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スーツなどのクロージングの縫製工場についてお教えいただけないでしょうか
スーツなどのクロージングの縫製工場についてお教えいただけないでしょうか ダイドーリミテッドのブランドであるニューヨーカーと 同社の子会社であるブルックスブラザースは、同じ縫製工場の同じラインでしょうか?
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まず正確にはブルックスブラザーズ・ジャパンという会社は、ダイドーリミテッドの 子会社ではなく、関連会社です。日米の合弁企業で、出資はダイドー49%、ブルックス ブラザーズ51%です。たかが2%の違いのように見えますが、西洋の企業哲学・倫理において 49対51も、1対99も基本的には全く同じ理屈となります。 日本国内でのオペレーションについては、両社の資本関係から、同じ工場にて縫製される ケースも充分ありえることかと思いますが、仮に両者ニューヨーカーとブルックスブラザーズ の商品が同じ縫製工場、同じラインで作られていたとしても、両者のパターンは異なり、 工程指示書も異なり、従って同じ商品と成りえるものではないのです。 ニューヨーカーは40年以上の歴史を持っているブランドですが、1960年代前半、世界的に 全盛だったマディソンアヴェニュールック(所謂アイヴィーではなく、大人のアメリカン・ トラディショナルスタイル)を日本へ紹介しようと企画されたブランドで、全体にブルックス ブラザーズの商品構成を参考としながらも、服のパターンについてはグリエコ・ブラザーズ社 (サウスウイック)やJ.ショーネマン社等との技術提携を参考に起こされたのに対し、 ブルックスブラザーズ・ジャパン社は、忠実に同社のOwn Makeのパターンを踏襲しようと しました。一口にナチュラルショルダーと言っても、企業、ブランドによってその表現はまちまち なのであって、ニューヨーカーのものは、一般に”ドロップショルダー”と呼ばれる、なで肩、 肩の傾斜が比較的強いものなのに対して、ブルックスのものは”テイラードナチュラル”と称し スクエアな英国調のニュアンスを残すものなのです。細かい部分について申し上げるならば、 上襟、下襟など基本的なシェイプの違い、3つボタン段返りのモデルについては、上着のサイド ポケットはニューヨーカーが両玉、ブルックスが片玉。さらにサイドポケットの雨蓋裏側について、 裏地を使用しているニューヨーカーに対し、ブルックスは表地を使用しているなど、細かな違いを 指摘していけばきりがありません。ただ、繰り返しますが、最も大きな違いは、パターンの違い、 特に肩のコンストラクションの違いなのですが、着比べても御理解出来ないようであれば、 そのようなこと、あえて一消費者として特別気にすることではありません。 素直に、御自分が気に入られた方を選べば良い、ということです。
お礼
kenaoki様、ご丁寧な回答へのお礼が遅くなって申し訳ありませんでした。 仰るように『あえて一般おお消費者として特別気にすることでは…』同感です。 少し前のニューヨーカーのものは、ややなで肩になっていました。 2年前だったと思いますが、久しぶりに購入したニューヨーカーのスーツは ハンドテイラードと称したスーツで、別注生地を上海工場の特別ラインで縫製。 「この工場は、旧天神山の技術者が指導しているから着心地が違います。」 そのような売り込みで、ポケットの雨蓋裏も表地使用さらに肩も英国調でした。 次のシーズン以降、店頭に並ぶことのなかったスーツでしたので ブルックスブラザースなら同じラインで縫製されているのでは。と思った次第です。 仮に同じ工場、同じラインであっても仕様が違えば別物ですね。 大変参考になりました。どうもありがとうございました。