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文章等が持つ法的な効力について
- 文章等が持つ法的な効力についての疑問や解釈についてまとめました。
- 製品の注意書きや駐車場の掲示物など、文章の効力や契約内容について考えました。
- 注意書きが持つ法的な効力についての疑問点や予想をまとめました。
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>3)これは注意書きがあった時点で、無断利用者に罰金を払う義務が生じるのではないでしょうか。 先に述べたとおり、払う義務は「実損害」だけ。 >無断利用者と管理人の間に一種の(賃貸)契約が発生すると考えれば納得できるのですが、 先に述べたとおり成立しない。管理者は無断駐車を認めていないのであって、罰金払えば止めていいなんてのは通常の合理的意思解釈として明らかに誤り。逆に言えば、「じゃあ1万円払うから止めさせろ」と言われたら契約が成立して駐車を拒否できないことになっちゃうからね。 賠償義務の根拠はあくまでも不法行為(不当利得も使えるが、不法行為が成立する場合には通常は不法行為でいく)。 >例えば月極駐車場に不正駐車された場合は、 >被害者は管理人(地主)ではなく契約している本来の利用者です。 そうでもない。地主は、借主に駐車スペースを使用させる債務を負っている。それを履行できなくする無断駐車は地主に対する不法行為となりうる。だから、地主は当然「どかせろ」と言えるし、場合によって損害賠償を認めても不当じゃない。 だから、 >なぜ管理人が補償を受ける必要があるのか、と考えると不合理な感じがします。 地主が賠償を受けることは一律に不合理ではない。もちろん、「損害がない」のなら不法行為にならないんだから賠償請求はできないが、仮に借主にもなんら不都合がなかったとすると誰も損害をこうむっていないから不法行為が成立しないとも考えられる。ただ、潜在的な利用可能性の侵害、ひいてはそれにより生じる地主の債務の履行不能の可能性を捉えて損害を認定しても悪いとは思わないけど。実際その程度のレベルだと裁判にはならないからねぇ。もっとも、この場合は不法行為よりも不当利得で処理する方が適切かもしれないけどね。 いずれにしろ地主はその土地を元々自由に使えるんだから、そこに対する侵害は、地主に対する侵害と捉えてなんら問題はない。経済的な面だけに着目すれば不合理かもしれないが、法律的には「所有権その他の権利」に対する侵害である以上、法的責任が生じるのは不当ではない。 >例えば「この製品が使って5分で壊れても一切の責任を追いません」や 契約による。ジャンク品みたいに「5分どころか最初から壊れていても一切の責任を負わない」という契約もあり得る以上、「5分くらいは動くかもね」という物を売ってはいけないわけじゃない。 もちろん実際にはないけどね。 >「無断駐車罰金2000万円」などです。 元々2000万円だろうと1万円だろうと法的根拠がない限り効力がないのは同じ。逆に「無断駐車禁止」という内容については、法的には一般論としてそれによって何か特別な効力が生じるというわけではないが、管理者の管理権に基づく法的根拠のある表示であるという意味で意味がないわけじゃないよ(ちなみに、公共の場所で駐車してはいけないのかどうかよく解らないところがあるでしょ?そういうところでは明示しておけよという話にはなる。明示しなかったことが過失を否定する理由にならないとも限らない)。 結局は、諸事情を考慮して考えるしかないね。実際にはほとんどまずあり得ないというのは「法的にあり得ない」ということではないから。
その他の回答 (1)
最終的にはケースバイケースだけど。 1.内容によるな。いわゆるPL法がらみで、不適切な使用方法について取説にきちんと記載しないと、取説の内容が不適切なのを製品の欠陥と評価される恐れがあるから、書いておかないとまずいこともあるね。けど、そういう話じゃないとすれば、あってもなくても関係ないかも知れないし、ただ、注意喚起しないのが一般論として問題がある可能性もないわけじゃない。問題は、それを契約内容と捉えるとして、契約締結時に読むことができない状態で効力があるのかという話。昔、シュリンクラップ契約だったかなんかで議論になったことがあったと思うが、基本的には、「契約時に認識できない契約内容について当然に効力を認めることはできない」と思っていい。 2.これも駐車場管理の不手際に対する予防線としては法的には意味がないけど、きちんとした管理を行った上で、法的には責任がないからいちゃもん付けるなよという意味の牽制でしかない。駐車場管理の不手際が盗難の原因となったのであれば、駐車場利用契約の成立を認めることができる限り、債務不履行責任の問題にはなりうる。ただ、通常は、なかなか認められないとは思うけど。 3.これは法的には全く無意味。他人の管理する駐車場に無断駐車をしてはいけないのは当たり前で、その意味で無断駐車するなという意味の掲示は念押しに過ぎない。1万円は法的根拠がない。何と書いてあろうが、法的には「実損害」しか賠償義務はない。なお、これが「契約内容でない」のは明らか。そもそも契約関係にない者だからこそ「勝手に止めるな」という話になるんで、契約関係があれば契約に従った話にしかならないがそれは「勝手に」ではない。駐車場に「無断駐車お断り。勝手に止めたら罰金何某」と書いてあっても、それは「罰金何某を払うことに同意すれば止めてもいい」という内容の契約の申込みとは到底解釈できない。申込みがないのに承諾はあり得ないから契約は成立しない。コインパーキングならそんな書き方しないし。 って前提で、 >1)は製品を使用した時点で、マニュアルに書いてある免責事項に同意したとみなされる。 まあ、使用すれば契約は成立したとみて良いだろうから、そこで約款の内容に同意したとみなすことはできる(ちなみに「みなす」は法律用語としては特別な意味がある。即ち、「事実がどうであれ、法的にはそういうものとして扱い、仮にそうでないという反証があっても認めない」という意味)。ただ、内容が著しく不当だとそもそも無効となる余地はある。 >同意できなければ返品できる。 一般にはそう考えるべきだろう。結構悪評のあったOEM版Windowsでも使用許諾契約に同意できないというユーザーの返品に応じた例があるようだし。 >でも通販などでは「梱包を空けると返品不可」といったような前提もあります。 >これもまた言ったもん勝ちで、実際に返品不可であり、マニュアルの注意書きには同意せざるを得ないということでしょうか? 先に言ったとおり。内容を認識できないのにその内容に同意したと擬制することはどう考えても不当。だから、単に箱を開けただけで返品不可と単純にはならない。もちろん、箱の外に書いてあって「開ける前に読め」ってんなら話は違うけどね。 まあ、そんなことを言う業者は利用しないのが吉だと思うよ。法律とは別の話だけど。 >2)は注意書き以前に、盗難被害を補償する責任はないのではと思います。 一般的にはないと思うけど、絶対にないとは言いかねる。駐車場によりけりだろうね。防犯設備の充実を謳った月極め駐車場で、実はお粗末な管理不備があったとか言うともしかしたら義務がないとは言えないかも。 >でも、管理人にはフェンス設置などによって盗難やその他事故事件を予防する義務があるのではとも思います。 程度論だね。事故が起りやすいような構造を放置したらまずいのは間違いないし、通常、窃盗を防げるほどの設備というのが求められるとは思えないけど(露天駐車場とか不特定多数の立ち入る商業施設附属の駐車場とかでは窃盗防止は困難だね)、ただ、車上狙いが考えられる場合には注意喚起位しろよという話にはなるだろう。その注意喚起を怠ったからと言ってそれが故に直ちに責任を負うとは思えないが、注意喚起する義務というのが法的に全くないとまでは言い切れない。 字数制限に引っ掛かるので以下続く。
お礼
無知な者の素朴な疑問に対して丁寧な解説、痛み入ります。 なるほど。法律的な解釈といっても 常識や合理的に考えれば良いだけという場合も多いのですね。 賠償は実損害だけというのは、確かに言われてみればその通りでした。 大変勉強になりました。ありがとうございます。 返品云々に関しては、そうそう高額なものでもない限り 訴えをしたところで時間・金銭・精神的コストに到底見合いませんので 「受け付けません」と言われた時点で 諦めるしかないのが現実でしょうね。