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ポスドクの年齢制限が気にかかる26歳理系研究者志望大学2年生
- 26歳理系研究者志望大学2年生がポスドクの年齢制限に不安を抱える
- 研究者を目指す場合、民間企業への就職は年齢的に難しいため、アカデミックポストを目指す
- 博士課程を卒業してもポスドクの35歳年齢に引っ掛かり、研究生活を断念するのではないかと不安
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幸運にも私は研究者として食いつなぐとこが出来ましたが、その経験から言うと、研究者志望とは芸術家志望と同じ意気込みと覚悟がいると考えています。確かに大学関係では先生方には教育者の役割もあり、その点、初等中等教育者と似たような時間給としての責務もあるので、一般の職業と同じように年齢にこだわる機関もあるでしょう。しかし、研究者の役割は、芸術家と同じように創造性あるいは生産性であり、年齢にこだわるのは本当は筋違いです。 要は、貴方がどれだけ必死で研究者になりたいのか、また、貴方の性格が研究者に向いているのか、研究生活さえ送れたら他の生活の様々な便宜を犠牲にするだけの覚悟があるのか、そして、芸術家と同じように、たとえ一生恵まれなくても、その創造的営みの行為だけで恍惚としていられる性格なのかどうかが一番の決め手になるようです。それだけの覚悟があれば、後は常識的な生き様にこだわることなく、日本国内ばかりでなく世界中でのあらゆる可能性を探って道を開く努力をし、後は天命を俟つ、という人生もあります。 勿論、それが成功するか失敗するかは他のあらゆる人間の営みと同じで、何の保証もなく、本質的には運が全てを決めてしまいます。しかし、その運命に身を任せる覚悟があるのなら、そして外国で武者修行をやる覚悟があるのなら、貴方の創造性を示すのに一流大学出であるか二流大学出であるかが全く関係ないことは、やはり芸術家と同じです。 さて、研究者向きの性格について触れておきます。当たり前のことですが、一般に研究者が世間から評価されるにはそれなりの理由があるからです。その理由とは、本当の意味で重要な研究成果を出すことは至難の業だからです。誰がやっても簡単に答えが出せるようだったら、誰も評価はしてくれません。研究生活では、ほとんどの場合巧く行かないからこそ、巧く行った成果を出した方が大変な評価を受けるのです。研究生活では十中八九は失敗作か、あるいは巧く行ったとしても、もどうでも良い成果ばかりなのです。そんな営みを日々繰り返していると、ほとんどの方は自信を失ってしまうはずです。それを乗り越えるためには、その方は他から見ていて馬鹿か無責任とも思えるくらいの楽天的な性格が要求されます。別な言い方をすると、人生を慎重に考え、将来のことを前もってどうこうと考えているような方には研究生活は向いていません。くどいですが、芸術家のように、そして子供のように無邪気に恍惚と出来るような性格の方でないと、ただただ苦しい思いをすることになるでしょう。 もう一つのアドバイスは、本気で研究者になる覚悟を決めたら、博士課程か、あるいはそれを修了した出来るだけ早い時期に世界に飛び出し、世界の超一流の先生のところで武者修行することです。そのような方々が、どれくらい世間一般の常識人と比べて人生に対する考え方やものの打ち込み方に関して常軌を逸しているかを、実際に自分の目で見て体で感じて来る必要があります。 また、私の見て来た所では、その先生が一流であれば一流である程、新参者の学歴や成績よりもその意気込みに興味を持ち、また、その先生は金銭的な余裕もあるので、超一流でない先生よりも簡単に貴方を受け入れてくれるようです。もちろん、そんな超一流の先生のところには世界中から野心のある若者達が押し掛けてくるので、意外に簡単に受け入れたとは言え、その後その中で生き残るには大変な努力が必要です。しかし、たとえ早い段階で追い出されたとしても、そんな凄い先生の所にいたという事実がその後の就職の時に役に立つこともありますので、その武者修行はしておいて損はないようです。 私は良く若い研究者を指導する時に、「研究の成果は、出せるか出せないかではない。血の涙を流しながらでも石に齧り付きながらでも出す、それ以外に結果は出て来ないのだ」と大げさなことを言っております。 どんな分野でも結局同じ結論に到達するようです。すなわち、人事を尽くして天命を俟つ。 ご幸運を祈ります。
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- cyototu
- ベストアンサー率28% (393/1368)
>ちなみに海外に飛び出すとしたら大学院またはポスドク期からで間に合うのでしょうか。 私は博士課程を修了してから海外に飛び出しました。 >海外では語学力に長けていないと生き残れないと思うというか、語学力がだめで数年であきらめて帰国してしまう人が多数だとどこかで聞いたのですが本当でしょうか。 私の場合は、英会話が殆どゼロの状態で渡米しました。回りが英語ばかりだったので、数ヶ月後には英語で議論することに問題がなくなりました。 しかし、大学院から渡米するにはTOEFLの試験を受けて、ある程度の英会話能力がないと受け入れてくれないようです。要するに、日本で博士課程を修了した場合には、英会話が殆ど出来なくても何とかなる。しかし、大学院をアメリカで修了しようとするためには、前もってそれなりの英会話能力が要求されると言うことになります。 しかし博士課程を日本で修了した場合にも、たとえ本質的でないとは言へ、英語でプレゼンテイションが出来るレベルにいることに越したことはありません。貴方の入った研究室で、貴方の方から英語でプレゼンテイションする練習をしたいと先生に申し込むことをお薦めします。
お礼
解答ありがとうございました。これからの進路を考える上での参考にしたいと思います。
- ur2c
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> 一旦は途上国で就職し実績を上げて帰国ということですが、日本でそれがまれなのは何でなんでしょうか。 一言で片付けるなら、そういう文化なんです。なぜそういう文化なのかは、いろんな説明が可能です。 たとえば言葉。ヨーロッパ系の言語が公用語になってる旧植民地がたくさんあります。母国語がヨーロッパ系なら、同系をもう1つできるようになるのは、そんなに難しいことではありません。それに対して日本では、英語をまともに話せる研究者さえ少ないです。それでは実績を上げるに不利でしょう。 もちろん、他の説明だって、いくらも付けられます。 ある途上国の日本人研究者は 30 代で家と別荘と車を持って使用人がおり、もうばかばかしくて日本に帰る気がしないと言って、現地の奥さんを迎えてました。帰国の動機を喪失したわけです。逆に私の友人は英語も専門能力も抜群なのに、アメリカの食事に耐えられず、中途で日本に帰りました。他の国でも同じだったことでしょう。
お礼
具体的な例を上げて解答していただきありがとうございました。
- ur2c
- ベストアンサー率63% (264/416)
先進国にしか目が行ってないようですので。 理工系の研究者は先進国以外で大幅に不足しており、実力と日本の博士号があれば就職に困ることはありません。やりがいのある仕事がそこらじゅうに転がっています。ヨーロッパの研究者では、一旦は途上国で就職し、実績を上げて帰国する例を目にします。日本では極めて稀ですけど。 身分は明治時代のお雇い外人と少しだけ似てます。収入は円換算すると僅かに見えても、現地としては上流の生活ができるのが普通です。 論文は当然、英語でないと評価してもらえません。現地の言葉は大きな助けになります。今から行き先を検討して準備することを勧めます。
お礼
発展途上国の研究者需要についてはまったく目がいっていませんでした。視野が広まりました。ありがとうございます。 一旦は途上国で就職し実績を上げて帰国ということですが、日本でそれがまれなのは何でなんでしょうか。
>海外のポスドクは年齢制限が日本より緩いということも情報として見知っています。しかしこれは具体的に何歳までなら採用してもらえるのでしょうか。 悲惨な例では欧州米国を一生ポスドクで妻子を連れて回る人もいますよ。
お礼
ポスドクの身分を維持するのもひどく困難なんではないかと思っていたんですが、家族を養える給料で一生ポスドクの研究者も存在するんですね。知りませんでした。でも日本では無理ですよね。 ありがとうございました。
お礼
詳しく深みのあるアドバイスありがとうございます。感動しましたしすごく貴重な情報を得られたように思います。 自分の性格は一つのことに没頭してしまうタイプでそこが研究者向きかなと思っていたのですが、自分の場合楽天的な性格ではありません。失敗を繰り返すとめげてしまうかもしれません。でも失敗するのは自分だけではないと理解できれば前に進めると思います。 武者修行に耐えられる性格かはこれからの大学生活大学院生活で見極めようと思います。 ちなみに海外に飛び出すとしたら大学院またはポスドク期からで間に合うのでしょうか。 しかし海外では語学力に長けていないと生き残れないと思うというか語学力がだめで数年であきらめて帰国してしまう人が多数だとどこかで聞いたのですが本当でしょうか。