- 締切済み
漁業権について
漁業権の存在する国は日本と韓国のみと聞きました。 調べたのですが、それらしい記事が見つかりませんでした。 事実でしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- kenchin
- ベストアンサー率56% (398/700)
主として沿岸漁業に関する漁業権の有無についてのご質問で宜しいんですよね? 日本の場合は割愛して。 結論から言えば、欧米(及び大抵の国家)において漁業権は存在します。 ただし各国が採用する基本的な法体系が違うために差異、主として「資源へのアクセス権の違い」と「漁業権の法的性格の違い」が発生し、そこから漁業権全体の内容が変わってきます。 日本と最も異なる例としてアメリカと対比しましょうか。 資源へのアクセス権について。 アメリカアメリカでは基本的に全ての市民が自由に漁業を行う権利を持っています。 フォレスト・ガンプの中で、主人公は帰還後突如にエビ漁業者になったシーンをご存知でしょうか? この様に、アメリカでは「資源にアクセスする権利は、特殊な場合を除いて、特定の人間・一族・集団に帰属するものでなく、アメリカ国民であれば等しく分け与えられるものである。」という考えを採っています。 これを「オープン・アクセス制」と言います。 対して日本のように「特殊な場合を除いて、特定の人間・一族・集団に帰属する」としたものは「リミテッド・エントリー制」といいます。 漁業権の法的性格の違いについて。 法の基本的性質の一つに「法定主義と特許主義」、「無制限主義と制限主義」という対比があります。 上の例でいうなら、アメリカでは可航水域(航行に制限の加わらない区域)では一般に誰でも自由に漁業を行うことができますが、非可航水域(河川の沿岸部など。航行に制限の加わる区域)では独占排他的なある種の権利が設定されます。 この権利は、その水域(川の水)の利用や、そこに存在する資源の採捕などの権利を、沿岸土地所有者に一括して付与する、沿岸権(riparian rights)という形になっています。 ですから多くの場合、アメリカの漁業権はこの沿岸権の一部として構成され、沿岸の土地所有者が隣接海域の漁業権も持つことになります。 つまり、漁業権は「特定の個人に帰属するものでなく、特定の土地に付随する。土地所有権の移転とともに権利も移動する。」という性格をもっています。 この性格から、アメリカの漁業権は「法定主義(所有権漁場主義)」と表現されています。 法定主義は権利内容が法律によって明確に定義されていて、沿岸の土地を取得すれば基本的に漁業権も取得することになり、かつ保証が将来的に確実に保証される(それを脅かすのは土地所有の有無だけ)ために確実なものである、かつ当該水域に存在する一切の生物資源に権利が及ぶ「無制限主義(漁業主義)」という特色を持ち、国際法に規定する排他的経済水域の考え方と共通しています。 日本では土地所有等他の権利とは独立した、かつ権利の帰属について許可者から免許(時限許可)を受けなければならないという特徴を持ち「特許主義」と呼ばれます。 基本が時限許可であるために、定期的に許可更新が必要となる(失効する場合もある)ことに加え、許可に各種の制限が付随(例えば漁獲内容、量、漁法)する場合もありますので、無制限主義に比較して将来性が不確定と言われていますが、行政等チェック機関が種々の制限を加える事で、漁法の変化や海況・環境の変化へ対応しやすい(資源保護がしやすい)と言われており、同一海域に多種多様の漁業形態を許可内容で切り分けて存在させ、それぞれを別の団体に付与することで、限られた水面を立体的・重複的に利用することを可能ともしています。(例えば定置網漁と延縄漁の共存) しかし権利としては漁業管理は地域的で複雑となります。 具体的な例では.....。 アメリカでルアー釣りをしたんですが、漁業権者にシッカリ入漁料を取られました。(苦笑 また、英国人との話でアメリカのルアー釣りの話に触れた時、「それはイギリスにもあるよ!」って言われましたのでイギリスも同じような体系なんでしょうし、その人は「イタリアなんかじゃ海沿いで漁業権付きの別荘が売られてるよ。」とも言ってましたね。
- blackhill
- ベストアンサー率35% (585/1658)
漁業の振興や乱獲防止のために資源を管理する手法には、沿岸漁業や養殖業に適用される漁業権制度と、沖合・遠洋漁業に適用される漁獲量許可制度の二つがあります。 後者は、国連海洋法条約などに基づいて漁獲量を決定し、その範囲内での操業を認める仕組みで、物権としての漁業権とは直接の関連はありません。 本来の漁業権は、江戸時代に遡る漁業の慣行を明治になって制度化したもので、先進諸国には例のない仕組みです。ただし、植民地時代に朝鮮や台湾でこの制度が取り入れられたので、現在でも存続していると聞きました。 漁業権には、定置網や地引網などの定置漁業権、養殖業など区画漁業権、一定水面を共同で利用する共同漁業権があります。 東日本大震災で壊滅した漁業再生のため、漁協が独占していた漁業権を開放して企業の参入を認める漁業特区の制定を宮城県知事が主張したのは記憶に新しいところでしょう。 なお、韓国における漁業権制度で検索すると、いくつか文献が見つかると思います。
領海を持つ国家は漁業権を持っていますよ。 むしろ漁業権を持たない国を探すほうがたやすいでしょう。海に面していなければ漁業権は存在しませんから。 遠洋漁船は外国の領海で操業するために多額の入漁料を支払っています。窓口は日本の各漁協ですが、県庁=外務省=領事館=入国対象国外事課のルートで申請がされます。許可が出れば逆ルートで許可証が発行されるので、許可番号と期間を控えて出港します。 冷戦時代の東側諸国ではこの手続きが不可能に近いので、領海通過許可のみ取ります。 ロシア、中国がいい例です。 現に遠洋漁船では申請時に簡略化するために、日本の複雑な船名ではなくアルファベット4文字で記号化し、船体の左右と上空からも確認できるようブリッジや船首甲板にペンキで書かれています。 http://www.yaizu-gyokyo.or.jp/asp_faq/faq.asp?no=7&dsp=&sw=600 URLは焼津漁協のものですが、参考にはなると思います。