「生まれた瞬間から既に600万円ほどの借金を皆抱えてる事実があるんだよ」と言われた時に僕はショックでした。自分が借金している訳ではないのですが、しかし視点を変えると自分が借金している事でもある。不思議なものですよね?
onokoutaさんの質問に対する回答は、PENPENMAKKYさんやmat983さんがされていると思いますので、僕からは違う観点から、そしてアドバイスという形でさせて頂きたいと思います。端的に言いますと、何か問題を解決しようと思うときには現象や結果を観るのではなく、原因を観る事が大切だと思うのです。ここでは原因までは触れませんが、原因に通じる経済の仕組みについて書いてみたいと思います。
経済の仕組みについて見るために、今や経済活動の中心となっている資本主義活動について触れたいと思います。資本主義活動、その体制とは自然の循環を人間に有益な循環に変換させて、もう一度自然の循環に戻すという作用がその本質であります。その作用がおき、貨幣で交換できる商品の循環に変換が起きることが、経済的意味であり価値です。
どういう事でしょうか?
onokoutaさんが着ている服を考えてみましょう。その服も、1億年前は地球だったと思いませんか?目の前のPCの画面も、テーブルや机やボールペンなど、大半の商品は昔は植物であったり地球であったりしますよね?自然だったと言う事です。自然を循環していました。
その自然を循環していた何か、その何かが人間と出会って人間が自然を循環していたものを変換させますよね?切ったり叩いたり熱を加えたり・・・色んな事をしながら変換させます。それを繰り返して、自然だったものが製品になってそれが商品になって僕のところや皆さんのところへ行きますよね?それは人間にとって有益な循環に変換させている事の意味です。
そして、やがては全ての商品は自然の循環へと帰っていきます(環境問題については今回は触れないでおきましょう)。その作用が、お金(貨幣)によって交換できていますよね?お金と商品の流通に変換が起きていますから。そして、そうした事がまさに経済的意味であり価値だと、上記ではそういう事を言いたかったのです。
では、もしこの機能がなかったとしたら僕たちの日常はどの様になっているでしょうか?人間にとって有益な循環を起こし、また自然の循環へと返していく事を、より活性化させる事に成功したのは、貨幣という道具を開発した事によります。これは人間の智慧だと思いませんか?
何を共有したいかと言いますと、つまり今の資本主義活動には問題もたくさんありますけれども、本質は美しい側面もあるし感謝したいところもたくさんありますし、チャレンジされている方々に敬意を表する場面も数多く潜んでいて、それが全て絡み合っているところもあるという事です。
商品が、個人の元へ届く事に大きな加速をつけてくれています。この事で、問題解決が簡単になったり喜び感動を味わう事が出来ています。
今、世界的に経済が危機だといっています。これは、お金が循環しない事が危機であるという様に受け止めている方が非常に多い様です。国のリーダーである政治家、或いは専門家である経済学者や政治学者、そして彼ら彼女らの元に入ってくる全ての情報に至るまでが、お金が循環していないという現象や結果について、「あーだ、こーだ」と言っています。そしてお金を使って何とかしようとしています。古いですよね。
今は「流動性の罠」にはまっています。お金をマーケットに投入しても、投資する事よりも現金の方が安心安全である為に、皆がみんな現金化して自分の手元にお金を置いておこうとします。この心理もよく分かりますよね?するとどうなるかと言いますと、まるで光さえも吸い込んでしまうブラックホールの様に、お金がどんどんブラックホールになくなっていく様な状態が作られています。そんな状態が続くとどうなりますか?経済循環が起きないまま、お金がブラックホールに吸い込まれていきます。そんな事を国がやっている・・・国は破産します。今、国は破産の危機にあります。国家破産の時代に入っています。国が潰れたら、次は地域や企業に破産の危機が襲い掛かります。その次は、家庭・個人の破産です。ニュースなどを見ると、徐々に影響が出ているようですが、本格的な影響はまだまだ先の事です。
今、本当に必要な事は、新しいニーズ・新しい需要を掘り起こす事だと思いませんか?今、起こっている問題は何なのか?どんな問題を本当に解決したいと思うのか?その事を通して、喜び・感動に溢れかえる商品・技術・産業・・・それらが活性していくならば、そこを中心に仕事も増えますし、投資も起きます。ですが、それが分からない。政治家も、経済学者も政治学者も企業家も経営者も。
それらを踏まえた上で、借金について見てみようと思います。借金が起こる仕組みとお金の循環について、今現状として起こっていることを大雑把ですが共有したいと思います。その為に大きな視点から触れて見ますと。
全世界を代表してお金を発行しているところがあります。全世界のお金は全てそこで賄われます。それを仮にXとしましょう。そして、銀行の親分みたいなイメージで中央銀行がありますが、中央銀行はこのお金をXから借ります。例えば、10000を借りたとしましょう。すると、中央銀行はこの10000を各銀行に流します。一方、Xにお金を返す時は10000+αを返します。すると、+αを返さないといけませんが+αはどこにあるのでしょうか?
全てのお金はXから発行されます。今、世界中を駆け巡っているお金は10000しかありません。+αはないのです。しかし返さないといけない。そこで、+αをどの様にして都合をつけると思いますか?Xから借りるのです。Xはまた新しくお金を発行しますが、勿論新しく発行したお金に関しても+βを乗せて返さないといけません。しかし、+βはどこにあるのでしょうか?今、世界中を駆け巡っているお金は10000+αしかありません。
以上、借金が起きてしまう仕組みについて共有しました。一番、大きなところでそれが起こっていますが、この事は規模を縮小してみても本質的には同じことだとは思いませんか?フラクタルという自然の法則がありますが、最も大きなところの動きと、同じ動きを反復するというものです。地球は太陽系の中を太陽を中心にして回り、太陽は銀河系の中を銀河を中心にして回り、銀河は宇宙の中を宇宙の中心を中心にして周り、宇宙は宇宙の外の中を宇宙の外にある中心を中心にして回り(絵を描きながらだと文章を追い易いです)・・・その様にして同じ動き・パターンを繰り返している構造や仕組みの事をフラクタルといいますが。
ですからXと中央銀行の関係は、各銀行と中央銀行の関係であったり、企業と銀行の関係であったり、企業と家庭の関係であったり・・・これらが同じ動きやパターンを持っている事になります。ですから実は本来は、国も、企業も、家庭も、個人も、本来自分のところに入ってくるお金があったとしますよね?すると、そのお金はそれ以上にして返さなければいけないという事の意味でもあるのです。
しかし、どうでしょうか?くどいかもしれませんが、世界を回っているお金の全体は10000しかないのです。誰かが、どこかで、+α、+β、+γ・・・を生み出さないといけません。どうしますか?
資本主義活動、その体制とは自然の循環を人間に有益な循環に変換させて、もう一度自然の循環に戻すという作用がその本質であります。その作用がおき、貨幣で交換できる商品の循環に変換が起きることが、経済的意味であり価値です。
国のリーダーたちが、誰よりもこの事を理解していないといけませんが、その事を知ってはいますが理解にはなっていないのではないでしょうか?だから、毎度の事ですが解決策がとてもとてもおかしいですよね。お金を流せば循環するという発想は、血圧が低いからそこに血液を流せばいいだろう、栄養が足りていないからそこに栄養を流せばいいだろう、といった浅はかな対処療法です。
道路を作ったり、アスファルトを変えたり、建物を建てたり、建物を建て替えたり・・・してますよね。土木建築というんでしょうか?そこにどんどんお金を流してますよね?既にある道路、アスファルト、建物・・・そこにばっかりお金を投入しています。そこに新しい価値が生まれる筈がありません。それが未来の価値に何の関係もありません。他にもそういった企業が沢山あるのですが、ゾンビ企業ばっかり生み出し育てているのが実情です。国民のお金を一体何に投入しているのでしょうか?
人間に有益な循環がどんな事なのか?自然の循環と全く矛盾のない循環について、今のリーダーたちは誰も代案を出せていません。それが、新しい産業や技術や商品を生まれなくさせています。新しい価値を創出する事。新しい価値に対して、お金が機能するときに経済は元気であるといえますし、人間も元気であるといえます。またその循環が、自然にとっても循環心地よいものでしたら、どのくらい素晴らしい事でしょうか?それが経済活動の意味と価値です。
新しい価値を生み出す事、そしてそれが生み出され続ける事。この事に、今真剣になるべきだと思うのです。そのキーワードは、剰余発生メカニズムです。国のリーダーシップを取ろうと思えば、基本的に剰余発生メカニズムを理解している必要があります。1つを入れて2つを生み出す剰余発生メカニズム、これがキーワードです。1つを入れて1つが生まれるのでは変化は起きません。また1つを入れて、ゼロや0.5になってしまったら変化どころではなく消滅してしまいます。国家の構造や機能がずっと進化発達し続けていると言う事は、そこに剰余発生メカニズムがしっかり働いているという意味です。
剰余発生メカニズムは、持続的に価値を創出するメカニズムでもあります。これによって教育・経済・政治・・・それらに対する新しい政策や方針を、夢と希望と感動に乗せてポンポン生み出せます。何せ剰余です。剰余発生メカニズムを国のリーダーが理解していない事、これが借金が起こるメカニズムに対して+α、+β、+γ・・・を生み出しきれない国のリーダーたちの現在地でしょう。そして、未だに国民一人ひとりにビジョンとロードマップを提供することのできていない現状は、資本主義の基本体制に対して完全に敗北している事の意味でもあるのです。
以上を踏まえまして。onokoutaさんの質問に対する回答にはなっていませんが、「何か問題を解決しようと思うときには現象や結果を観るのではなく、原因を観る事が大切です」というアドバイスの形で応えました。onokoutaさんが本当に追求したい事を追って行くと、もしかしたらonokoutaさんの質問は、以下の様に変わるのではないでしょうか?
・新しい価値を創造し続けるとは何なのでしょうか?
・新しい価値を創造し続けるという事が何故必要なのでしょうか?
・剰余発生メカニズムとは何なのでしょうか?
・剰余発生メカニズムを経済に活用する時、どんな経済モデルとなるのでしょうか?
・実物経済・金融経済に続く新しい経済とは何なのでしょうか?
・新しい経済モデルによって、今ある資本主義はどのように変わりますか?
・資本主義を支える産業、技術、商品はどの様に変わりますか?
・新しい産業・技術・商品を開発する人材は、教育によって創出できるものでしょうか?
今、実はチャンスの時です。危機をチャンスに大反転させるとても面白い時期です。希望が溢れて、夢が溢れて、可能性がどんどん開けてくる時です。これからも素晴らしい追求をされて下さい!
お礼
長文ありがとうございます。 原因を知ることの大切さがわかりました。 こういう姿勢がないとできないこともあるということも分かりました。 これからも追求することを忘れないようにしたいと思います。 アドバイスありがとうございます。