放射線といっても粒子線と電磁放射線に大きく分けられますが、今回の原発事故で問題になっているのはガンマ線(γ線)で、これは電磁波の一種ですので光が広がっていくイメージ(光も電磁波なので)で考えて頂ければわかりやすいでしょう。ガンマ線は透過力が極めて強くコンクリートなら50cm以上・鉛の板でも10cm以上の厚さが必用です。また、同時に問題になるのが中性子線で、これは粒子線ですが非常に透過力が強く大量の水または水分を含んだ分厚コンクリートの壁でなければ遮蔽できません。
ある一点から出た光が広がるとき距離が2倍になると縦に2倍、横に2倍で面積では4倍に広がるので、同じ面積あたりのエネルギーは1/4になりますし、3倍なら1/9になります。このように到達するエネルギーの強さは距離の2乗に反比例します。
ただし、これは放射線の発生源が一点であり、移動しない場合の話ですので、放射線を帯びた粒子やチリなどが風に乗って飛散してしまった場合は発生源自体が広く分布していることになるため、単純に原発からの距離では測れませんが・・・
このほかにも放射線にはアルファ線(α線)やベータ線(β線)・中性子線などがありますが、これらは粒子線で可なり性質が異なります。アルファ線は極めて透過力が弱く紙一枚程度でも遮蔽できるのですが、電気的なエネルギーは大きく、アルファ線を発生する放射性物質が体内に取り込まれた(放射性物質のチリを吸い込んでしまうなどして)場合などには大きな影響があります。ベータ線はアルミ板程度で遮蔽できる粒子線で透過力はアルファ線より強いのですが影響力はアルファ線から比べるとだいぶ弱くなります。
お礼
詳しい説明ありがとうございます。