RCローパスフィルタのステップ応答は
y(t)=a{1-e^(t/τ)}と書けます。
ここで,aはステップの振幅、τは時定数で
τ=RC
で与えられます。
一方、RCローパスフィルタの伝達関数G(jω)は
G(jω)={1/(jωC)/{R+1/(jωC}=1/(1+jωRC)
|G(jω)|=1/√{1+(ωRC)^2}
で|G(jω|=1/√2の時のω=2πfのf=fcをカットオフ周波数といいます。
この時
20log|G(jω)|≒-3[dB]
となります。ωRC=ωcRC=1、ωc=2πfcからカットオフ周波数fcは
fc=1/(2πRC)
となります。先の時定数τを使えば
fc=1/(2πτ)
という関係式が出てきます。
生体系の信号や医用機器で扱う比較的低い周波数成分しか含まない生体信号は、微小で、周囲の高周波ノイズの中に埋もれてしまいます。パルス性の高周波ノイズや高周波電磁波ノイズ(生体系の電気現象に比べて大きい)を除去するために高周波ノイズ周期に比べてそれよる長い時定数で生体系の信号の変化に比べ小さな時定数を、医療計測計の記録計やディスプレイを見ながら設定する法が便利だからでしょう。カットオフ周波数より可視化されたディスプレイ上では、このパルス性ノイズを除去するには、画面上でどの位の時定数にしたら良いかがビジブル(視覚的)に分かり易いということでしょう。