現行では、原子炉は一度運転を始めたら、次に停止する数ヶ月or数年先まで、常に出力100%で運転せねばなりません。チェルノブイリは極端な例ですが、出力を落とすと炉心の状態が不安定になり、暴走を起こす場合があるためです。このため、100%で発電して、電気が余ってしまったら、その電気をどうにかする必要があります。
一つは揚水式発電所。深夜の原発で発電した余剰電力を水のくみ上げに使い、昼間の需要期に水力発電に使用するもの。これは、原発とセットで始めて意味がある発電所で、深夜の余剰電力が火力発電所で起こした電気なら、火力発電所をもう一つ作った方が安上がりです。もう一つ、深夜電力の料金を大幅に安くして、需要が常に一定以上になるように努力したりしています。ですが、深夜はやはり電力使用量が減るため、原発の発電量は、その少ない需要期を大きく上回る事は出来ないようです。
伊方原発の出力調整試験が話題になりましたが、地元からは大きな反対がありました。電力会社としては、深夜の非需要期に原発の出力を落として、原発をもっと増やしたいと考えているようですが、立地地区の反対などで、それ程進んでいません。
上記の制約があるため、今の割合が結構良いところで、大幅に原発の発電量を増やすことは難しいようです。水素自動車などが出て、深夜電力で大量に水素を発生させ、それを流通させるような仕組みが出来れば増やせるかもしれませんが....
減らす方は、その減らした分のエネルギーをどうやって賄うかと言う問題になると思います。昨今の情勢から言って、化石燃料で置き換えるのは難しいし、水力で補える量は余りありません。風力・太陽光は今後の有望株でしょうが、化石燃料を置き換えていくのが主流で、原発を置き換えるようになるとは思えません。
現状の割合から大幅に変えるのは難しいかと思います。
お礼
たくさんかいてくださって嬉しいです ありがとうございます