再び iBook-2001 です。
アンプの組み立ては初めてでしょうか?
真空管は電気を熱に換えて増幅する様なものですから、ヒーター電力は大きく消費します。
しかし、回路上の信号は非常に高いインピーダンスですので、非常に高電圧ですが電力は微少です。
そのため、電力で駆動するスピーカーに合わせるために、アウトプットトランスで4KΩ:8Ωなどに変換し、電圧駆動から電力駆動に対応させます。
それから、一般的に半導体アンプと球アンプ(真空管を電球のように例えた表現ですよ)の大きな違いが、数字上のW数と聴感上の最大出力が大きく違うものです。(昔の記事で、3倍とか5倍なんて書かれていたように記憶してます。)
半導体アンプ(デジタル含む)では、測定用の小出力の歪み率は非常に低いのですが、最大出力をちょっとでも超えると聴くに耐えない歪み方をする物です。 そのため100Wのアンプを運用するために10dBのマージンを考えますと、平均10Wが限界と成ってしまいます。
真空管アンプでもNFBに頼った低歪みアンプなら似た様な物でしょうけれど、一般的に低NFBのため、公称10Wのアンプに大入力を入れると、徐々に歪んで行き、100Wに達するはずの入力が15Wと30W程度になります(当然ですが、歪んでいます) しかし、回路設計や管種により歪み方がちがうため、騒音や雑音と感じない様な歪み方のアンプもあります。
すると、真空管アンプでは、音質上の安全マージンが無いような考え方も出来ます。
すると、半導体アンプの100Wで 実用上10W
真空管アンプの10機種で 実用上5~10W
なんて事に成る場合もありますよ。
おおむね、電気回路上の歪みですと、5%程度から聴感上聞き分けられるそうです。(昔のオーディオ雑誌で読みました。実験はしてませんので私が5%で聞き分けられるかは不明ですよ~)
そういえば、Eギター等をライン録りするツールに、DIと言うのでしょうか、アダプターが真空管1本入った製品も有ります。 アタックの瞬間だけの過大入力を適度に歪ませて適度に抑えてくれるので、十分な音量で聴き易くしてくれるのかなぁ♪
とにかく、真空管はヒーター部分が低電圧で大電力(たとえば6V,4A等)で、回路は高電圧低電力(400V 40mA)など混在してますので、回路図だけでは、配線のコード選びや放電、感電対策、実装における放熱など、あるていど経験が無い方には危険な要素がたくさん有ります。
たとえ、2Wのステレオアンプキットでも、内部は200~400Vの部分が有りますし、真空管は熱くて火傷しますから、注意してくださいね。
ちなみに、真空管で真面目に100W級を狙うと、10~50万、重量も20~30キロ級になるかと思います。
一般的にPPで30Wクラスがパーツもそろい易く、実用的かと思いますがいかがでしょう?
補足
なるほど。 たしかに大電力を扱いますから、私のような初心者では難しいかもしれません。 しかし、私が自作にこだわっているのは、キットで大出力の物が無かったからなんです。 もちろん私も最初はキットを考えましたが5Wとか22Wとか、ショボイのしか見つからなかったんです。 (もちろんWだけで音量が決まるわけではないですが) そんなんでは、ギターで音量を出したときに歪んだり割れたりするかもしれません。 ですから、もしキットで100Wとか何十デシベルの大出力のアンプがあるようでしたら、教えてください。 もし無いようなら、諦めて私が持っているオーディオアンプ(完成品)をつかいます。 (家には200Wアンプが一つと100Wアンプが二つありますから)