• ベストアンサー

この小説知りませんか?

サナトリウムに着いた次の日の朝、自分の部屋で僕が目を覚ましたら、窓枠に切り取られた外の景色が、真っ青な空と真っ白な雪山という、いかにも自然です、と主張してでもいるような押しつけがましさで、瞳に飛び込んできた。 ちょっぴり寝過ごした僕が、隣の病室に入っていくと彼女はもう目を覚ましていたみたいで。毛布にくるまったままほっぺたを赤くして 「グッモーニング。」 僕も同じようにほっぺたが赤くなり始めたのを感じつつ、それでもさりげなさを装って 「よく眠れたわけ?」 「まあね。」 彼女は僕に頷いてみせた。 「夕べ、お薬を飲まされた。なんかちょっと頭が痛いかも。」 ・・・ 僕は彼女の言葉なんて全く気にしていないと言わんばかりに、勢いよく窓を、それと、バルコニーへと続く硝子扉を開け放した。 という場面がある小説なのですが・・・ アニメヒャッコOVAの中で登場して、なかなか面白そうだと思ったのですが、題が分かりません。 どなたかご存じではありませんか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • zephyrus
  • ベストアンサー率41% (181/433)
回答No.1

堀辰雄『風立ちぬ』に出てくるワンシーンを現代風に改めて引用してあるのでしょう。 昭和11~12年の小説。Web上の図書館「青空文庫」でも読めますのでURLつけておきます。 http://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/4803_14204.html 該当すると思われる箇所: -----  サナトリウムに着いた翌朝、自分の側室で私が目を醒(さ)ますと、小さな窓枠の中に、藍青色(らんせいしょく)に晴れ切った空と、それからいくつもの真っ白い鶏冠のような山巓(さんてん)が、そこにまるで大気からひょっくり生れでもしたような思いがけなさで、殆んど目(ま)ながいに見られた。そして寝たままでは見られないバルコンや屋根の上に積った雪からは、急に春めいた日の光を浴びながら、絶えず水蒸気がたっているらしかった。  すこし寝過したくらいの私は、いそいで飛び起きて、隣りの病室へはいって行った。節子は、すでに目を醒ましていて、毛布にくるまりながら、ほてったような顔をしていた。 「お早う」私も同じように、顔がほてり出すのを感じながら、気軽そうに言った。「よく寝られた?」 「ええ」彼女は私にうなずいて見せた。「ゆうべ睡眠剤(くすり)を飲んだの。なんだか頭がすこし痛いわ」  私はそんなことになんか構っていられないと云った風に、元気よく窓も、それからバルコンに通じる硝子(ガラス)扉も、すっかり開け放した。 ----- 上から1/4くらいのところです。

dassyuinu
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 まさか本当にワンシーンで分かるとは思いませんでした。 博識の回答者さんに脱帽です。

その他の回答 (1)

noname#125540
noname#125540
回答No.2

私も『風立ちぬ』を思い浮かべましたが、グッドモーニングとか「眠れたわけ?」は無かったですね(^^;

dassyuinu
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 読んでみます。

関連するQ&A