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「アレグロが書けなくて、レントしか並べられなかった」を素人にもわかるように解説してください。
武満浅香って武満徹の親族なのかなぁと思ってググったら、 wikipediaがヒットしました。 その中に、 武満は「アレグロが書けなくて、レントしか並べられなかった」 というくだりがありました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A0 これは平たく言うとどういう意味なのか音楽素人にもわかるようにどなたか解説していただけませんでしょうか。 それとも、音楽のことがわからないと、説明したところで理解不能ですかね? 何が問題なのかだけでもざっくり教えていただけたら幸いです。 (単なる好奇心です)
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コメントありがとうございます。前回の書き込みに加え、少し補足しておきます。 1)まだ10代の武満氏は音楽家を志すが、ピアノを持っていなかった。 2)やがて知人からピアノを借りるが、演奏については「私の演奏はまずしかった」(『ピアノ・トリステ』)。 3)そのピアノも返さざるを得なくなり、町中を歩いているときピアノの音が聞こえると、頼みこんでピアノを弾かせてもらっていた! 4)指揮者の岩城宏之氏の回想によれば「武満さんは『いつも人の家で、邪魔をしないようにそっとピアノを借りて弾いていたもので、僕の音楽はほとんどがピアニッシモなんだ。それに下手だったからゆっくりしか弾けなかったので、僕の曲にはほとんどアレグロがない』といっていました。これは冗談でもあったでしょうが、しかし彼の音楽の本質的な部分でもあったのではないでしょうか。」(『作曲家武満徹と人間黛敏郎』ちなみに黛氏の『二つのレント』に対するアドヴァイスの記述もこの本にあります) 5)ただし作曲家は、自分が楽器を弾けなくても曲は書けるものであり、事実、数年前、17歳の武満氏が書いた「アレグロ」の習作も発見されている。 6)武満氏は生前、日本の現代作曲家としては飛び抜けて評価が高く、一般人のあいだにも例外的に知名度が高かった。没後、ようやくその作品について客観的な批評が出るようになったのであり、それはある意味、歓迎すべきこと。 7)ただしウィキペディアの発言のように、それを逆手にとり武満氏が「稚拙」な作品を書いていたように書くのは、行き過ぎのように思う。 こんな感じで、少しわかりやすくなったでしょうか?不明の点はまた遠慮なくきいてください。
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- cherubi_no
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hikipapaさんのご回答にあるブログ「毎日クラシック」を書いているcherubinoという者です。ご参照ありがとうございます。この「アレグロが書けなくて」の表現は、hikipapaさんのご指摘のように「ウィキペディア」中の「二つのレント」の項目に引用された黛敏郎氏の発言に深く関係があると思われます(ただしこの項目に出典としてあげられている『武満徹の世界(集英社刊)』を見ると、当の黛氏の文章にはこの発言について直接的な記述がなく、代わりに同じく武満氏の「遮られない休息」という作品について「既存の美学では稚拙とさえいえるような独自性を持った世界」と書いています)。さらに書けば、この「アレグロが書けなくて」発言がなされたという学会とは「日本音楽学会第57回全国大会」の佐野光司の発言のことと思われます(参考URLにあげておきます)。ただし正確には「ピアノソナタを書くつもりが、ソナタ形式が書けなくてレントだけにしたのです。」であり、これと黛氏の発言とを(おそらく故意に)混同し、「アレグロが書けなくて」の表現になったと思われます。「アレグロが書けなくて」などとは、まともな研究者なら書かないし、発言もしないでしょう。つまり当該発言は、武満氏がアカデミックな音楽教育を受けていないことを、ことさらに強調したものでしょう。もちろん彼の初期作品に見られるある種の「アマチュアリズム」については否定はできませんが、それを単純に「稚拙」と呼ぶことがいかに短絡的な見方であるかは、黛氏の上記発言の本旨からしてもわかると思います。「弦楽のためのレクイエム」や「二つのレント」を書いていた時代の武満氏が、西洋音楽に特有の「アレグロ(速い)」と「レント(遅い)」を並べるというような弁証法的な音楽観とは違うものを目指していたことは、アカデミックな音楽教育を受けなかったという巨大な劣等感と闘っていたことと同じくらい真実味のあることだと思われます。
お礼
ありがとうございます。 お礼が遅くなってすみません。 基礎知識がないので、結局具体的には理解できてないのですが、 記述の意図はよくわかりました。 武満徹がアカデミックな音楽教育を受けずに、 そんな面白い経歴だったとは知りませんでした。 建築の世界で言えば、安藤忠雄みたいですね。 回答者様のブログの中の「レントの謎」のその3しか見つけられなかったのですが、その1と2のURLをお教えいただけたら嬉しいのですが。
「二つのレント」のことではないでしょうか。 下記にある黛敏郎のアドヴァイス 「楽章が2つの曲なら2つともレントではなく,普通はレントとアレグロを並べるものだが」 のところです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/2%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88 この曲はいくつか謎があるようで,「二つのレント」で検索すると, 「二つのレント」の謎:(その1~その3)毎日クラシックというブログに関連記事がありました。
お礼
ありがとうございます。 音楽の基礎知識がないので、具体的にはわかりませんが、 no2の回答者様と合わせて、記述自体はなんとなくわかりました。 お礼が遅くなってすみません。
お礼
お礼が大変遅くなって、すみません! さらに説明と、URLをありがとうございました。 基本的なことがわかってないので、音楽用語解説のページを検索しつつ、拝読させていただきました。 ちょっとした好奇心でしたが、いろいろ勉強になりました。 wikipediaのちょっと意地悪な記述が気になっただけなのですが、これを機会にその件の曲を聴いてみたくなったので、図書館で借りてこようと思います。 ありがとうございました!