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デザインはMacと言われる所以とは?
以前からずっと気になっていたのですが、良くDTPなどのデザイナーの人たちは「デザインするならやっぱりMac」と言われるのですが、これはどういう理由からなんでしょうか? 私はWindowsユーザーなのですが、WindowsでもイラストレーターやPhotoshopなんかも十分に動くし、ディスプレイの性能のせいとかなんでしょうか? Macユーザーの方やDTP等のデザインにかかわっていらっしゃる方々のご意見を是非聞かせて下さい。
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「プロは色を値で見る」これが鉄則です。 色を使うアプリケーションではCMYKの各値が表示されるので、「値を見て色が想定できる」というのがプロの条件でしょう。 つまり「色の関してはコンピュータシステムは無力である」というこで、どんなシステムでもモニタで印刷の色を再現することは出来ません。 カラーキャリブレーションによって一時的に「ほぼ合っている状態」を作ることは可能ですが、モニタの色はいづれズレます。 もちろん、色を値で見ることが出来ない人たちもDTPには関わっています。 クライアントである広告主などに職人芸を求めることは出来ません。 そのためにカラーカンプ(プリンタによるサンプル出力)を使います。 Macintoshを使ったカラーカンプシステムを構築したことがありますが、モニタよりもプリンタの方が色再現しやすいのです。 プリンタもインクなので「減算色である」、「色表現範囲が似ている」、「重ね塗りである」と言うのが理由です。 ただし「インクメーカーの違い」、「網点とべた塗りの違い」、「用紙の違い」などによる影響は受けますのでソフトウェアによるカラーマッチング処理を必要とします。 私が作ったカラーカンプシステムもMacintoshベースでした。 当時(1990年代初頭)の価格で数百万(ソフトウェアとプリンタ込み)するシステムでした。 プリンタシステムに数百万も使ってしまったら簡単にMac→Winに乗り換えることが出来ません。 私も「DTPはMac」という伝統作りに関わってるのかな?と思ってしまいます。 (メモリ増設だって5万円/MBもした時代ですからシステム全体の投資はものすごい金額です) パソコンの処理能力が低かった時代(1980年代)にはUNIXなどのエンジニアリングワークステーション(EWS)でデザインシステムを開発する会社が数多くありました。 私も1986年からEWSによるDTPシステムに関わっていましたが、カラーマッチングという概念はEWSにはありません。 Macintoshの場合システム標準でColorSyncというカラーマッチングシステムが搭載されていて「惜しいところ」までは色あわせ可能ですが、UNIXシステムでカラーマッチングを行う有力なソフトウェアは現在でも存在しません。 どんなに頑張っても色が合わないWCM(Windows Color Matching)を搭載したWindowsよりは中途半端な機能をスッパリ切り捨てたUNIXの方が使いやすいとは思いますが… かつて発売されていたUNIX版のPhotoshopがなくなってしまったのもデザイン業界がUNIXを導入しにくい理由でしょう。 ちなみに私の作ったカラーカンプシステムも現在ではWindowsに移植されています。 で、結論ですが… 「どうせ色は合わないんだからどれでも同じ」 と言うことになります。 現在は「惜しいところ」までの色合わせでよいならPhotoshopに組み込み済みなので追加投資は必要ありません。 UNIXにはそのPhotoshopがありません。 (GIMPという選択肢はありますが…) しかも、Macintoshの進化(OS,ハードウェア両方)によってMacintoshを使いつづけていても資産の流用が難しくなってきています。 OSX以降のMacintoshとXP以降のWindowsを比べた場合、導入しやすいのは圧倒的にWindowsでしょう。
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- toysmith
- ベストアンサー率37% (570/1525)
DTPやデザイン系のソフトを作ってます。 色再現性でMacを選ぶプロはいません。 もともとモニタと印刷は色が合わないんです。 色の表現方法(RGB=加算色、CMY=減算色)のちがい、色表現範囲(CRTモニタの表現範囲が広すぎ)の違いなどなど… だいたい「1つのピクセルにビームを当てて一気に色表現する」CRTと「インクを重ね塗りして色を表現する」印刷で色が合うわけがありません。 プロは「色は値で見る!」という原則です。 Macでカラーマッチングソフトも作りましたが(標準カラーマッチングであるColorSync発売前)、「ほぼ合っている」ではプロの役には立たないんです。 しかも、「ほぼ合っている」状態を作るまでの設定(キャリブレーション)が大変すぎます。 モニタの色は使うほど変化しますからキャリブレーションは一定期間ごとに繰り返さないといけないし… と言っても、グラフィックサブシステム(いわゆるグラフィックボード)ごとに色が大幅に違うWindowsパソコンよりはマシと言えばマシなんですけど。 じゃ、なんでMacか?っていうと。 伝統と洗練です。 元々DTPという言葉自体が初代PageMaker(当時はAldus製もちろんMac専用)の発表広告に使われるため『だけ』に作られた言葉が一般化したものです。 その後、DTPを初めとするデザイン系ソフトウェアはMacのためだけに作られました。 ユーザの要求を貪欲に取り入れ、インターフェースはどんどん洗練されてゆきました。 絶妙な配置のショートカット(Windowsでいうアクセラレータ)のおかげで「左手はキーボードの左端、 右手はマウス」というポジションでほとんどの操作が出来る理想形が生まれました。 その後1990年代の終盤にクォークがWindowsに移植され、Windowsによるデザインが一般化してきましたが、デザイン会社が蓄積してきたMac専用のハードウェア/ソフトウェア資産を「そのまま」受け継ぐことが出来ない状態だったので、デザイン会社ではすぐにWindowsに乗り換えることが出来なかったのです。 結果、「世界中のコンピュータの80%がWindowsでもDTPの99%はMac」という好況になりました。 現在ではWindowsによるデザインを積極的に推進するデザイン会社が増えています。
- yama_x
- ベストアンサー率20% (188/940)
Macは当初からWYSIWYG(ウジィウィグ:What You See Is What You Get)と言って、ディスプレイで見たままのものを印刷できる機能を持っていました。 最近はWindowsでも一応ソフトとプリンタによっては機能することになっていますが、いまいち信頼できないのも事実です。 よく印刷してみると、画面と違う!ということがありますよね。MacではWindowsに比べ、それが少ない、というのがデザイン系で好まれる理由です (・・・だったはず)
日本で初期から(10年ちょっと前)MacでDTPがはやり始め、普及したからと、アップルもそういう市場を意識して、グラフィックに適したハードウェアの構成で出荷し、ソフトメーカーも追随したからではないでしょうか。 あと日本の印刷事情というか品質へのこだわりで、それに適したソフトも沢山でましたし。 アメリカとか見ると、かならずしもMacばかりではないですよ。商業印刷からビジネスドキュメントなど、いろんな使われ方の中でWindowsが沢山あります。 日本でもおっしゃるように、最近WindowsでイラストレーターやPhotoshopを使用しているところ、増えてますね。
お礼
なるほどー、はじめにMacがグラフィックデザインを意識した製品作りをしたからという訳なんですね! すごく参考になります。ありがとうございました。
お礼
toysmithさん、とっても詳しいご説明をありがとうございます! 「プロは色を値で見る」はなるほどー!と思いました。 結局はMacでもWindowsでもディスプレイで見る色をそのまま再現することなんか不可能ですものね。私はプロになりたいという訳ではないですが(というかDTPはまだまだ始めたばかりなんですが)、経験をつんで「色を値で見れる(値で表現できる)」ようになりたいと思います! またtoysmithさんのご回答からDTPの歴史、ひいてはWindows、Mac、UNIXの歴史の一部までも知ることができて嬉しいです。 印刷会社やデザイン会社もどんどんWindowsに切り替わってきているようですし、「DTPはMac」という定説もそのうち覆されるのかも知れませんね。 今回はとっても勉強になりました。どうもありがとうございました!