そのようなかたちで人間が自然をコントロールしようとする考え方は昔からあります。
国内なら、奄美大島でハブ退治にマングースを輸入して島内に放ったのは有名です。
で、どうなったかというとマングースはそれなりに繁殖しましたがハブはほとんど駆除してくれず(実はマングースがハブの天敵というのは怪しい話なんです)固有種であり貴重種である特別天然記念物のアマミノクロウサギが餌になって減少してしまいました。
もともといなかった生き物をつれてきたおかげで島内生態系はガタガタです。
今はマングース駆除に費用をかけていたような。
こちらは自然をコントロールしようとする意志があったわけではないんですが
アメリカザリガニはもともとは食用ガエルのエサとして輸入したものが国内ほぼ全域に広がってしまって日本の固有種であるザリガニは絶滅の危機です。
他にも様々な理由で国外から持ち込んだ生物のせいで、いや持ち込んだ人間のせいで影響が色々出ています。
グッピーのおかげでメダカほぼ絶滅とかブラックバスやブルーギルのおかげで湖の生態系ガタガタとか。
たしか養蜂用に輸入したミツバチもスズメバチにいない地域では国内種を圧迫して問題になっているはずです。
まさかそんなことになると思っていなかったんでしょうが、外来種の影響というのは非常に予測し難いものなんですよね。
コウノトリの場合は今は「がんばれがんばれ」という感じで報道もされていますが、うっかり国内に根付いて繁殖しはじめたらまた以前のように害鳥扱いに逆戻りかもしれません。
アメリカの場合はある地域で絶滅したオオカミとほぼ同じ亜種がまだ他の地域で生存しているのでこれらを再編入して生態系を復活させようというのももしかしたら可能なのかもしれないと思いますが
北海道にいたエゾオオカミについては分類学的にどういう系統のオオカミなのかはっきりしていないのも問題ですし。外来種を持ち込むしかないわけです。
増えすぎたエゾジカ駆除目的でそれをするのは奄美大島の二の舞を踏む危険性が高いと思います。
今はエゾオカミがいたころの北海道とは違っているのですから生態系の中でオオカミが以前と同じような働きをするのかもわかりません。
生態系への影響避けるため繁殖しないよう、質問者様の提案のようにオスだけ5頭ばかり放してみてもたいした駆除の効果もみこめないしオオカミ自身が北海道の環境で生きていけるかどうかもわからないし、これもやるだけ無駄だと思います。