ」という意味となります。
・大統領の権限
大統領の権限は、大きく分けて3つのタイプに分けられます。
その一、
主に米国型の大統領です。
こちらは、大統領が行政府のトップの役割も担います。
その権限は、議会(立法府)に対して法律制定のお願いをしたり(米国大統領の一般教書演説)、議会が制定した法律に対して「拒否権」を発動したり、各国との条約等に書名したりと、様々な権限が付与されています。
その二
大統領は儀礼的な権限しか付与されていない場合です。
代表的な国をとってドイツ型と呼ばれることがあります。
こちらは、米国型のように議会(立法府)に対するの立法府の長を勤めるという権限はありません。
国家的な儀礼や典礼を司るだけです。
まぁ、日本でいう天皇みないた役割です。
議会を招集したときに詔を唱えたり、国家の節目節目の儀式なんかで主催者を勤めたりします。
当然、法律を制定するお願いとか、拒否権などの権力は持っていません。
主な国に、ドイツ連邦やイタリア共和国なんかがありますね。
その三
米国型とドイツ型の間をとったような「半大統領制」という国もあります。
こちらの代表はフランス共和国及びロシア連邦ですね。
つまり、選挙で選出される「大統領」と共に、議会等から選出される「首相」が併存する体制です。
こちらの型の大統領には、「議会解散権・閣僚任免権・条約批准権」など大きな権限が与えられています。
通常は、大統領を出した政党が議会でも多数政党を構成します。
そのため、大統領と首相は共に同じ政党から選出され、二人三脚で政権運営に当たります。
このときの分担が、外交に重きをおいている場合が多いのが大統領で、内政に重きを置いている場合が多いのが首相なので、ニュースなんかでは必然的に大統領が表に出てきやすいです。
2・首相とななにか
首相というのは、内閣ないし政府を構成する各閣僚のウチでそのトップを指す言葉です。
日本のような「議員内閣制」をとる国では、議会を構成する最大政党より選出されるのが普通です。
そして、議会から付与された権限でもって行政の各トップである閣僚を任命し、内閣を構成します。
首相は「行政のトップ」であり、通常はその国を代表する「元首」とは見なされません。
あくまでも、実務担当のトップです。
なので、多くの国では「首相」と共に「君主」ないし「大統領」などの「国家元首」が別に存在します。
とまぁ、以上が「大統領」と「首相」の大まかな説明となります。
もちろん、その国々によって事情が異なりますので一概に上記に当てはまるわけではありません。
ではでは、参考になれば幸いです。