- ベストアンサー
マスメディア、ジャーナリストの使命はなんでしょうか。
マスメディア、ジャーナリストの使命はなんでしょうか。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
奈良産業大学情報学部教授 亘 英太郎(わたり えいたろう)著 『ジャーナリズム「現」論』で私が気に入って抜粋した部分を紹介いたします。 私の新聞記者時代の大先輩に、役所で汚職事件など納税者を裏切る不祥事が起きると、その役所の担当者を呼びつけて「お前がしっかり仕事をしないから事件が起きた」と叱りつける社会部長がいた。「役人が悪事を働いて、記者の自分が責められるのには参った」といまも語り草になっている。記者がしっかりウォッチしていないから役人が悪事に走る、記者がきちんとジャーナリズムの原点を守っていれば世の中の腐敗を阻止できる、という強烈な自負であり義務感だ。21世紀のメディア、中でも新聞はそれくらいの自負をもう一度取り戻すべきだろう。 「ウォッチ・ドッグ」 チェック機能は、ジャーナリズムの生命である。欧米では象徴的にウォッチ・ドッグ(watchdog番犬)と表現されるこの監視・チェック機能こそ、メディアが健全な社会を作り維持するためにもっとも期待されている役割だ。メディアの存在理由であり基盤である。これを忘れてメディアが権力と癒着したり、メディア自身のモラルを低下させてセンセーショナリズムに走ったりすることは許されない。 多くの著名なジャーナリストやメディア研究者がチェック機能の重要性を繰り返し語ってきた。メディアやジャーナリストを、ある集団の「歩哨」や航海中の船の艦橋に立つ「見張り番」にたとえ、警戒すべき変化や危険の兆候をいち早く見つけて大声で叫ぶことの大切さが説明されている。歩哨や見張り番は、人々が寝ている間も懸命に監視を続け、自分を信頼してくれる人々の安全のために働くわけだ。まさにメディアの「監視機能」もそのような働きである。 社会の隅々に目を光らせ、社会の健全な発展を阻害するような変化や危険を見つけると大声で社会に知らせ、警戒を呼びかける。監視の対象は国や権力に限らない。巨大組織や大企業など、国民の生活と生命に大きな影響力を持つ機構、人物すべてが対象になる。もちろん、いまや大変な影響力を持つに至ったメディアも対象になる。監視するだけでなく、不正義を広く社会に告発・公表する役割も含まれている。 通常、権力や大組織の不正、腐敗といったことは、隠されている。従って、メディアは単に監視するだけでなく、これらの悪事を探り出し、発掘する必要がある。発掘には大変な困難が伴うが、懸命の努力で不公正を掘り出して公表し、権力や大組織の姿勢を改めさせるのがメディアの仕事と考えるべきだ。そのような業績の特に優れたものに、毎年、ピュリッツァー賞や日本新聞協会賞といったメディア界の最高栄誉が授与される。これらの賞は、単にスクープをほめ称えるのではなく、その報道が民主主義を守り、われわれの社会の腐敗を防ぐのに貢献したことをほめ称えているのである。 「社会と民主主義を守るのが自分たちの仕事であり、責任である」との確信を、すべてのメディア、ジャーナリストに持ってほしい。 上記の内容にはこうあって欲しいという私の願いも込められていますが・・ご参考になれば幸いです。
その他の回答 (1)
- ask_tks
- ベストアンサー率40% (24/59)
・脚色することなく ・客観的にかつ公平に ・事実とそれに基づいた仮説を 伝えることだと思いますよ。 現在の日本でそれがなされているとは到底思えませんがね…