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パッケージツアーの流通経路が知りたい

旅行会社のパッケージツアーの流通経路に興味があります。 出来るだけ詳しいページがあったら教えてください。

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  • jess8255
  • ベストアンサー率45% (1084/2359)
回答No.1

旅行会社経営者です。ご要望を満たすようなWEBサイトはないでしょう。仮にあっても、無責任なマニアックな旅行者達が勝手な推測をしているだけに思えます。 また、パッケージツアー(以下商品と言います)は有体物ではないために、流通という一般的な概念で捉えることは余り意味がないでしょう。ホテルや旅館、美容院や理髪店でのサービスに似ている、と考えて下さい。 お役に立つかどうかは別にして多くの旅行会社では、こんな過程を経てお客様が旅行にお出かけになります。 大まかに言うと、 ホールセーラー(つまり商品を作る会社)での造成から発表までの段階 販売代理店の集客の段階 旅行実施の段階 の3つに分かれますが、前述のように有体物ではないので、商品がトラックやコンテナに乗って国内を移動するわけではありません。 ●企画:文字通り、プラン作りのこと ●下見:実際に企画した商品が実行可能かを現地を訪問して確認する作業のことで、移動距離、予想される天候、治安、交通の便、ガイドの手配の可否、ホテルや食事などの質が販売に耐えられるかなどを確認する ●仕入れ:ツアー実施に必要な航空座席、ホテル客室予約、ガイド確保など主だった素材を確保する。日本発ですから航空会社は当然、日本発着路線を持つ航空会社。乗り継ぎ便はその航空会社(イニシャル・キャリアと言う)から手配させる ●宣伝:商品化が決まり、値段も決定されたら消費者向けの発表と販売促進を行う(代理店向け発表会、新聞雑誌などのパブリシティ、パンフレットの制作と代理店配布など)。なおこの段階で仕入れがすべて完了している必要はない。 ここから販売(集客)開始です。 ●手法別:販売はホールセラーが代理店を通じて行う方法(これが殆どの場合です)と、代理店での販売なしに企画会社自身(例えばワールド航空サービスがその例)だけで行う場合があります。 代理店が販売すると当然、手数料を払うわけですから企画会社の利益は減るかに見えますが、全国的な販売網を持つような大手旅行会社が販売すれば多くの集客が見込めて、その結果コストが下がり、企画会社の利益が確保できます。 ●販売促進:商品発表以降も、企画会社は商品の販売テコ入れのために、数々の施策を行います。 ・顧客対象の旅行説明会:有名人の講演や音楽会など消費者の興味を引きそうなイベントを同時に開催する ・パブリシティ 雑誌や新聞記者、旅行ライターを旅行先に招待し、チョウチン記事(苦笑)を書かせる ・代理店研修旅行 販売を見込めそうな、あるいは強い提携関係がある販売店の社員を旅行丸抱えで招待して、会社と商品への理解、販売意欲を持ってもらう ・ターゲット:代理店ごとに販売目標(販売額、集客人数)を設定し、達成時のボーナス支払を約束する(もちろん社員個人に払うわけではない)。ニギリとも言う。 ・代理店回り:企画会社の営業マンが代理店やその本社を訪問して行う尻叩き。パンフレットの補充の手伝い、パンフへの販売店スタンプ押し、集客見込みなどの情報提供を行う。 こんなことをやりながら商品の集客を進めます。もちろん企画したすべての出発日に多くのお客様が申し込んでくれればいいのですが、ハワイやグアムなどの毎日出発、添乗員なし商品を別としても大手の企画でも年間平均では6割程度の催行率でしょう。 販売に当たっては契約条件の説明、旅行契約書面のお渡し、申込金の収受、旅券や査証の手続き案内、ローンの案内、旅行先情報の提供を販売店が行います。 ですから販売代理店では、そこで申し込んで下さったお客様の商品が集客不良で催行中止になると、これまで苦労しながら獲得した売上全部が消えてしまいます。これを避けるために、販売担当者は出発まで2ヶ月を切るとしょっちゅう企画会社の予約センターに「催行できるか」と電話して確認に追われます。催行の見通しが立たないと、安全のために同じ商品の別出発日、あるいはよく似た別商品、場合によっては他社企画の類似商品に誘導することもよくあります。 概ね1ヶ月前になると催行できるか、出来ないかが決定されます。その頃にお客様は旅費の最終支払をします。2週間から10日前あたりに日程表、集合案内など最終旅行ご案内が来て、あとは出発当日を待つのみ。 出発から帰国までは企画会社の責任です。 いかがですか? 流通と言う概念とは大分違うでしょう? 旅行と言う商品の実施が終われば、消費者の手元には思い出や写真以外には何も残りません。イメージ産業とも言われる所以です。 強いて流通に例えれば、パンフレットが販売代理店に配送されて集客が始まり、予約が企画会社に入る、こここまでが流通と言えるのではないでしょうか。広義に言えば、航空座席やホテル客室の確保も、商品の素材流通と言えるでしょう。ただしこの段階では旅行商品そのものの流通とは言えないと思います。 しかし私達業界人にとっては、この素材流通こそが商品コストの死命を決するものなのです。販売価格のおよそ65%~80%を占めるのが航空座席、ホテル代をはじめとする地上費(航空以外のコストのこと)の合計なのですから。 同じホテルの同じようなグレードの客室でも、現地代理店のように仕入経路によっては随分と差があるものです。航空座席でも、直接航空会社から買うより、大量仕入れの大手旅行会社を経由して買ったほうが安いことも珍しくありません。 多少でもお役に立ったでしょうか?