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学位について (M.D. と Ph.D.)
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4399276.html http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4405184.html の一連の質問を見ていて、疑問が湧いたので、質問します。 上記質問の内容は『ドクターと博士』に関してなのですが、ここで質問したいのはアメリカでにおける『M.D.とPh.D.』や、日本の学位をどう翻訳するかという問題です。 私の認識では、先の質問にも書きましたが、医学部を卒業すると医学士=M.D.、博士課程修了か論文博士で博士(医学)=Ph.D.と言う認識でした。これは間違いでしょうか?で、学部を卒業すると、(まぁ大抵は)医者になるので、基本的には医者=M.D.で良いと。。。そう考えていました。ところが件の質問のdrTT_2007さんの「質問」や「お礼」を見て、自分の認識がマジョリティーなのか少し不安になってきました。 drTT_2007さんの理論で言うと、医学部→医学研究科へ進んだ人が博士課程修了後にもらえる学位がM.D.と言う事になりますが、では、たとえば理学部→医学研究科と進んだ(医師免許を持たない)人もM.D.が貰えるのでしょうか?あるいは、drTT_2007さんの言うように『私の前任校では、医学部でとると基本的に英語名はM.D.で、基礎系等で本人がPhDと認識していれば、そちらを使うという認識でした。』と言う事でしょうか?でも、そうだとするとM.D.とPh.D.と併記している人は、博士(医学)を二つ持っている事になるのでしょうか?同じ専門・同じ大学院で学位を二つ受ける事はできないと思っていました。 外国の例だと、例えばUC Davisは東大と同じくM.D.とPh.D.同時取得コースも設定されています。 http://www.ucdmc.ucdavis.edu/mdphd/curriculum.html という事は、その両者には明確な違いがあり、選択的なモノではなく補完的なモノだという事が考えられます。 教員のリストを見ると http://www.ucdmc.ucdavis.edu/mdphd/programadministration.html Michael F. Seldin, M.D., Ph.D., Chair and Director Department of Biological Chemistry and Medicine Anothony Cheung, Ph.D. Department of Pathology David Pleasure, M.D. Department of Neurology みたいに、M.D.とPh.D.には併記される事もあり、と言う事は明確な区別がなされていると思います。 東大の公式ページを見る限り、大学院でM.D.という学位は与えていないみたいです。(なので学部で与えているのだと思っていました) http://www.m.u-tokyo.ac.jp/education/stasistics.html#Number%20of%20Graduates%20from%20Graduate 私立は違うのかな?とも思いましたが慶応大学もM.D.とPh.D.は区別して書いてあります。 http://web.sc.itc.keio.ac.jp/medicine/other/ugi2/member.html しかもPh.D.の先生のみに学位欄があり、博士(医学)と書いてあります。 日本の場合、医学部を卒業してもらえる学位は医学士かもしれませんが、それをアメリカへ行って、「私はM.D.を受けている、その学位は日本語ではIGAKUSHIと言います」でOKだと思っていました。この認識は間違っていますか? 博士(医学)なんて、数ある博士号の中でも一番イイカゲンな学位ですし、こんな事にこだわってもしょうがないかもしれませんが、一般的にはどうなのかなぁと気になったので質問を立てさせていただきました。私の認識の間違いを指摘していただけたら幸いです。
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- sodenosita
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質問者さんと同じく、やり取りの中で考えさせられた人間の一人です。質問と回答とお礼を見ながら(仕事そっちのけで)考えていました。 日本では医学科6年卒業して「医学士」に、博士課程修了か論文審査で博士(医学)となることはいいですよね? アメリカでは、4年制大学卒業し学位を受け、メディカルスクールに入学し、卒業で医師となります。 どうやら、このメディカルスクール4年過程を卒業で与えられるのが「MD」であり、これを「医学博士」と訳すようです。 つまり、drTT_2007さんの言っておられる「アメリカの医者はすべて博士だ」とはこのことですね。 そこでややこしいのは、メディカルスクールを卒業した「医学博士」は日本の「博士号(医学)」とは異なるということです。 日本人の認識では「博士」は大学院を卒業した人(+論文博士)にのみ与えられるもの、医学における博士は「博士号(医学)」のみなのに対し、アメリカは「MD=医学博士」と「PhD(Doctor of Philosophy in Medical science)=博士号(医学)」の2種類があるわけです。 だから、同じ医学の博士でも「Taro Yamada, MD」、「Taro Yamada, MD, PhD」、「Taro Yamada, PhD」の3パターンが発生します。 質問者さんが調べられたとおりですし、私もそう思っていました。 似たような現象が法科大学院ができたおかげで起こっています。 私もこれを見て、今回の話のこじれに気付きました。 4大を卒業し、学位を持って法科大学院に入学します。 法科大学院を卒業すると司法試験ばかり目に入りますが、法科大学院卒に与えられる学位が「法務博士(専門職)」なんです。 つまり、専門職学位であり「博士(法学)」とは異なりますが、博士なんです。 医学で言うところの「MD」と「PhD」とにていませんか? 法科大学院卒の弁護士はPhDでなくても、すべて博士なんです。 drTT_2007さんの理論と同じですよね。 先ほどの「Taro Yamada, MD」は、日本では医学士ですが、アメリカでは医師であり、かつ医学博士(専門職)になるんだと思います。 「Taro Yamada, MD, PhD」は日本で医師であり博士号(医学)を持つもの、アメリカでは医師であり、かつ医学博士(専門職)かつ、博士号(医学)を持つものとなります。 「Taro Yamada, PhD」は日米ともに医師ではないが、博士号(医学)を持つものとなります。 最後の問題は日本の「医学士」を「MD」とするかどうかです。 「医学士」は6年過程ですから、修士に準拠した教育とみなせば、ロースクールの「法務博士(専門職)」と同等としてもよいのかなぁと思います。 ゆえに専門職学位相当とみなして「医博士(専門職)」(これは私が作った専門職学位です)のようなものを与えて、「MD」とするのでどうかなぁと思いました。 PhDコースにいるMDとして、こういう結論に至りました。
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お礼
そうですね。六年間も医学部に通って、4年制の大学と同じ学位じゃ、それ自体が、不公平とも言えまいよね。国内でも不公平で、海外と比べても不公平なので、このような呼称の問題が発生する訳ですよね。医博士(専門職)に改めるとスッキリしますね。 似たような話は、大学教員の(かつての)助教授・助手でもそうですね。助教授がassistant professorなのかassociate professorなのか、もしassistant professorだったら、助手なんてHelperか?みたいな笑えない話もありますよね。 ご回答ありがとうございました。スッキリしました。
補足
質問全体に対する補足です。 週刊医学界新聞に、この件に関連するだろう記事が載っていました。アメリカの医学制度と医学生の生活がよくわかります。 新連載 メディカルスクールで学ぶ 第1回 アメリカの医学教育課程 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2519dir/n2519_14.htm ページ下部の(この項つづく)リンクから連載を読みすすめられます。 特にこの質問に関連する箇所を引用しておきます。 <引用ここから> 臨床研究と基礎研究の橋渡しとなるような指導者の需要を満たすため,NIHは1964年にMD/PhD兼学課程に対するMSTP(Medical Scientist Training Program)というグラント制度を設け,以来,現在までに多くのメディカルスクールがMD/PhD兼学課程を設けています。 その特色としては,メディカルスクールと大学院のカリキュラムの重複を省き,夏期休暇なども学期に組み込みながら,別個には4+5年程度かかる両学位を最短期間で同時に取得させようというものです。学校によってカリキュラムはさまざまですが,一般的には臨床前の2年間を一般のM.D.課程の学生と一緒に受け(同時に一部大学院の講義を受け研究も行なう),次の2-4年程度は博士研究を行ない,最後に再びMD課程と合流して2年間の臨床実習を受ける,といったものです。 <引用ここまで> 前に挙げた東大の制度は、アメリカを参考に作ったという事が分かりますね。