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心電図の機器の設定
私の勤務する施設の心電図の機器の設定が、 ハムフィルタ 60Hz 筋電フィルタ 35HZ ドリフトフィルタ 0.5Hz ハイカット なし という設定です。それぞれのフィルタの意味と、数値せっていの意味を教えてください。ちなみに先日、心電図の交流障害がどうしてもとれず、検査に出したらハムフィルタの設定が50Hzになっていたようでした。
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ハムフィルタ:交流障害の除去を目的としてその地域の交流周波数成分を除く 西日本60Hz、東日本50Hz 筋電フィルタ:筋電図成分はトゲトゲしたもので心電図成分より周波数が高いのでこの成分を除く高域遮断フィルタ 1/eになる周波数で表示 35Hzより25Hzがより多くの成分を除去する ハムフィルタ、筋電フィルタどちらも、心電図の波形にもその成分があるのでフィルタを使うと波形がひずむ たとえば筋電フィルタ(高域遮断フィルタ)ではR波のような尖った波形はなまった感じとなり波高が下がる そのため通常はフィルタは使わず、交流が入る元々の要因を減らしたり、被検者をリラックスさせて筋電図を除き、どうしても混入する場合にフィルタを使わない波形に追加してフィルタ使用波形を記録する ハイカット:高域遮断フィルタを使わなくてもペン式心電計では高域は限界があった。 今のペンを使わない心電計の特性をそれに合わせるため100Hzなどでカットする ONにしても問題ないが筋電フィルタを使うのならば意味がない ドリフトフィルタ:基線のゆれを軽減させる 元々心電計はJIS規格で時定数は3.2sec以上(低域遮断周波数0.05Hz以下)となっていて、基線のゆれを減らそうとして時定数を短くすると低域遮断周波数が上がり、ST-Tなどゆっくりとした波形はひずんでしまう http://www.sainaika.uinet.or.jp/research/ECG/TimeConstant.html 最近の機種はデジタル処理で時定数は変えないまま基線のゆれを軽減させる機能があるが、使わないのが本来の波形 生理検査を理解したプロが使うのなら、基本はハム、筋電、ドリフトフィルタはOFFで、必要に応じて最低限のフイルターのみONにする 他施設の波形を見て、最初からフイルターONの波形だった場合には、その施設の精度管理の意識が低いのを感じます こうしたことは学生時代の臨床生理学の教科書にのっていることですから見直してください
お礼
回答に感激してしまいました。基本的にフィルタは使用しないということを他の職員とも学習会を開いて広めていきたいと思います。ありがとうございました。