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免疫力と再根管治療の関係について
- 再根管治療中にマクロファージを活性化するハーブを摂取することは有効なのか疑問です。
- 再根管治療の成功率は根管内の細菌除去によるものですが、免疫力との関係については不明です。
- 根尖病巣の原因は細菌感染や外部からの感染などが考えられますが、歯の自然治癒力についても疑問があります。
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感染に対する防御機構は大きく分けて3種類あります。 1つ目は、免疫機構などの細菌と戦ってこれをやっつけるものです。 2つ目は、免疫機構が細菌をうまくやっつけられない場合に、患部の周囲に壁を作り細菌を閉じ込めてしまい、そこに細菌がいても全身への影響がないようにする「被包」とよばれるものです。根管の外に膿の入った袋ができますが、この袋というのが被包です。つまり、膿と細菌が周囲へ広がらないように袋を作ってそこへ閉じ込めているのです。 3つ目は、細菌が暴れている部分を人体から切り離してしまうものです。歯槽膿漏や虫歯などがひどくなって歯が抜け落ちるのがこれです。凍傷で指が落ちてしまったとかいうのもこれです。 >感染した根管は、外に膿の袋を作り、骨を溶かし、最後は抜歯ですよね? まず免疫機構が細菌をやっつけようとするのですが、白血球は根管の中に入って行けません。ですから、根管の中の細菌をやっつけることができません。 そこで二つ目の感染防御機構である「被包」により膿が周囲へ散らばらないようにします。ところで被包を作って膿を閉じ込めるためには、膿を閉じ込めておくスペースが必要です。骨の中にはそのようなスペースがありませんから、人体の感染防御機構が骨を溶かしてスペースを作ります。つまり、骨が溶けるのは細菌が溶かすのではなく、人体が細菌を閉じ込めるスペースを作るために骨を溶かすのです。 昔の怪獣映画で、自衛隊がゴジラをやっつけるために、住民を立ち退かせて戦うための場所を作ってから戦車を出動させるシーンがありました。それと同じです。 根の周りに被包ができ、細菌がその外へ出ないようにすると、次は白血球が少しずつ細菌をやっつけてゆき、被包を徐々に小さくしてゆきます。そして細菌が根管の中にいるだけで根管の外には細菌がいないような状態にすることができると、根の周囲にセメント質ができ、最後は根の先にあった、歯の神経や血管が歯の中へ入っていたアナ(根尖孔)をふさいでしまい、細菌が外へ出ることができなくしてしまいます。ここまでいくと自然治癒したとみなすことができます。しかしこれには数年からときには数十年という長い時間がかかります。ほとんどの場合、途中で風邪を引いたり、転んでけがをしたり、仕事がとても忙しくなったりという体力が低下する時期があり、その時期を狙って細菌が暴れだし被包を破って外へ広がってしまいます。するとそのさらに外側に新たな被包ができ、そしてまた最初からやり直しになってしまいます。 ですから歯科医師は、「自然治癒はない」という立場を取っています。 しかし、上記のように被包により炎症が広がらずに歯が長く持つということはしばしばあります。
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- aokisika
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細菌というのは1個の生物であってそれだけで独立して生存できます。これに対してマクロファージなどの白血球は人体の一部であって、生存するためには血液からの栄養補給が必要であり独立して生存できません。つまり毛細血管のすぐ近くでしか生存できません。したがって免疫力が発揮されるのは毛細血管の近くです。 神経を取った歯の根の中には毛細血管は存在しませんから、根の中では白血球は生存できません。つまり根の中では免疫機構は機能しません。ですから自然治癒は起こらず、歯科医師が治療をする必要があるのです。 ただし、根の外の部分では免疫力が機能するので、その部分の治癒には免疫力は関係します。 免疫力が機能を発揮できない部分での治療ですから、免疫力を強化するようなことをしても効果は限定的です。
補足
御回答ありがとうございます! すごくわかりやすいです。 根管内は免疫力と一切関係ないのですね。 新たな疑問ができてしまいましたが、この捕捉をみていたらまた教えてください!お願いします。 感染した根管は、外に膿の袋を作り、骨を溶かし、最後は抜歯ですよね? 治療をしなかった、うまくいかなかった場合。 では、根の中の菌が悪さをして、根尖部に病巣を作ろうとしても免疫が高かったら膿の袋は最小限で済み、何年もその歯はもつということにはならないでしょうか?
お礼
詳しく有難うございました!!!