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鍼灸治療の効果について。
例えば、歯髄周辺からの痛覚を緩和させる為に、 東洋の伝統医学では、 合谷穴等への鍼刺激が利用されてきた様でして、 自分でも、筋肉の過剰な緊張の解消の恩恵を、 鍼灸治療から賜っています。 但し、たとえ沢山の回数の施術を受けましても、 分からない部分が残り続けていまして、 勉強の為に知りたくなったものですから、 次の質問をさせて下さい。 「筋肉の過剰な攣縮が解(ほぐ)れますと、どうして、 持続的な痛みの伝達が抑制され得るのでしょうか?」 尚、西洋医学の麻酔との違いを説明に盛り込んで頂けると、助かります。
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お話からすると質問者さんは鍼による「麻酔」と「筋肉の過剰な攣縮の解消」を混同していらっしゃるのではないかと思います。まったく別もので前者の「麻酔」としての「痛覚の緩和」はハリを刺すポイント、深さが後者の「筋肉の過剰な攣縮の解消」とは全く違います。 ハリ治療には二つの手法があって狙いは全く別です。一般的に前者は4mm以上ハリを深く刺す局所治療の標治法で4mm以内浅く刺して全身調整を行う本治法とは全く違う手法です。 前者は交感神経を強く緊張させることで血管を収縮させ知覚を麻痺させることで効果を現します。後者は治癒反応としての副交感神経反応を促進します。血管が拡張し血流量が増えて次第にプロスタグランジンなど血管拡張、発痛物質が減って次第に痛みが減り治癒に向かいます。 筋緊張で血流が悪くなると体は自ら血流を回復させ破壊された組織修復のために治癒反応を起こそうとします。この時にプロスタグランジンが必要なのです。痛みは自然治癒になくてはならないものです。この痛みを減らそうとするならば副交感神経を優位にし血管を拡張、血流を増やして治癒反応を応援しプロスタグランジンの出番を減らせばよいわけです。 西洋医学の麻酔、あるいは鎮痛剤もハリの麻酔も一時的に交感神経を緊張させて治癒反応としてのプロスタグランジンの産生を抑制、知覚を麻痺させます。当然ですが効果が切れれば体はまたプロスタグランジンを産生して治そうとしますので痛みは再発します。 お分かりだと思いますが「筋肉の過剰な攣縮が解(ほぐ)れますと、どうして、持続的な痛みの伝達が抑制され得るのでしょうか?」は後者の副交感神経を優位にするハリ治療によって血流が良くなり解れて痛みが解消したことになります。決して麻酔として痛みの伝達が抑制されたわけではありません。 もちろんはじめの歯の「痛覚の緩和」はハリ麻酔の効果でしょう。
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- mrsamama
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No1ですが、最後の1行を見落としてました。 西洋医学の麻酔と、鍼麻酔の違い、 ということですよね。 ペインクリニックでやる「神経ブロック」とは、 脊髄、つまり「脳」と「末端神経」の連絡場所に麻酔薬を入れ、 このバトンタッチを止めてしまうことを言います。 歯医者で使うような麻酔は、末端の神経だけを止め、 脊髄麻酔は末梢神経から届いた「痛みの知らせ」を 中枢神経(脊髄)に伝えないようにすることです。 モルヒネなどの麻酔薬も、やはりブロック式で伝達を遮断します。 東洋医学(鍼)での和痛・鎮痛については、 あれこれの理論が挙げられていますが、今だ決定的なシッポはつかめていません。 そもそも、手術を麻酔薬ナシでできるかどうか、という所になると、かなり怪しいです。 かつて中国がそういう報道をしたりしましたが、 それを丸ごと信じることはできません。 なんてったって、「がん末期の疼痛なら任せてくれ」なんて言う鍼師を 私は一人も知りません。(手術するならオレを呼べ、という鍼師も聞いたことない)。 ただ、一定のツボを使って刺激を続けると、やや和痛効果がある、というのはあります。 もしも完全で、例外がなく、常に一定の効果が約束できるなら、 医大は手術に麻酔医を置き、モニターをし続け、キケンな麻酔薬を使う、なんてことは やっていないはずです。 体内分泌される「モルヒネ様物質」というのがあり、 出産や、ランナーズハイのように精神を守らねばならないほどの苦しみのときに 脳が判断して分泌します。 これを鍼で出せると信じている人は、医大の教授クラスでもけっこういますが、 これは恐らく、人間が外部からコントロールできるものではないと思います。 よく、鍼の功績に引き出す人がいますが、そうではないと思います。 それから「針を刺すのになぜ痛くないんだ?」という疑問もあるかもしれませんが、 それは技術によるもので、鍼師だって無神経に刺せば痛くできますよ。 鍼治療では、信じられないように痛みが消えることをよく体験しますが、 鍼はマジックではありませんので、必ずそれぞれの理由があります。 ただ、現代医学の常識の範囲内で説明できるものは、かなりわずか部分だけです。 質問者さんは、多分いい鍼師につかれているのでしょうね、よかったですね。
補足
有り難う御座います。 一つだけですが、明確に分かっている現象が御座います。 異常に太い鍼を深く打ち込ませた際には、其処と違う位置の筋肉が明確に攣縮している様です。
- mrsamama
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鎮痛・和痛のツボ治療と、筋肉の緊張緩和は 同じ鍼を使っても、別の話だと思います。 同一の論拠に基づいた理論として信頼性が絶対なものは、鍼灸には一切ないので、 私見ですが。 筋肉の過緊張は、慢性でも急性でも痛みを発します。 こういう話なら、普通の生理学を使っていいと思います。 筋の過剰な緊張を「傷害」と扱って、発痛物質(プロスタグランジンとかヒスタミンとか…) が分泌されることによる痛みでしょう。 足を攣ったら痛いですよね、まったく同じで、 ぎっくり腰なんかは、急性の「攣った」、 肩こり・五十肩などは、慢性の「攣った(に近い)」状態。 攣れば引っ張って治すのは、縮みすぎ(過緊張)の筋を伸ばすということ。 攣ったら痛い、伸ばせば痛くない。 これが、あなたの疑問の「過剰な攣縮がほぐれると、痛みが消える」で、 伝達の抑制ではないと思います。 「痛み」は本来、めったなことで抑制してはならないものです、 それは「緊急ワーニングサイン」という重要な意味を持っているからです。 しかし、現代医学に毒されると薬主体になるので、 どうしても「抑制する」というゴーマンな意識に、患者も毒されてしまいます。 痛覚に関しては、自然生理の痛み止めは本当に特殊な意義でしか起こりません。 伝達に関しては「ゲートコントロール」という説明がありますが、 ゲートコントロールを鍼治療の論理とするのは、私はまったく受け容れていません。 ゲートコントロールとは、「太い神経は細い神経の伝達を抑制する」 (あまりにぶっちゃけな言い方で、チョト不安ですが…) 例えば、あなたの足の裏の「痛みの神経(痛覚神経)」は、 足が着地していればいつも、「痛み」を伝えなければなりません。 しかし、立っていると常にイタイのは困りますよね。 やはり足の裏にある「触覚神経」は、痛覚神経よりも太く、 触覚神経によって、痛覚神経の伝達は抑制されるのです。 (突っ込みはいろいろあるでしょうが、神経学的には全部「いいわけ」できてます) しかし、太い神経は酸欠に弱く、すぐに機能不全に陥ります。 正座してヒザ裏の動脈を遮ると、先に触覚の方が青息吐息になります。 そうすると痛覚を抑制できなくなるので、 触覚がなくなる(ダウンして)、痛覚だけ残っちゃう ⇒⇒⇒ 痺れたぁ! ってなります。 ご質問が「痛みが消えること」が疑問なのか、 「痛覚の抑制メカ」なのかわからないので、 こんな風に長々答えちゃいました。ごめんなさい。
補足
有り難う御座います。 非常に知識が増えました。 緊急事態への対策が要求された際に、慢性的な痛みを忘れさせ得る、という「火事場の馬鹿力」の仕組みを考える場合にも、此の仕組みが当て嵌まるのでしょうか。
お礼
http://okwave.jp/qa/q6818504.html 宜しければ、此方への参加を御願い申し上げます。
補足
有り難う御座います。 補法と寫法との違いが良く分かりました。 ちなみに、経穴の配置の根拠は論理的に分かっているのでしょうか。 例えば、五禽戯等の動きから類推しますと、任脈と督脈とが上下の顎で分かれている事情は上下の顎と体との連動を示唆しているのではないか、と思われますので、気になっています。