こんにちは。
以前、浮浪者医療をやっている病院で働いていました。
医師は正当な理由がない限り、医師は診療を断る事が出来ません。
これは医師法という法律で決められています。
しかしお金がない、保険証もないのが判っている浮浪者を受け入れれば当然、医師、もしくは病院が自腹を切らなければいけなくなってしまいます。でも、お金がないのは診療拒否の正当な理由にはなりません。
これは現在の法律の問題点です。
憲法では「日本国民は健康で文化的な最低限度の生活を保障」されていますので、働けるかどうか、お金があるかないかによらず、本来なら行政が補償しなければならないはずですが、これがなおざりにされて、浮浪者は福祉事務所に行っても追い返されるだけです。
いわば、公務員が憲法違反をやっているようなものです。
しかし、現状はそうなので、以前私が働いていた病院では、浮浪者更生をうたい文句にして、福祉事務所と提携し、搬送された時点で、福祉事務所に連絡し、そこに住民票を作成して生活保護を開始し、治療を同時進行で進めました。
年に100人前後の浮浪者を受け入れ、実際に更生し社会に復帰できる人は年に2~3人でした。
それでも浮浪者を社会人として復帰させるのは、役所から表彰される程の有益な事業だったので、本来まずい面、醜い面も沢山みますが、お目こぼしをもらって続けていました。
現在では構造不況で行政が無策の中、浮浪者の更生はさらに難しくなり、一つ間違えば不正請求と言われかねないので、そういう医療に対する目は更に厳しくなっています。
憲法25条を守るならば、行政はまず、浮浪者に衣食住を最低補償しなければなりませんが、それに取り組む自治体はありません。
この問題はこれから更に深刻になるでしょう。
お礼
最高の内容でした。有難うございます。 >>憲法25条を守るならば、行政はまず、浮浪者に衣食住を最低補償しなければなりませんが、それに取り組む自治体はありません 本当にその通りですね。 ところで、何故上記の事業は続けにくくなったんでしょうか? ご回答の文章から読み取れませんでした。