ややこしいことというのは今だからいえることです。明治時代に電力会社が生まれたころの電力需要は照明だけです。街に街灯が灯り、家庭には「はだか電球」が灯っただけでも夜でも昼と同じぐらいに明るくなったと皆大はしゃぎだったのですよ。交流周波数が東西で違っていた。でもそれが何か?誰も問題とも思わなかった。電力会社の社長も何も問題と考えなかった。反ってライバル意識をむき出しにして東京電燈がドイツから発電機を購入したと聞いた大阪電燈は東京に張り合ってアメリカから発電機を購入した。その時代は東京と大阪の対抗意識も強烈なものがありました。東京は大阪に負けたくない。大阪は東京に負けたくない。そういう対抗意識はドイツ、アメリカも同じことで日本に対して売り込み合戦を仕掛けてもいました。ドイツはドイツの発電機を売りつけたい。アメリカだってアメリカの発電機を売りつけたい。ドイツの発電機製造会社は東日本を支持基盤にして、アメリカは西日本を支持基盤にした。その結果、交流周波数が東西で食い違ってしまった。当初は電力需要も小さくて、電化製品なんて何も無い。鉄道だって蒸気機関車か馬車鉄道かというぐらいで電気を使いません。その鉄道はもっとややこしいのですよ。車体の高さ、長さ、幅、全部ばらばら。線路の幅だってばらばらです。電力会社も鉄道会社もぽこぽこ生まれて、それぞれまちまちな規格で営業を始めた。行政も法律も民間の後追いで全然統制もできなかったのです。今と同じで明治時代の政治家は、企業と癒着して企業の便宜を図って政治献金?賄賂?を得ることしか頭にないのです。このままだと将来に禍根を残すと考えた政治家など一人もいなかった。いたとしても、東西の統一はできなかったでしょう。東京にすれば、何が悲しくて大阪に合わせないといけないのか?大阪もそれは同じ。とにかくライバル意識むき出しに反発し、行政のいうことなど聞きません。
その辺の事情は現代だってそうは変っていない。とにかく企業は政治家のいうことなど聞きません。
幕府の木っ端役人風情が天下の東電社長様に注文をつけるとは片腹痛いわ、出直して来い!というぐらいにいうことを聞かない。政治献金を受け取っているから立場が弱い。誰のおかげで選挙に当選したと思ってるんだとナベツネに恫喝されるとたちどころに怯んでしまう。企業の使いっぱしりみたいなもんですから話にならない。そういう政治の弱さも原因のひとつに挙げられるでしょう。
お礼
わかりやすい説明ありがとうございました!!