関東の鉄道従事員です。
本当なら、実物を何かの機会に持ってみるといいのですが。結構重たいですよ、1つの石が。
(1)どこでどう作られているか?
あの石は、「砕石」と言います。川の山間部などで、大きな岩を砕いて作ります。
例えば、今作っている場所ではないですが、西武線が休止としている西武安比奈線(南大塚-安比奈間)の終点安比奈は川辺の貨物駅で、この採石場だった(鉄道ピクトリアル1992年5月増刊 西武鉄道に掲載されている「西武鉄道 線路上観察学」より)場所です。砕石の製造が無くなって休止駅となり、一時は車庫の建設とマンション群建設で旅客駅をして復活させるという計画もあったようですが、現在この計画も中止されています。
(2)風の影響によりレールに敷いてある石が多く飛んで(割合的にもともと敷いてあった石の7割くらい飛んでなくなってしまう)しまうこともあったりするのか?
最初にも書いたのですが、砕石を一度、手で持てみる機会があったら持ってみて下さい。かなり重量があります。石一つで、小さいものでも数百グラム、重いものは1キロは超える重さがあります。風で吹き飛ぶ、と言うことはまず無いです。
ただ、別の意味で飛ぶことがまれに発生します。カラスの習性として、自分の食べ残しを隠しておいて、後で取り出して飢えを凌ぐ習性があります。まれにこの餌の隠し場所として、線路の砕石の下を選ぶことがあります。石をどかしてえさの食べ残しを隠し、後刻再度取り出して食べるのですが、この時どかした石を、線路の上に置いてしまうことがあります。
この石を電車が通過時に踏んだ場合、重量で粉砕した石の破片が、沿線に飛び散ることがあります。
そんなまさか、と思われるかもしれませんが、テレビでも話題になった件でこんなことが過去にありました。
とある頃、東海道線のとある場所で、沿線の民家の窓硝子が再三にわたって割れる事件がありました。当時の国鉄だったかJR東日本だったかと警察の調査で、原因は線路上に置かれた置き石を列車が踏んで、破壊された石の破片が民家の窓硝子を突き破ったことが判ったのですが、いくら警察が調査しても、置き石の犯人が見つからなかったのです。
そこで警察だったかテレビ局だったかが、問題の地点を見渡せる位置にビデオカメラを仕掛けて長時間撮影を試みたところ、なんと映っていた犯人がカラスだったのです。
飛んできたカラスが石をどかして何かを石の下に入れるシーンと、同じと思われるカラスが飛んできて、くちばしで石をくわえてどかし、そのくわえた石を線路上に置くシーン、そして何かを取り出して飛び去るシーンが映っていました。
犯人が以外のものであったと判明し、この映像はその頃、NHKなどのニュース番組で流されました。
まあ、こんなことがあるという例ですが。
と言うわけで、石自体を敷き詰めた状態で、風圧で飛ぶ、と言うことはありません。こんなことがあるようなら、世界の鉄道で枕石として砕石は使わないです。
お礼
意外と一つ一つ石の重さがけっこうあるんですね。今度機会があればもってみたい(線路の踏切で数秒確認すればいいだけのことか)と思いました。長々とご説明のほうありがとうございます。