この質問をされるということは、お母さま御自身は、一人っ子ではないのですね?
おそらく、姉妹などがおられて、賑やかに少女時代を過ごされたのかとご推察します。
まず、一人っ子として私が断言できることは、『一人っ子男子は、周囲の思惑を感じやすい存在だ』ということです。
そのため、いちばん身近におられるお母様が、「この子は可哀相だ」と思いながら接していると、一人っ子はそれを敏感に感じ取ってしまい、「今のままだと、自分は愛されていないのでは?」と悩み始めてしまいます。
兄弟がいる事のプラスイメージ、および、一人っ子のマイナスイメージは、あくまで『一人っ子以外の人間が作り出した勝手な視点』でしかなく、多くの一人っ子は、そうした視点で見られることに反発を覚えています。
一般的に言われる、“一人っ子のイメージ”は、大体こんな感じでしょうか。
「わがまま」
「兄弟ケンカがなくて楽そう」
「世間慣れしておらず、のほほんとしている」
「親の財産を独り占めできて得だ」
でも、本当は違います。
考えてみてください。
「さすが長男だと面倒見がいいね」
「末っ子は根性が座っているね」
…こうした褒め言葉は、ときどき聞かれます。しかし、
「さすが一人っ子だ。」
とは、あまり聞かれません。
「だから一人っ子ってのはさ…」
というのは、かなり聞かれますが。
多産奨励の時代からの名残…かどうか分かりませんけれども、とにかく『一人っ子はよくない』という、世間が決めつけたマイナスイメージを、今の一人っ子も多かれ少なかれ被っているのです。
お母さんまでがそれに流されてしまったら、その子は本当に“可哀相”になってしまいます。
一人っ子には、本当によい面がたくさんあるのです。
これらを理解され、ありのままの息子さんと向き合われてください。
一人っ子のよい面は、まず、想像力が豊かであること。
一人っ子には、自分で考えるための時間がたっぷりあり、そのため、友だちの心理や世の中の仕組みを、あれこれ想像します(かなり空想も混じるので、現実的な思考とはいえない)。
「今日、あの子が暴力をふるったのは、何かの気持ちが働いたからだ。でも、みんなは誤解していたから、あの子の今後が心配だな。」
「あの人が困っていたけど、こういうふうに考えれば、気持ちも楽になるのに。」
…一人っ子はこのように、他人の立場になりかわり、その先をハッピーエンドにまでしようとする温かさを持っています。
ただ、自分が想像する解決方法と現実は、必ずしもかみ合うわけではないため、そのギャップに悩んだり、逆に周囲から嫌われてしまったりもします。
真の理解者がいないと、一人っ子はただの「変な人」で終わってしまいます。
一人っ子の、もうひとつの優れた点は、大人(保護者)の考え方がよく身につくということです。
小さいころから、一人っ子といちばん話す時間が多かったのは、やはり親御さんでしょう。
一人っ子にとって親御さんは絶対的な存在であるため、「○○するのはいけないよ。」と言われれば素直に従います。良くも悪くも、親の価値観や喜怒哀楽スイッチを100%受け止められるのです。
前項ともつながりますが、自分のどのような行為が相手の心理を動かすか、一人っ子は直感的に知っています。
また、自分という小さな存在が親との保護なしでは生きられないことや、自分の大好きなパパママが一喜一憂する原因が自分にあることまで分かっています。
ですから、親を悲しませるようなマネは、簡単にはできないのです。
ですから、そんな親御さんから「可哀相かも…」という目で見られることが、一人っ子にとっては最も残酷です。
自分の存在を否定されているような錯覚に陥るからです。
もし、わがまま放題になっている一人っ子がいたら、それは、そうした心のしがらみに疲れてしまって、自棄を起こした姿に近いということも、世間の皆様に理解していただきたいです。
一般的なイメージなど関係なく、その子はその子です。
自分のあるがままに自信を持てるように育てれば、一人っ子は大きく伸びます。芸術家で大成した人にも、一人っ子は多いんですよ。
まずは、お母様が、世間からの「一人っ子なんて…」という風当たりを跳ね返せるようになってほしいです。
なお、一人っ子の心理についての書籍は、
KAWADE夢新書『一人っ子の気持ちが分かる本』が最も分かりやすいのですが、
なにせ、8年くらい前の本なので、もう売っていない気が…私自身も、この本に随分と助けられました。
長文になってしまって失礼しました。
そして、一人っ子でない方々にとっては、見当違いまたは無礼な表現があったかもしれません。どうぞご参考までに。
お礼
回答ありがとうございます。 紹介して下さった本とは違いますが私も以前「1人ッ子長男の育て方」と言う本を読んで その本にも子供を可哀想だと思いながら育てるのはよくないと書いてあり それからは前向きに考えるようにしていました。 でも最近、また近所のおばさんや学校のお母さん達に「兄弟作ってあげた方がいいよ」とか「1人ッコは可哀想だよ」とか言われる事が多くて精神的にちょっと弱くなっていたかもしれません。 もっと自信を持って育てていきたいと思います。