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紳士になるための服装の常識を学ぶには

最近、紳士服全般に興味を持ち始めました。ワイシャツの襟の形状、カフスについて、シャツとスーツの関係など非常に興味深い質問と専門性のある解答に驚かされています。 しかしながら、自分はそのような知識がありません。雑誌を見ても、売ることばかりを考えた宣伝雑誌になりつつあり、学べるものはないと感じています。 しいていえば、日経新聞で「おしゃれ道」という連載(終わってしまいました)と老舗のテーラーでぐらいでしか教えていただけないでしょう。 このような知識はどのように学んでいくのか疑問です。福沢諭吉の背広のススメを読みましたが、あまりにも古すぎました。現代にアレンジしたような本はないでしょうか?

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回答No.1

 ニューヨークから失礼します。確かに本格的なものであればある程 紳士服についての知識を学んだり、身に着けていくことは簡単ではない のかもしれません。今の、異常なまでに”結果”の平等化が進んで 硬直した日本の社会においてはピンとこられないかとは思いますが、 欧米においては今だ服装イコール社会的階級を象徴するものなの であって、つまりお互いが初対面であっても服装、そしてその着こなしから相手が自分と同じような環境で育ち、同様の教育を受け、同程度の 教養を持っているのかどうか、などを判断するのです。勿論、日本国内にいる限り、こんなことはまずないと言ってよいのですが。  反面、日本においてはイケてるのかイケてないのか、また流行なのかどうかといった低レベルの判断基準しかないと思いますが、欧米に おいては、ある意味、服装イコール”暗号”と言ってもいいくらいの ものなのである、いうことはよくよく覚えておいてください。  こうした点を踏まえ、例えば落合正勝さんという、残念ながら先年 お亡くなりになられてしまいましたが、ご自分で買って着られてということをポリシーに、たくさんの良質な本をお書きになられました。彼の 著作をお読みになることはお薦めいたします。特に紳士服のディテールな部分を愛する日本の方々には参考になることが多いかと思います。 またやはり故人なのですが、林勝太郎、星野醍醐郎といった方々の 著書なども入手しにくいかもしれませんが、参考になるかと思います。 もし英語がお得意であれば、英米においては日本とは比較にならないくらいの量の紳士服に関する著作だ出ています。中でも近年に翻訳 されたもので、ドイツのジャーナリスト、ベルンハルト レッツェルが著した”Gentleman"が入門者にも読みやすく、きれいな写真も豊富で お薦めです。いずれにしても、本来の紳士服というものは決して ファッションなどという一過性のものではなく、個に属するスタイル なのであって、西洋人にとっては日本人にとっての着物と同じ、 つまり歴史によって磨かれてきた文化なのであるということです。 従って、文化であるということは、先方の、古代ギリシャ・ローマに 始まる歴史をきちんと勉強し、先方の流儀をも知っておく必要さえ あると言えるのです。大体ファッションという言葉も語源は古代ローマのfasces(斧などを束ねて作った権力を象徴する棒状のもの)にあると言われ、fascesはその言葉(束ねる)の意から後の世にファシズムの 語源となったとも言われ、勿論”流行”といった意味におけるファッションfashionとも同様に強い関連性を持った言葉でもあります。  こうしたことを理解出来てはじめて日本的な、もしくは日本人に 合った洋服の着こなしについて語ることが出来るようになるのではと 考える次第です。  いずれにしても、紳士服に関する勉強は、短期間で解決出来るものでは決してなく、長期戦になることは必至です。20年、30年どころか、 男の生涯を賭けたテーマとさえなるはずです。  従って、若いうちはひとつの意見、考えに決して固執することなく、多くの人から聞く耳を持って、実践にてトライアンドエラーを 繰り返し、他人とは一見似てはいても、良く見ると流儀の異なる、 あなたにしか出来ない、つまり自身による、独自の、唯一のスタイル を築いていくのが目標となるのです。それがあなたがこの世で がんばって生きた証にもなることでしょう。  最後に、駄文ですが、私が書いたものでよろしければ、kenaokiで 検索をされてみたり、またhttp://salasta.upper.jp/にてもいくつか の文章がお読みいただけます。

zukki0818
質問者

お礼

返信が遅くなってすみませんでした。kenaokiさんの過去の回答を拝見させていただいてました。お決まりの>ニューヨークから失礼しますという一文を見た際は大変うれしかったです。 自分の質問にこんなに長い文章で返していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。 落合正勝さんは多くの著書があったため。早速図書館で予約をしてきました。林勝太郎さんはほとんど売られていなかったものの、通販のbook offで安売りしていました。 まずは、本を読み、紳士の基本を学び倒したいと思います。ある程度学べたら、スーツの黎明期から成熟期までも歴史の理解に努めたいと考えています。 p.s. 是非ブログも参考にしたいと思います。

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