- ベストアンサー
フロンガスの必要性
そもそもフロンガスって必要なんでしょうか? よろしくお願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
法律や国際条約で使用が禁止されたのは、オゾン層を強力に破壊する「特定フロン」で、すべてのフロンガスが規制されたわけではありません。オゾン層を破壊しないフロンは使用自身は禁止されていません。 それで、フロンガスが必要かどうかですが、まずは現在でも使用されている用途を申し上げましょう。 フロンの用途は、大きく分けて洗浄用、発泡用、噴射用、冷媒用の4つがあります。以前は大半が噴射用と発泡用でしたが、特に噴射用は代替が用意であったためにほとんどが置き換わり、現在では発泡用と冷媒用がほとんどです。 発泡用というのは、断熱材などの「ふわふわ」な樹脂を膨らませるために、樹脂に混ぜて使う用途です。 冷媒用というのはエアコンや冷凍機などの中で、気化・凝縮することにより熱の移動を担う物質です。現在はフロン回収破壊法という法律があって、大気に放出しないで回収することが義務付けられています。 で、要するに代替できるものはすでに代替されているのですが、上記の用途ではいまだに代替できないものがあります。もちろん代替物質の研究は続けられており、有望な物質も見つかってきていますが、現時点では完全に代替できる物質がありません。 フロンの代替物質としてポピュラーなのが、イソブタン、アンモニア、炭酸ガスです。イソブタンは家庭用の冷蔵庫などで、アンモニアは特殊な冷凍機、炭酸ガスは家庭用のヒートポンプ給湯器(いわゆるエコキュート)などで使用されています。 イソブタンの場合は可燃性が問題です。早い話、イソブタンと言うのはライターの燃料なので、よく燃えますし、下手すると爆発します。安全性を考えると冷蔵庫ぐらいが限界で、エアコンなどでもメーカーは二の足を踏んでいます。 アンモニアは毒性が問題です。フロンができる前には冷凍機の冷媒として非常に多く使われていたのですが、アンモニア中毒による死者は少なからず出ていたようです。ちなみに、ジェンキンス氏の著書によると、氏のご尊父も冷凍技師でしたが、アンモニア中毒で亡くなったそうです。現在も、先日、九州で冷媒の漏洩事故が発生して死者が出ました。万一の漏洩に備えると除害装置などの設備が必要で、一般家庭では使える代物じゃありません。 炭酸ガスは圧力が問題です。たとえばカーエアコンを炭酸ガスで作ったとしましょう。炭酸ガスはものすごい高圧にしないと普通のエアコンとしては使えないので、エアコンが鉄の塊みたいになり、ノンフロンの代わりに自動車の燃費が悪くなること請け合いです。 結局、これらの問題から現時点ではエアコンはほとんどがフロンで運転されており、その意味でフロンはまだまだ「必要」です。 また、フロンを使わない機械の効率はフロンを使う機械に比べてまだまだ悪く、フロンを禁止してしまうと効率の悪い機械に置き換えざるを得なくなるのでかえって地球温暖化を促進する可能性が高いのです。実際、日本では一時期フロンが無条件に悪者にされてしまったためにエネルギー効率の悪いノンフロンの冷凍機に置き換わってしまい、温暖化ガスの排出量を増加させてしまったという歴史もあります。近年はその見直しが進み、フロンを一方的に悪者にするのではなく、適切に回収・破壊することで全体として温暖化を抑制する方策が採られているのです。 もっとも、現時点ではそうとはいえ、最近はある「新物質」が開発されて注目を集めていますし、水や空気を冷媒として使用する技術もあります。 改めて回答を述べると、現時点ではフロンはまだまだ必要ですが、代替技術の開発は進められています。
その他の回答 (2)
- 大明神(@bathbadya)
- ベストアンサー率19% (769/3963)
人体や食品、その他材料などに影響の無いフロンガスは、どこにでも使える。(昔はお菓子の袋の中に充てんされていた) また、安定した材料などの理由で熱交換器の媒体としても有用。(クーラガスだね) 成分を調整すると、洗浄剤としての機能も優秀。(スプレー塗料なんかもオナジ理由でフロンを使っていた) で、おまけに安いと来たもんだ。 と、信じていたけど、ところがどっこいと言ったところ。
お礼
回答ありがとうございました。 詳しくてとても分かりやすかったです。
- 中京区 桑原町(@l4330)
- ベストアンサー率22% (4373/19606)
フロンの使用は特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律によって1996年以降全廃されてます。
お礼
回答ありがとうございます。 勉強になりました。
お礼
回答ありがとうございます。 現時点では必要だけど、これからは必要なくなるかもしれないんですね! とても丁寧で分かりやすかったです。 ありがとうございました。