石油製品輸入の大半は石油化学用のナフサです。プラスチックや合成繊維などを作るために、化学会社の依頼によって石油会社が輸入しているもので、燃料用ではありません。日本は石油化学が発達しているので、大量のナフサを輸入しているのです。
統計的には石油製品の輸入量は年間3000万キロリットル程度ありますが、ナフサを除くと燃料用の石油製品の輸入は400万キロリットルにしかなりません。400万キロリットルというと大きいようですが、国内の燃料用消費量のわずか2~3%です。一方、輸出は3100万キロリットルありますので、輸入より輸出の方がずっと多いということです。
わずかとはいえ、石油製品を輸入しているのは、ひとつは日本の会社が所有している貨物船などが、外国の港に寄港したときに、ついでに燃料用の重油(バンカー重油といいます)を補充しますが、これが輸入として統計上カウントされるためです。ちょっと輸入というイメージとは違います。
ナフサとバンカー重油を除くと、日本が輸入している石油製品はわずかで、一時的に生産がおいつかない場合や精製装置が修理中で製造が止まっている場合などに輸入が行われます。例えば、冬場は灯油の需要が非常に大きくなりますので、生産が追い付かず、不足分を輸入することがあります。
つまり、今回の震災前は石油化学用のナフサやバンカー重油を除くと、燃料用の石油製品の輸入は実質的にほとんどなかったということです。
震災でいくつかの製油所が被害を受けていますので、一時的に輸入が増えると思います。しかし火災を起こした仙台と千葉の2製油所以外は、すでに復旧していますので、輸入の必要はそれほど多くないでしょう。海外からの支援はありがたいですが…
お礼
主なものは現地で使用する船舶燃料とナフサですか。 ナフサが不足するってことは、ガソリン需要減少で原油精製量が下がってナフサの供給が不足したのかな? 御回答ありがとうございました。