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コーナリングフォースとタイヤの関係(パート2)
以前コーナリングフォースとタイヤの関係について質問させていただき、大変ありがたい回答をいただきました。 回答者の方にはバイクの旋回性質、特にキャンバースラストについて説明してもらいましたが、ジャイロ効果とプレセッション効果について学ぶと更に理解が深まると助言をもらいました。 ジャイロ効果についてはその後の思慮で理解しました。 (投げたブーメランが戻ってくる理屈と同じ) しかしプレセッション効果については想像もできず、この効果が及ぼす影響すらつかめません。 よろしくご教授お願いします。
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>ジャイロ効果についてはその後の思慮で理解しました。(投げたブーメランが戻ってくる理屈と同じ) >プレセッション効果については想像もできず、この効果が及ぼす影響すらつかめません ジャイロ効果はプリセッション(プレセッション、プリセション、プレセション)と呼ばれるもので、回転体の慣性力によって、回転軸にその方向を変化させような力が加わえた場合、90度回転が進んだ点にその力を加えたと同じ効果が現れるというものです。 例えば、上から見て、右回転しているコマの左側を押すと、コマは上を押されたと同じ動き、つまり、瞬間上の方に倒れます。 コマが上のほうに倒れようとすると、プリセッションはコマを右へ倒そうとします。 右へ倒れようとすると、下へた倒れようとする力が働きます。 この結果コマの軸は動かないで一定の方を向いたままになります。 この性質のため回転体は、その回転(自転)軸の方向を維持しようとします。 回転力が落ちてくる(慣性力が弱くなる)と、プリセッションの力(自立力)も弱くなり、自転軸がぶれてきます。 この運動を、歳差運動と呼んでいます。 このジャイロの性質は各方面で利用されています。 反面、回転体を利用しているものの中には、その自転軸を変えなくてはいけないものもあります。 その時にプリセッションが邪魔をし、動きを複雑にしています。 端的なのが、ヘリコプターの回転翼のコントロールです。 では、コインを転がしたときのプリセッションについて考えてみましょう。 床の上でコインを転がしたときは、どちらかに傾いたてもすぐには倒れないで、倒れかかった方に向きを変えながら進行し、速度の低下に伴って半径が段々小さくなっていきついには倒れます。 コインの接触面はコインの重量程度では変形しないので、純粋にプリセッション効果であるといえます。 前進しているコインが左に傾いたとします。 このとき重力の見かけ上の力は、コインの最上部を左に押していることになります。 回転しているコインに掛かるこの力は、90度位相の進んだ点、 つまり進行方向の一番前を左に押したような効果として現れます。 そのため、コインは常に左へ左へと向きを変えて円弧を描きながら進みます。 また、左に向きを変えるということは、コインの床との接触面を左に移動させることですので、コインが倒れるのを軽減するように働くため簡単には倒れません。 言い換えると、長い棒を手の上で立てているとき左に傾いたときに、手を左に動かせて棒を立て直そうとします。 それと同じことです。 当然、この力は倒れることによって生じる力を上回ることはできませんので、倒れかかったものを起こすことはできません。 床との接触点の抵抗などにより速度が落ちてくると、プリセッション力も弱くなり、だんだん倒れながら小さい半径を描くようになり、ついには倒れてしまいます。 バイクの場合も、ジャイロのプレセッションは、車体急に傾けようとすると、その瞬間ハンドルは傾けようとした方向に向こうとします。 ハンドルのキャスターも倒れた方にハンドルを向けます。 こちらの力の方が大きいと思います。 ハンドルは自然に切れます。 ブレーキングのリリースの時期も影響してきます。 旋回を続けている最中は、自由空間から見ると前後輪を左に回転させていることになりますので、プリセッションの力は傾きを起こす方向に作用します。 しかし、力は作用するといっても、通常の運転の場合、意識する必要はないでしょう。 レーサーに乗った経験はありませんので、高速運転中のプリセッションの影響がどの程度のものかわかりませんが、おそらく気にしないでよい程度ではないかと思います。 この力よりも他に、車体を傾けることにより大きな力(キャンバースラスト効果)が作用します。 ハンドルを直接動かせばまた別の力が作用してきます。 ここでは、ジャイロのプリセッションに重点を置いて説明しました。
お礼
大変ありがとうございます。 分かりやすくご説明いただき理解できました。 このようなお話が出来る方が身近にいたら楽しいだろな・・とも思います。 ジャイロ効果と言う定義には回転軸保存の法則と言われるとおり (1)外部からモーメントが加わらないかぎり回転軸の方向を保つ性質 (2)回転動量が大きいほど姿勢を変えにくい性質 (3)回転体の慣性力によって、回転軸にその方向を変化させような力が加わえた場合、90度回転が進んだ点にその力を加えたと同じ効果が現れる。 以上(1)~(3)の現象を言い、そのうち(3)を特にプリセッション効果と言う、と認識出来ましたた。(ブーメランの動きはプリセッション効果である) 言葉の定義はともかく、他の回転運動体にも応用できるくらい整理、理解できたことに感謝いたします。