電磁波と一口に言っても、周波数と電界強度によって受ける影響は全く違います。
例えば、人間が暖かいと感じる「遠赤外線」も電磁波ですが、適度な強さなら暖かく感じるだけです。
しかし、強すぎれば火傷を負うことになります。
赤外線より波長の短い電磁波は「可視光」ですが、強すぎれば失明しますし、更に波長の短い電磁波が紫外線です。
紫外線は、人間が唯一生成する「ビタミンD」の素になりますが、強すぎれば日焼けや皮膚癌の原因になります。
それより波長の短い電磁波がX線、γ線で原発事故で話題の「放射線」です。
放射線は透過性が高いので、皮膚より内部の細胞組織を損傷する恐れがあるので怖がられてますが、自然界に存在する程度の放射線では影響しません。
それでは、遠赤外線より波長の長い電磁波はどうなのかですが、数GHz帯のマイクロ波は水の分子を震動させる性質を利用した「電子レンジ」があります。
携帯電話の周波数もマイクロ波に属しますが、以前にマイクロ波に使われるパラボラアンテナを調整中の技師が誤って送信された電磁波(電波)で内臓火傷で死亡した事故がありました。
パラボラアンテナというのは、凹面鏡のような性質ですから、焦点付近では強力な電磁波になったためです。
ですが、携帯電話端末機の電波出力は豆電球程度の出力ですから、高周波火傷を起こす強さはありません。
マイクロ波より波長の長い高周波電磁波を超短波⇒短波⇒中波⇒長波と呼び、一般的に電波に利用してますが、やはり強い電界では火傷します。(電気メスに応用してる)
更に波長の長い低周波電磁波で、商用電力に使うような数10Hzの波長では、電波のような伝播はしなくなり、強い電磁界の影響があるだけです。
特高送電線や変電所の至近距離では「静電気が帯電」しやすく、産毛が逆立ちます。
私は、長年に亘り高周波電磁波を扱ってましたが、高周波火傷の経験だけで健康には影響を受けてませんから通常レベルの電界強度では影響ないと言えます。