- ベストアンサー
pH7.0でイオン強度0.1のリン酸塩緩衝液の調製方法とイオン強度の計算
- pH7.0のイオン強度0.1のリン酸塩緩衝液の調製方法は、リン酸二水素カリウムと水酸化ナトリウムを混合し、200mLになるように蒸留水を加えます。
- イオン強度の計算では、リン酸二水素カリウムの電離反応を考え、K+とH2PO4-の量を求めます。また、H2PO4-のpHにおける存在量の求め方に関しては説明できません。
- ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式は使えませんが、イオン強度の計算にはH2PO4-のpHにおける存在量を求める必要があります。具体的な計算方法についてはお答えすることができません。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
回答No1です。 中性付近で考えなければならない分子はリン酸ということになりますね。 そこでリン酸の電離を考えると次のようになります。 H3PO4 ⇔ H2PO4^- + H^+ H2PO4^- ⇔ HPO4^2- + H^+ HPO4^2- ⇔ PO4^3- + H^+ あなたの式ではOH^-などの式が使われていますがアルカリ性が高くなるにつれて上の式では電離して発生したH^+がOH^-と結合して水分子になるわけで最下段までの反応が進み強いアルカリ性の溶液ではPO4^3-のみが存在することになります。H2PO4^-が水と反応しOH^-が生成するといった反応は起こりません。 試薬として用いられたのはKH2PO4ですがこれは溶解してH2PO4^-が生じるわけですが溶液の酸性度によって上記のような反応が進み存在するイオン種が異なるのです。酸性が強ければH3PO4が多くなりますし、アルカリ性が強くなればPO4^3-が主なものとなります。上の反応については酸解離定数が求められており例えば最上段の反応では K1 = [H^+][H2PO4^-] / [H3PO4] logK1 = log[H^+] + log[H2PO4^-]/[H3PO4] -logK1 = -log[H^+] - log[H2PO4^-]/[H3PO4] pH = pK1 + log[H2PO4^-]/[H3PO4] ここで pK1 については2.12 となっており、その意味はpHが2.12の溶液中ではH2PO4^-の濃度とH3PO4の濃度が同じ値となることを意味しています。 回答1でも示しましたように3段階の解離についてpKの値はpK1=2.12 pK2=7.21 pK3=12.32となっており、pHが7.21ではH2PO4^- とHPO4^2-が同じ濃度で存在することになります。他のイオン種は無視できる濃度です。 [K^+]=C1+C2についてのことですが試薬として添加したものはリン酸2水素カリウムですね。カリウムの濃度と溶液中に存在するリン酸のイオン種(このpH領域では主にH2PO4^- とHPO4^2-)の濃度は同じになりますね。 上の式自体ではH^+の濃度は考える必要もありませんし、pH7でのH^+の濃度は10^-7mol/Lですので完全に無視することができます。 酸の解離定数などについてもう一度教科書なりで勉強されてはいかがでしょう。
その他の回答 (1)
- KURUMITO
- ベストアンサー率42% (1835/4283)
リン酸は3段階の解離でその解離定数はpKaの値でそれどれpK1=2.12、pK2=7.21、pK3=12.32となっています。 このためpH7付近で存在するイオン種はH2PO4^-およびHPO4^2-と考えることができます。 ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式からpH7.0の溶液ではH2PO4^-の濃度をC1、HPO4^2-の濃度をC2とすれば 7.0 = 7.21 + logC2/C1となりますので C2/C1 = 0.617 となります。 ところで溶液のイオン強度は μ = 1/2 {1^2* ([Na^+] + [K^+] + [Cl^-]) + 1^2 * C1 + 2^2 * C2} ところで ご質問のケースでは [K^+] = C1 +C2 , [Na^+] = [Cl^-] [K^+] = 0.05 mol/L [Na^+] = 0.02954 mol/L 0.05 = C1 + 0.617 * C1 C1 = 0.03092 C2 = 0.01907 μ = 1/2(0.02954+0.05+0.02954 + 0.03092 + 4 * 0.01907) = 1/2 (0.14 + 0.07628) = 0.108 調整した緩衝液のイオン強度は0.108となります。
お礼
KURUMITO様 ご丁寧に分かりやすい解説をして頂きありがとうございます。 おおよそ理解することができました。 ですがまだ疑問に思うことがあるのでお答えして頂けないでしょうか? KURUMITO様の解説の中には [K^+] = C1 +C2 という式がありました。 疑問点は、この中に H+ について、式に含まれていなかったのですがこれは無視してもよろしいのでしょうか? KH2PO4 ⇄ K+ + H2PO4- H2PO4- ⇄ H+ + HPO4- といった反応が起こるため H+ の存在は無視できないと思ったため疑問に思いました。 もう1点疑問があります。 pH7.0 における 以下の式について触れられていませんでした。 H2PO4- + H2O ⇄ H3PO4 + OH- この式にある各種イオン濃度や、H3PO4から解離してくるイオンについて求めていなかったのですが、こちらは考えなくても良いのでしょうか? 疑問に思うことが多く質問ばかりなのですがどうかよろしくお願い致します。
お礼
KURUMITO様 なるほど!! 理解できました、そしてもう一度教科書などで勉強し直してみます。 本当にありがとうございました。