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理論的な多分散度
○ラジカル重合において理論的な多分散度の限界値1.5とはどのように決まっているのか教えてください。 高分子の教科書を読んだところ、停止反応において、 重量平均重合度/数平均重合度=(2+p)/2 となり、反応率pが1に近づくとき多分散度が1.5になるのかなという気がしましたが、いかがですか? また、ラジカル重合の論文を読んでいると多分散度が1.5以上のものが登場します。多分散度が1.5以上の場合は、ラジカル重合が制御できなかったと解釈すればいいのでしょうか。 以上、よろしくお願いいたします。
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>重量平均重合度/数平均重合度=(2+p)/2 となり、反応率pが1に近づくとき・・・ と書かれていますが、この式中のpは、反応率ではありません。 pは、末端のラジカルが成長する確率です。 つまりp=Rp/(Rp+Rf+Rt) です。Rpは生長反応速度、Rfは連鎖移動反応速度、Rtは停止反応速度です。 pが1になるということは、停止速度も連鎖移動速度も生長反応速度に比べて十分小さいということを意味しています。 このとき分子量分布は1.5になりますが、もともとこの式の誘導のための前提として、停止反応が全て再結合で停止するとの仮定が入っています。 もし、停止反応が全て不均化で停止するとすると多分散度は1+pとなり、pが1の場合、2となります。 実際の重合では、再結合と不均化の両方が起こりますので、理論的には1.5~2になると表記されるのです。 また、この式の誘導では重合反応が定常状態で進んでいるとの前提も入っています。 重合率が高い状態では定常状態からずれてしまいますので、この式は成立しません。
お礼
せっかくご回答をいただいたのにお返事が大変遅くなってしまい申し訳ありません。pは反応率ではないのですね。勘違いしておりました。式の誘導のための前提として立ててある仮定の意味、停止反応の種類をよく理解することが重要であることがよくわかりました。分かりやすい丁寧なご説明本当に有難うございました!