まず、PVAゲルとありますが、どのようなゲルなのかによって、結果が異なります。
化学的な結合(例えば共有結合)によって3次元化しているゲルは、熱水で膨潤することはあっても
溶解することはありません。
PVAの主鎖は炭素ー炭素結合によって構成されていますから、熱水で結合が切れることはありません。
この課題に於けるPVAゲルは、ホウ酸の添加でゲル化した物ではありませんか?
よく、スライムの作成など、学生実験で取り扱いますよね。
ホウ酸とアルコール、つまり酸とアルコールの反応で、エステル結合が出来ていたり、ホウ酸とPVAのアルコール
、つまり水酸基との間で水素結合が生じることによってゲル化しているのです。
室温で混ぜるだけでゲル化しますから、主に水素結合によるゲル化だと思います。
そのゲルを熱水に入れると、水素結合が外れるからだと思います。
水は比較的低分子であるにもかかわらず、沸点が100℃と高い理由は、水素結合が生じているからだと
習いますが、蒸発はその結合が切れて、水蒸気となって飛ぶ現象ですが、高温ほど簡単に蒸発していきます。
熱水でPVAが熱分解して低分子化することは考慮する必要がありません。
ところで、蛇足ですが、PVA、つまりポリビニルアルコールを合成する場合、その原料となるモノマーは
ビニルアルコールではありません。
もし、ビニルアルコールを合成できたとしても、すぐに異性化して、アセトアルデヒドになってしまいます。
ですから、酢酸ビニルを重合して、ポリ酢酸ビニルを作り、側鎖にアセチル基(酢酸の部分)を加水分解することによって
水酸基に変えているのです。
くどいようですが、主鎖は炭素ー炭素結合なので加水分解されることはありません。
酢酸の部分をどれだけ(何%)水酸基に加水分解したかという程度をケン化価といいますが、ケン化価100%、
つまり、全てを水酸基にしてしまうと、逆に水へ溶けにくくなってしまいます。
少し、酢酸ビニルの部分を残しておいた方が、水に溶けやすいのですよ。
もちろん、同じケン化価ならば、分子量の小さなPVAの方が水に溶けやすいですよね。
お礼
そうです!PVAにホウ酸を加えてゲル化しました。 詳しい回答有難うございました。 参考にさせていただきます。