腹式呼吸は健康法の一つで、肺結核を患った人が、空気の良い所へ行って(転地療法)、綺麗な空気を大量に吸って、新鮮な酸素を大量に肺に吸い込む健康法です。
終戦直後にアメリカで、肺結核の特効薬(ストレプトマイシン・抗生物質)ができて、不治の病では無くなったので、郊外の肺結療養所を見かけなくなりました。
声量を大きくするのは、腹式発声です。腹式発声で歌う人は、歌っている間は、結果は変則(規則正しく呼吸できない)でも腹式呼吸になっていますが、腹式呼吸が歌わせている訳ではありません。
ボイトレで腹式呼吸を練習するのは、呼吸法の一部を発声法に応用する為です。その話を耳にした人が勘違いをして、腹式呼吸で声が大きくなると思い込んでいらっしゃるのでしょう。
腹式呼吸では、ゆっくりお腹を膨らませながら鼻から吸いますが、鼻から吸っていては、伴奏に付いて行けなく、風邪をひいて鼻が詰まったら歌えません。腹式呼吸を練習するだけでは大きな声では歌えません。瞬間に怒鳴る事ぐらいは出来ますが。
腹式呼吸だけでは大きな声で歌えない理由は、他にもあります。ブレス(息継ぎ)と、声を出す方法が喉歌いとは全然違うからです。
◎腹式発声でなくても、大きな声で歌えるようになる方法は、↓※
※歌詞を暗記して(せめて歌詞を忘れたら、歌詞の頭をカンニングすれば、歌詞の色が変わり始める前に、歌詞から目を離して、その一行が歌える程度)、遠くに居る人に聴かせるイメージで歌えば、大きな声が出る様になります。
歌詞を読みながら伴奏の音に合わせる事に気を取られていれば、モニターデレビと自分だけの世界になって声が小さくなります。一緒に居るお友達に聴かせるイメージでお友達の方を向いて歌えれば、お友達と一体感になれて声は大きくなります。
一人で練習する時も、遠くの物を人間と定めて、その物に聴かせるイメージで歌ってください。普段出来ない事は、人前では出来ないからです。