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インフルエンザは微量のウイルス感染でも発症するのでしょうか?
新型ウイルス対策をしている時に疑問に思ったことですが、 この手の知識が全くないので、非常に的外れかもしれません; ほんのちょっと?でもウイルスが体内に入ればいずれ増殖し発症してしまうのでしょうか? マスク・ゴーグル・消毒等を行い、体内に全く入ってこないようにすることができるのか疑問に思い質問させていただきました。
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獣医師です。ウイルスに専門知識を有しています。 >ほんのちょっと?でもウイルスが体内に入ればいずれ増殖し発症してしまうのでしょうか? いいえ、そうではありません。感染するにはかなり大量のウイルスが体内に入る必要があります。 ウイルスの感染力を決める要因にはウイルス側と人間側の要因があります。 1.患者が排泄するウイルス量はどのくらいか 2.患者から排泄されたウイルスが次の人間に感染するまで、どのくらい環境中で生存しているか 3.どのくらいのウイルス量が体内に入れば感染が成立するか ご質問は3についてだと思うのですが、2がウイルス側の要因であり、1と3がウイルス側と人間側の要因です。 ま、人の免疫能が落ちていたりすると感染しやすい(少量のウイルスで感染する)状態にはなるのですが、1-3で論じられる数字が非常に大きいので、それに比べたら人の状態変化による変動なんて微々たるモノです。 3の最小感染単位なのですが、「かなり少ない量でも感染が成立する」部類のウイルスではあります。ウイルスは光学顕微鏡では見ることができないほど小さいので、1個2個という数え方はできず「力価」で量を論じます。 例えば、ある報告によるとインフルエンザウイルスのヒトへの最小感染力価は0.6-3.0TCID50なんだとか。 例えばかなり大雑把ですが、計算をしてみます。 インフルエンザ患者と8畳間に一緒にいて、患者がくしゃみをして10^9TCID50のウイルスを撒き散らしたとします。8畳間の容積をだいたい4,000Lとして、その空間に均等にウイルスが巻き散らかされたとすれば、この部屋の空気は1Lあたり2.5×10^4TCID50程度のウイルスを含んでいる計算になります。 この量だと無防備に呼吸をすると、免疫状態が良かろうが悪かろうがまったく関係なしに、ほぼ確実に感染が成立するのはお判りになると思います。「最小感染力価」の約1万倍の量ですから。 ですが、マスクをしてそのマスクが99.9%のウイルスを引っかけてくれるとします。そのマスクをしていると、部屋の空気を1L吸っても25TCID50のウイルスしか吸い込みません。 さらに部屋を出てすぐにうがいをすることによって、咽喉頭に付着したウイルスをさらに1/00に減らせるとします。 すると、体内に入るウイルス量は0.25TCID50、ということになります。まず感染が成立しない量に落とせる、ということです。 上で書いたマスクで99.9%とかうがいで1/100とかの数字は、今適当に入れてみたデタラメの数字ですよ。考え方を示しただけなので。 というように、マスクにしてもうがいにしても手洗いにしても、「ウイルスを完全にシャットアウト」するのではなく、身体に入るウイルス量を減らす、という意味合いが大きいです。なのでいくつもの手段を組み合わせて対策すれば、最終的に「感染できるだけのウイルス量」が体内に入る可能性を減らすことができるわけです。
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- USB99
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感染するには、病原体側の条件と人間側の条件があります。免疫能が低ければ少量のウイルスでも感染→発病が成立しますが、免疫能、特に対応する抗体があれば多量のウイルスでも発病しない可能性があります。
お礼
大変参考になりました。