• ベストアンサー

ノルバスクとグレーピフルーツ

グレ-プフル-ツジュ-スとCa拮抗剤との相互作用について調べていたのですがどうしてもわからないことがあって… Ca拮抗剤の中でも「ノルバスク」はグレープフルーツの影響を受けにくい。 それはなぜなんでしょうか? 他のCa拮抗剤と何か成分などが違うのですか? お薬の詳しい方、ぜひ教えてください。 よろしくお願い致します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • SAT40
  • ベストアンサー率39% (178/450)
回答No.3

ども、製薬会社で薬物代謝関係の研究員をしております。 >Ca拮抗剤の中でも「ノルバスク」はグレープフルーツの影響を受けにくい。 かいつまんでお話ししますと、これはCa拮抗薬と成分(薬効本態)が違うとかそう言う話ではなく、薬物の代謝に関係しています。代謝というのは、身体にとって本来は異物である薬というものを、他の形、例えば尿により溶けやすい形に変換してしまうといった、ヒトに本来備わっている機能です。その多くは肝臓で起こる現象です。ところで、この代謝というものが起こる過程には「代謝酵素」というものが必ず働いています。この酵素が、薬の分子にとりついて、化学構造の一部を変換し、身体の外に排泄されやすい形に変えていきます。体内にはこのような働きをする酵素が、まだ未発見のものを含めて万の単位で存在するのではないかと考えられています。 さてさて、ここにチトクロームP450という名称で呼ばれる酵素の大集団があります。大集団といったのは、この名称で呼ばれる酵素はその働きによってたくさんの種類に別れるからです。このグループの中の一つの酵素にCYP3A4という、薬学界のヒトなら誰でも知っている超有名な酵素があります。何故有名かというと、この酵素はものすごく沢山の薬剤の代謝過程に関係しているからです。その中には、抗生物質、免疫抑制剤、抗ガン剤などデリケートな薬剤も含まれています。そして、Ca拮抗薬の多くのものもこの酵素で代謝されます。そして、この酵素の働きはグレープフルーツに含まれるフラボノイドと呼ばれる種類の物質がこの酵素の働きを阻害してしまいます。酵素の働きが阻害されると、体内に不必要に多くの薬物存在することになり、隠れていたその薬物の毒性などが出現することになります。薬剤の種類によっては非常に危険なことです。ノルバスクは、CYP3A4で代謝を受けないことから、服用時にグレープフルーツジュースの影響を受けにくい、使いやすい薬剤であるということです。 長々と書いてしまいましたが、ご理解頂ければ幸いです。

miets
質問者

お礼

こんなにたくさん書いて頂けて、とても理解しやすかったです。 どうもありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • SAT40
  • ベストアンサー率39% (178/450)
回答No.4

No.3です。追加ですが、No.1の方がご指摘のp-糖タンパク関連メカニズムはノルバスクに限って言えば殆ど気にしなくてもよい(はず)です。

miets
質問者

お礼

そうなのですか! ご指摘どうもありがとうございます。

回答No.2

 キチンと調べたわけではありませんので,私の推測だけですが・・・。  まず,グレープフルーツジュースでの影響を受けるのは,代謝酵素である CYP の働きが阻害される事が大きな原因と考えられます(MiJun さんお示しのページ等を御覧下さい)。これは,Ca 拮抗剤よりもグレープフルーツジュースの活性成分の方が CYP に対する親和性が強いために起こります。  ところで,「ノルバスク」の成分であるアムロジピンは種々の CYP を強く阻害する様です。つまり,CYP に対する親和性が強いと言えます。  つまり,アムロジピンはグレープフルーツジュースの活性成分よりも CYP に対する親和性が高く,グレープフルーツの活性成分の存在にあまり影響を受けずに代謝されるため,『グレープフルーツの影響を受けにくい』事が考えられます。

miets
質問者

お礼

回答どうもありがとうございました。 参考になります。

noname#211914
noname#211914
回答No.1

ダイレクトな回答ではありませんが、以下の参考URLは参考になりますでしょうか? 「グレープフルーツジュースによる薬物相互作用」 CYPだけではなく「Pglycoprotein」も関与しているようですが・・・? ●http://www.naruhodo100.com/detailpage/abe/8/Page1.htm (グレープフルーツジュースによる薬剤の血中濃度の変化) ただし引用文献のスペルミスがあるようですが・・・? 因みにPubMedで「grapefruit cytochrome calcium antagonist review」で検索するといくつかHitしますが・・・・? ●http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=11963641&dopt=Abstract (Interaction potential of lercanidipine, a new vasoselective dihydropyridine calcium antagonist.) ご参考まで。

参考URL:
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/tootake/1995.4.15.htm
miets
質問者

お礼

とてもわかりやすく書いてあり参考になりました。 どうもありがとうございました。

関連するQ&A