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『ヴィンランド・サガ』の謎
漫画『ヴィンランド・サガ』で、 死ぬ直前のビョルンがアシェラッドに決闘を申し込むのはナゼですか??
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難しいですよねー。 Wikiでは、 自らの死を悟った彼は尊敬するアシェラッドの手で死ぬことを選び、彼が底意ではデーン人を嫌悪していたことを咎め、彼との友情を確認して果てた。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%AC とありますが、大まかに言ってその通りなのだと思います。 でもなぜ、あの時「狂戦士のキノコ」を食べたのか。 本来アシェラッドは、トルフィンのような忠義ではない者も掌で操り、使いこなすだけの技量をもったボスでしたが、トルケルに追い詰められ窮地に追いつめられるに至り、裏切り者を見つけ切り捨てる方策に出ます。 そして、王子を差し出して報復をしようと薦める部下たちに、「豚にも劣るデーン人よ」と言い放ちます。 この時に、ビョルンはアシェラッドに対して一つの絶望を見た気がします。 アシェラッドがあくまでも孤独のうちに自分の力だけを頼りに目的を果たす男であり、ビョルンをはじめとした仲間も、一時の道具にすぎない…と感じつつも否定したかったビョルンの気持ちは、ここで一度途切れてしまったのではないかと。 アシェラッドを一番理解し、一党を率いて行く副官としては本来失ってはならない理性を、「狂戦士のキノコ」を食べることによってあえて手放したのはそれゆえではあるまいか。そう感じます。 アシェラッドはビョルンにいいます。 「オレも、オレの主を選ぶ。オレの主は、オレがついていきたくなるような男であるべきだ」 アシェラッドは、部下たちを冷静に見つつも、自分の理想のために上だけを見て歩いて行く男です。 Wikiの内容を補足する形になりますが、アシェラッドが自分たちを心から求めていないことや最後の最後まで理解しあえなかったことを咎めつつも、自分の理想を具現する主としてのアシェラッドと最後に刃を交わすための決闘であった。 狂戦士のキノコから解放され、内臓まで達した傷故に死期が近いことが悟った彼は、死に場所を探すでしょう。 これは、彼らの宗教を理解しなければなりませんが、北欧神話では戦士は戦場で勇ましく死んだ者のみが、アスガルド…戦士だけが行ける天国にあたります…に行ける…戦場で負った傷で死ぬとはいえ、ベッドの上では死にたくないと強く感じた可能性があります。 だからこそ、アシェラッドはビョルンに対してその傷の痛みが最短で済むように、苦しみが短くアスガルドに行けるように、一撃で倒そうとしたのではないでしょうか。
お礼
>北欧神話では戦士は戦場で勇ましく死んだ者のみが、アスガルド…戦士だけが行ける天国にあたります…に行ける…戦場で負った傷で死ぬとはいえ、ベッドの上では死にたくないと強く感じた可能性があります。 なるほど、納得しました!アシェラッドを始め見守るほかの人たちが、当たり前のようにビョルンの決闘に付き合っていたので不思議に思ってたのですが、そういうわけだったのですね! クヌートを連れて逃げるところで、ビョルンが狂戦士のキノコを食べたことについては、私はそこまで深く考えていませんでした。あの時ビョルンがそんな心境にあったと考えると凄く切ないですね・・・;; 丁寧な回答をありがとうございました!