FXのレバレッジ規制は投資家の利益になるか?
どうやら日本の当局(監督官庁)が、FXのレバレッジ規制を検討しているようです。雑誌に出ていた情報では、レバレッジがわずか数十倍程度に規制されるとか…。投資家保護がうたい文句のようですが、これって本当に投資家の利益になるのでしょうか?
私は、ある証券会社でFXをやっています。現在投入している証拠金は、数十万円です。その会社では、1万ドルから取引でき、1万ドルの取引に必要な証拠金は1万円あまりです。つまり、最大レバレッジは約100倍です。
私は普段、高額の取引はしません。むしろ、最低取引単位である1万ドルでの取引が大半です。余力を持たせて、強制ロスカットを可及的に避け、またここぞという時に勝負するためです。1万ドルの取引なら、1ドル100円で買ったとして、1ドル82円になってもロスカットになりません。長い目で、100円50銭を指値GTCで決済注文してひたすら待てば、5,000円儲かります。釣りみたいでつまらないかもしれませんがね。ところがここで「最大レバレッジ20倍」なる規制が実施されると、1万ドルの取引に必要な証拠金は5万円程度に跳ね上がり、1万ドル買った時のロスカットラインは1ドル85円程度に上がります。また、取引できるドルの量が減りますので、ナンピンで損益分岐ラインを引き上げることも難しくなります。
このように、「余力派」(原則低レバレッジで取引し、余力は含み損に備えることやいざという時の買い増しに使う人)にとっては、レバレッジ倍率の規制は、有害無益なお節介以外のなにものでもないように思います。
また規制開始時に、少なからぬ数の投資家(「余力派」以外)が、証拠金不足で強制ロスカットに追い込まれることも予想されます。レバレッジを常に100倍(以上)で取引するのはどうかと思いますが、だからといってレバレッジに規制をかけて数十倍までにしてしまうのは、かえって投資家保護にならないように思います。投資家の保護を第一にするなら、(取引所取引ではなく業者との相対取引における)強制ロスカット時の最低限保障(スリッページ規制)などの方がはるかに有効です。
レバレッジ規制は本当に投資家の利益につながるのでしょうか?みなさんのお考えをお聞かせ下さい。