続きになりますが、判決は匿名掲示板の違法性を判事されたものとひろゆき氏や世間一般で評価されています。しかしIPアドレスを管理している掲示板管理者が責任を負わないかどうかについては一切言及していません。ここが今度の課題となるでしょう。
>あと、店鋪や医者の評判をWebで情報発信することはどうなのでしょうか。教えて下さい。
判例は
「ア ところで,事実を摘示しての名誉毀損にあっては,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには,上記行為には違法性がなく,仮に上記事実が真実であることの証明がないときにも,行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば,その故意又は過失は否定され,また,ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,上記意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,上記行為は違法性を欠くものとされ,上記意見ないし論評の前提としている事実が真実であることの証明がないときにも,行為者において上記事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば,その故意又は過失は否定されると解される(最高裁判所平成9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁参照)。」
と名誉毀損についての最高裁判例などを引用した上で
「 しかしながら,人の品性,徳行,名声,信用等の人格的価値について社会的評価を低下させる事実の摘示,又は意見ないし論評の表明となる発言により,名誉毀損という不法行為は成立し得るものであり,名誉を毀損された被害者が,その発言につき上記のとおり社会的評価を低下させる危険のあることを主張立証すれば,発言の公共性,目的の公益性,内容の真実性等の存在は,違法性阻却事由,責任阻却事由として責任を追及される相手方が主張立証すべきものである。」
としています。すなわち
1 原則として社会的地位を低下させるような発言をしたような者は相手方に対して損害賠償責任を負う。
2 ただし当該事実の摘示が公共の利害に関わることで、公共の目的をはかるために行われ、おおむね真実であった場合には損害賠償を負わない。ニュースなどを参考にして自分の意見を表明する場合は、事実を大幅に外れたり人身攻撃などに及ばない限りは損害賠償を負わないということですね。
ですから医者の評判や店舗の評判について発言する場合、
よほどの確信をもって発言しない限りは、損害賠償を負うことになります。特に「ヤブ医者」であるとか「まずい」などは確実に損害賠償の対象となります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 自分の感想もおいそれと言えないとは… 情報発信やコミュニケーションが簡単になったかわりに、せちがない世の中になってきましたね。