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「遺憾」という言葉は普通の会話で使いますか?
よろしくお願いします。 台湾の人と,日本語・中国語を相互に勉強するということで, メールでお話をしているのですが, そのメールの中で,台湾の人は, 「たくさんの遺憾があって,台湾に帰りたくない」 と書いているのです。 全体の流れからこれは,まだまだやり残したことがあって, 心残りだということを言いたいらしいのです。 数日,日本に遊びに来ていたのですが。 で,ここで質問なのですが, 私の感覚では,「遺憾」という言葉を友達同士の 会話で使うことは不自然だと思うのです。 なので,そのことを指摘しようと思うのですが, みなさんはどう思いますか? もともと私自身,そんなに多くの語彙を使う人間 ではないので,もしかしたら不自然に思うのは私だけ なのでは???と思い,質問してみました。 宜しくお願い致します。
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2つの問題があるように思われます。 まず、ご質問にあるように、友人との間で使うかどうか。確かに「硬い」言葉ですので、普通に会話の中で使うのは稀でしょう。ただ、自分の場合は(日本語そしてあまり関係ないのですが英語とも)語彙数が多い方だと思われますが)、ややふざけた文脈で意外と使ってます。相手からのあえて無理だとわかりきっていると思われる文脈の要求に対して、「はなはだ遺憾である」とか……。ただ、これを本気で受け取られると関係が悪化するもとですから、冗談が通じない相手には決して使いません。 もう一つの点は、この言葉の日本語としての用法です。「遺憾」という言葉は、「遺憾だ」という形容動詞の語幹、あるいは“遺憾の意”“遺憾なく”などの成句以外で用いられることはめったにありません。(それぐらい使いにくい言葉だからこそ、めったに使われないありがたみがあり、硬い言葉と認識される一因となっているわけです。) この台湾の方にとっては、友人同士の会話で使うかどうかという以前に、こちらの方がより大きな問題なのではないでしょうか。そもそも、使い方を誤っているわけですから。 質問の意図を“外国人に何を示唆してあげるかと”と解釈して申し上げますが、以上を踏まえ、私ならその友達に以下の2点を指摘します。 1.「遺憾がある」という表現は、日本語としては正しくない。強いて遺憾という言葉を使いたいのなら、「遺憾なこと」と言い換える必要がある。(さらに、日本語的にこなれた表現にするためには、動詞なども少し変えた方がよく、例えば、「たくさん遺憾なことも残っていて」などとしたらより自然である。) 2.ただ、それ以前に、一般に友人同士ではあまり「遺憾」という言葉は使わない。おそらく、日本語として一番こなれた表現で言うなら、「たくさん心残りがあって」などとするのが良いだろう。 ……というのは、いかがですか。 <追記> 「遺憾」の辞書上の意味は「思い通りにいかず心残りなこと」ですが、「思い通りでない」のは自分である場合もあれば、相手ないし他人であることもあります。すなわち、自分が思い通りにできず「申し訳なく残念だ」という意味にもなれば、相手ないし他人が思いに沿ってくれず「(相手・他人が)非難されるべきところがあり残念だ」という異なった意味を同時に持つわけです(英語で言うと、極めてequivocalですね)。No.3の方は、「理解のすれ違い」に言及していますが、おそらくすれ違いは、上述のようなequivocal性によるところの方が大きいのではないでしょうか。 日本語を母国語としない人に説明するには、多分、難し過ぎるように思われますが、伝えるべき含意の意味でも簡単でないということは教えてあげてもいいかも知れません。
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- Barenino
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既に、正鵠を得た回答出揃ってるが、「個人的な印象を」少し。 成長するに従い、「遺憾の意を…」という言葉を“不自然な表現”とずっと感じていました。 思うにこれは 【現代日本では、政治家(とそれに準ずる立場の方)が謝罪に用いるが、同じ日本人にも「それって、謝ってるつもり?」と感じる、『謝罪』を使えばよいのに積極的に使いたくない『政治家独特の、消極的な独特な表現』だと思う!】 下衆の勘繰りでは『あの時○首相は、謝罪した』との指摘を避ける為の「全方位向けの、無難な、一応謝罪の意の発言を形式的に残す用例」と見る。 (素直に「謝罪する」と政治家が言うのって逆に無いでしょう?) あと、自信が無いが「だんだん、政治家が多用(マスコミも無反省的に追随)する傾向で、“遺憾の意の用法”自体が、日本語の用例として変化さえして来ているのでは?」 (ここ数十年で、使用例が増加している確証はないが) P.S.蛇足の作文 【…に関しては、誠に遺憾である。今後は、各省庁での調整を図りながら、前向きに善処していく所存であります。】 (口語訳) 【…については、まずい対応&事態になってしまった。これからは各省庁間での合意は無理だろうが、一応はその方向でやってみるつもりです。】 本当に「不自然な日本語」だと思う。 どう考えても「遺憾の意」は、「偉い方&正しい方(高所から)」の「まぁ許せよ」or「良きにはからえ!」という傲慢な表現だと感じる!(とは思いませんか?) (下手をしなくても「侮辱」的印象さえある) 「婉曲な言い回し」では決してない「ギリギリの妥協点としての“謝りましたよの体裁作り”」の消極的&逃げ的な日本語でしょう!(と個人的に感じるし、翻訳は到底無理でしょう) 以上、「悪文オンパレード」で「誠に遺憾」です。 では~!!!
お礼
Bareninoさん,ご回答ありがとうございます!
日本では遺憾という言葉を、その気はなかったが結果として迷惑をかけてしまって申し訳ないというような使い方をします。つまり、軽く謝っています。一方漢語辞典をみると少しニュアンスが違います。 遺・・・忘れる、残す、心残りがすること。残念。気の毒。 憾・・・うらむ。心残りに思う。残念がる。 日本では思うどおりいかず心残りな事→結果として残念に思うこと。このニュアンスの差から、日本人は謝っているが中国人は心底から謝っているとは思えないと理解するすれ違いが起こるような気がします。 しかし、台湾の方の場合は、思うとおり物事がすすまず心残りな事がたくさんあり、このまま台湾に帰るのは残念でならないという意味で使っているのではないでしょうか。おなじ漢字を使うので理解しやすい反面このようなリスクは常にあると思います。おかしいと思ったら遠慮せず都度確認すべきです。友達同士で使うのがおかしいかどうかよりも、おなじ意味で使っているかどうかを確認するのが先決でしょう。使い方が違うときは、日本では普通の会話でそのような単語は使わない(古い、意味が違うからなど)私ならこういいますとはっきり言うべきです。断言する自信がない場合は、一般には、普通は、今の人は、私は・・と付け加えればいいでしょう。
お礼
martinbuhoさん,ご回答ありがとうございます! >おなじ漢字を使うので理解しやすい反面 >このようなリスクは常にあると思います。 確かに,このことは念頭に置いているつもりだったのですが, ここのところ,漢字を間違って使ってくることが 全くなかったので,すっかり忘れていました。 今では基本的には,「~で」「~に」などの漢字以外に 用法の過ちが目立つくらいです。 漢字を使う上でのリスク,思い出させて頂きました。 ありがとうございます!
友人との会話では使わないですね。 元々「遺憾」という言葉を調べてみると、「思っているようにならなくて心残りであること。残念な、そのさま」と出ます。 つまり、ほとんど「残念です」に近い意味で使われる言葉だと思うんですね。 だから、世の政治家が「遺憾に思います=残念に思います」という意味でよく使いますよね? これから行くと前出の、「たくさんの遺憾があって」というのは、「たくさんの『残念』があって」という意味になり、日本語としても不自然です。 「たくさんの『心残り』があって」「たくさん『やり残したこと』があって」とした方が自然な日本語でしょう。 もし、「遺憾」という言葉を使うのであれば、「このような状態で台湾に帰るのは、誠に遺憾です」となるかな? それならしっくりきますよね。 「残念」に置き換えてみるとよくわかると思います。 私も昔中国の日本語を勉強している子と文通をしていたことがありますが、「間違ってるんだけど、不自然なんだけど、どう説明していいかわからない~」という事、よくありました。(笑) でもそれは相手も同じだったみたいで、「言い方として間違ってないんだけど、言葉が古いです」と言われたり。(笑) 相互理解は大変ですけど、素晴らしいことだと思います。 がんばってください。(^-^)
お礼
Prynneさん,アドバイスありがとうございます! >「間違ってるんだけど、不自然なんだけど、 >どう説明していいかわからない~」という事、 >よくありました。(笑) 確かに,そうなんですよね。(笑) 間違ってはいないけど, なんとなく「ん?」って思ったり。
- basil
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あまり使わないですね。 想像するに、日本語=台湾語の辞書にその単語が書かれているんじゃないですか? その文章を一度台湾語に訳してからもういちど日本語に意訳するとしっくり来そうな気がします。
お礼
basilさん,アドバイスありがとうございます!
お礼
MicciHayさん,ご回答ありがとうございます! >例えば、「たくさん遺憾なことも残っていて」 >などとしたらより自然である。) 参考になります。 >equivocal性によるところの方が大きいのではないでしょうか。 なるほど,そういう違いには全く気づきませんでした。 ありがとうございます。