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大学史学科に向けての高校日本史

大学で日本史学科を専攻したいと考えている高校二年生です。日本史には自信はあるのですが史学科に進むような生徒は高校時代にどのくらい深く歴史を勉強しているのか分からないので正直不安です。模試レベルが解けるだけでは大学に入ってから苦労するでしょうか。教科書に載っていないようなことを高校時代から覚える必要があるのでしょうか。大学で史学(地域は問いません)を専攻している、またはしていたという方アドバイスお願いします。高校時代に何をやれば大学で負けないか教えてください。

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noname#148685
noname#148685
回答No.3

かつて大学(東京の某大学)で史学を専攻し、卒業後、 官公庁で史学関連の仕事(専門官系)をした経験のある者です。 貴君が公開質問をしてから数ヶ月経ってしまいましたが、私の経験の範囲内でお答えします。 (1)模試レベルが解けるだけでは大学に入ってから苦労するでしょうか?  大学1年の「概論」と呼ばれる講義は、模試レベルの学力で大丈夫です。  大学2年~の専門的な講義は、教授陣の得意な研究テーマをじっくり聞いて、  教授の見解を”味わう”場なので、講義を聞いて、それをノートに書き取る力があれば十分です。  「模試レベルが解けるだけでは苦労する」ということはないと思います。 (2)教科書に載っていないようなことを高校時代から覚える必要があるのでしょうか?  高校時代から覚える必要はないと思います。  大学の史学科は「概論」→「専門的な講義」→「ゼミ」→「卒業論文」と  知識と考察する学力を徐々に身に付けていくカリキュラムが組まれているので、  マニアックな範囲まで覚える必要は必ずしもないと思います。 (3)高校時代に何をやれば大学で負けないか教えてください  「史学科入学後、史学を学んでいく上で、学友たちに負けないために、何をやるべきか」  というご質問だと思いますが、私の数少ない経験からアドバイスさせていただくと  ◎全国歴史教育研究協議会「日本史B用語集」(山川出版社)をすべて暗記しておく。   「一問一答日本史B用語問題集」レベルだと、知識・学力としてはかなり薄い。   史学科は模試の「歴史科目」高得点者の集まりなので「負けないためには」   歴史科目の知識・学力を上げておく必要があります。  ◎高校時代に研究テーマを決めておく。   研究史・自分が支持する学説・史料体系の把握ができていれば完璧です。   だけど、受験勉強の最中、これはかなり難しいかもしれません。   それに、大学1年時に着手しても十分間に合うと思いますので、   受験勉強に支障のない範囲で取り組んでみてください。   (今は、志望校の史学科に合格することだけに専念してください)   大学の史学科では最終的に卒業論文を書くことになりますが、そのためには   「歴史学上要求されている課題に対して、その研究史を丹念に検証した上で、    史資料を着実に処理・解釈し、今日の歴史学に貢献する/意義を見いだす研究姿勢」   が求められます。これはあくまでも「職業として史学を選んだ」一個人の意見ですが、   「大学の史学科で学友に負けない」=「将来の歴史学界を担う研究者を養成する観点から、    才能・意欲・学力の点で教授陣に注目され、大学院生・研究者としての基礎力を身に付けるべく、    教授の下に弟子入りし、研究の基礎の鍛錬を積み重ねる学生」になることだと思います。   大学の史学科では、史学を専門的に教えることも大事なことなのですが、   将来の歴史学界を担う研究者を発掘・養成することも大事な使命のひとつです。  ◎速読力を身につけておく   史学科入学後、論文・史資料集をどれだけ読み込んだかで、大学3年~大学4年にかけて、   学友との間に大きな「学力の差」をつけることができます。   16時~22時まで大学図書館漬けになり、分厚い史料集から一回で100枚~200枚をコピー   するなんてこともザラです。そのためには、本を早く読む(というか内容を早く検索・理解)   力をつけておくとよいと思います。  ※最後に「大学の史学科で学友に負けない」で史学の道に打ち込んでいると、   大学4年間でつぎのようなパターンを歩むことがあります。   I 大学1年終了時~、教授から「大学院進学の意志があるかどうか」     個人的に話があります。   II 大学2年時~正規の講義とは別に、大学院進学のための個人的な授業を     教授から受けることがあります(語学や卒論の地場固めなど)   III 大学3年時~他大学の複数の教授から「大学院の講義に顔を出してみては?」とか     「研究上、必要あればいつでも研究室に来てください」と声が掛かるようになります。     (大抵は、指導教授の学閥からのお誘いです。大学院入学前の品定めと言ったところでしょうか) 長文になってしまいましたが、以上です。 高校生だと、史学科の具体的なイメージがなかなか沸かないと思いますが、、 大学によっては、学友同士の「競争」があり(歴史好きが集まっていますからね)、 その中で、勝つ人もいれば、負ける人もいるという感じです。 (最も、勝ち負けと学友との友情はまったく別物ですが) 受験勉強を頑張ってください。貴君が志望校の史学科に合格できることを祈念しております。 

  • TANUHACHI
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回答No.2

 丁寧な補足ありがとうございます。過日もお話しさせていただきましたが、歴史学は人間の歩いてきた足跡を辿る性質の学問ですから「総合の学」ということもできます。そこには政治や経済の動きもあれば哲学や芸術の歩みもあります。ですから歴史学が領域として接する学問分野は途轍もなく広く同時にそのための入り口も政治史や社会経済史、外交史や文化史など多様な入り口があり、歴史学共通の研究方法と同時に固有の研究方法があります。  将来の職業として教員を志すならば法学部や経済学部などの社会科学系の学部でも文学部でも学部の単位とは別に教職課程を履修すれば可能です。その中でも高校の社会科(教職資格では日本史・世界史などの区別はなく「社会科」として免許状が交付されます)の歴史科目であるならば、専門分野である文学部の日本史学科という選択になる可能性が先ず挙がります。  とはいえ日本史学専攻の研究室も古代史・中世史・近世史・明治維新史・近代史などに分かれそれぞれ担当の教員がいるうえ古文書学や史料学さらには図像学などの専門特化した研究者もいます。そのため高校までの様に「日本史」と一括りに出来ないことを先ずはお知りおきください。とはいえ他の時代のことは全く知らないというのではなく、日本史全体を理解しつつ専門領域に関する知識で商売しているとお考えになった方が適切でしょう。  質問者様のイメージでは「日本史」といえばテレビのクイズ番組などに代表される「知識の切り売り的」な科目かもしれませんが、先程も申しましたように「歴史学は総合の学」であると同時に「構造としての時代像とその形成過程から未来を洞察する学問」です。例えるならばジグソーパズルのピース一つ一つを適切な位置に無理なく当てはめ全体を組み上げる、といった印象が適しています。  質問者様が生徒だとして僕が「鎌倉幕府の成立年代には主要なモノで3つ詳細に区分すれば5~6つの学説があります」と話をしたらどうでしょう?。生徒の立場からすれば恐らく「どれが正解ですか」と質問することでしょう。この時に僕が「それは鎌倉幕府というシステムをどの様に定義づけるかによって見解が分かれる。つまりはどれもが正解であり得る」と説明すれば納得できるはずです。大学で学ぶ学問には推理小説で犯人捜しをするような「正解」はありません。またそうした「絶対的な答」を求める世界でもありません。キチンとした証拠と論理によって一つの見解を構築できるか否かが分岐点となります。  この問題に関して具体的には以下の学説があります。 (1)源頼朝が征夷大将軍に任命された建久3年(1192年)説 (2)日本国総守護地頭に任命された建久元年(1190年)説 (3)公文所及び問注所を開設した元暦元年(1184年)説 (4)守護・地頭の任命を許可する文治の勅許が下された文治元年(1185年)説 (5)東国の支配権を承認する寿永二年の宣旨が下された寿永2年(1183年)説 (6)頼朝が東国支配権を樹立した治承4年(1180年)説 これらは全て「史料」を通して得た結果であり、それを歴史という文脈の中に位置付ける作業です。その上で「鎌倉幕府という存在のどの部分に着目するか」は研究者それぞれによって異なります。ですので「一筋縄でいくほど甘くはない世界」だと申し上げさせていただきました。  お判りいただけましたでしょうか?。

  • TANUHACHI
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回答No.1

 こんばんは。学部時代は政治学を専攻し、卒業後に企業勤務する間に歴史学を学ぶべく社会人枠で大学院の修士・博士課程を終えたオジサンです。  学部として日本史学を専攻したいというのであれば、現時点では受験の正否を考えればよいのであって、それ以後のスタート地点は全ての入学者にとって同じです。  大学で歴史学を学ぶことは「一つの歴史事象」たとえば南北朝内乱を日本の全史的過程のなかにどのように位置付けるかなどの「歴史の視座」。これを関連する諸科学(政治学や社会学そして経済学)などの成果を受容しつつまた歴史学固有の研究視角から分析することです。平たく言えば「歴史をどう見るか」の視座を養う学問です。また同時に「史料を読む力」を養うために「古文書学」や「史料演習」があります。高校生に古文書が読めるはずはありません。西洋史学ならば英語やドイツ語フランス語で書かれた歴史学の文献を読む講座があることと同様です。  ○○年に××が△△を行った、などの細切れ的知識はあくまでも歴史データにしかすぎません。もちろんそうした基礎的知識があるに越したことはありませんが、それだけでは意味のない集積でしかありません。  今質問者様が直面する問題は「受験対策」を如何に合理的に進めるかだけです。それ以後の事を云々することは杞憂であって意味のある質問ではありません。この事はお判りでしょうか?。ただ一つアドバイスできるとすれば、歴史学を志す気の利いた受験生ならば、少なくとも歴史学(質問者様の場合は日本史学)を専門とする研究者が執筆した一般書に目を通す事により実際の歴史研究の一端に触れることもできますのでお奨めはできます。  遙か昔、僕が高校生だった頃には、市販の歴史全集には殆ど目を通していました。執筆者には井上光貞永もいれば竹内理三、石井進、永原慶二そして井上清や色川大吉、遠山茂樹などのそれこそ日本史学ではそうそうたる名前が並んでいて、その名前を見ただけでも興奮したモノです。  今現在ならば、故人となりましたが網野善彦氏などは歴史学を再構築する意味で民俗学の成果を積極的に受容している点で注目に値する研究者でもあります。簡単に日本の近代史学の歩みを知るならば、永原慶二氏の『20世日本の歴史学』(吉川弘文館)や大久保利謙氏の『日本近代史学事始め』(岩波新書)などを手始めとしてお読みになることを勧めます。他にも岩波や中公新書にはキチンとした執筆者の手になる啓蒙書が数多くありますので興味のあるタイトルを見つけたら手に取ってみては如何でしょうか?。  そして「歴史をどう見るか」との大枠の理解に関連していえば、古典的なところで『歴史とは何か』(E.H.カー)『社会科学の方法』(大塚久雄)『社会科学入門』(高島善哉)などを読んでおいても後々の損はないと思われます。  尚、現在の僕は企業勤務と大学及び大学院で教員として学生達と共に日本の中世史と格闘する二足草鞋の立場の人間です。

0paw_2011
質問者

お礼

ありがとうございます。高校時代はとにかく受験勉強に集中することがよいと分かって他の教科に時間をかけることができると安心しました。機会があれば学者さんたちの著作を読んだりしたいなと思いました。

0paw_2011
質問者

補足

もう一つ質問です。学者さんからしたら馬鹿な質問と感じられるかもしれませんが聞きたいことがあります。僕は将来高校の日本史の先生になりたいと考えています。その際日本史について縦横無尽の知識が欲しくてどんな質問にも答えられるような先生になりたいと思っています。そこで質問なんですが総合的な日本史の知識を底上げできるような大学の学科ってありますか。史学科も含めお勧めの学科が知りたいです。無知な質問で申し訳ないです。