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芥川龍之介の「鼻」について

芥川龍之介の「鼻」の内容についての質問です。 大きな鼻を笑われていた主人公の鼻が短くなって、 一層笑われるようになったのは何故なんでしょうか。

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  • fedotov
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回答No.3

頭の方に答えがあります。 「専念に当来の浄土を渇仰すべき僧侶の身で、鼻の心配をするのが悪い と思ったからばかりではない。それよりむしろ、自分で鼻を気にして いると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。」 内道場供奉は、宮中の内道場に供奉する天皇の護持僧、つまり高僧です。 今迄、天皇に仕える徳の高い僧侶として、悟りを開いたような顔をして とりすましていました。 普通、心の中は見えませんが、鼻を短くしてしまった為に、悟りを開く どころか、まだ自分の容姿を気にしているような俗人であった事を、 白日にさらして、皆に知られてしまったのです。 皆は、容姿を笑っているのではなく、高僧でありながら容姿を気にしている、 その心を笑っているのです。

tawashiz
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 なるほど、とても納得がいきました。 ただ、そう考えると最後に鼻が戻ったとしても、俗人であることがばれてしまったわけで、喜んでもしかたがない気がしますが。 最後の僧侶の心情についてどのように解釈されたか、ご教授いただけると助かります。

その他の回答 (7)

noname#122427
noname#122427
回答No.8

お礼をありがとうございます。 頂いたお礼を拝見して、私が「腑に落ちない理由」が判りました。 >なんとも嫌な話ですが、 そうなのです。「なんとも嫌な話」です。 でも、tawashiz様は、この結論(?)に違和感を感じませんでしょうか? 私は >そういう人間の愚かな部分や汚い部分を抉り出すような素晴らしい作品ですね。 と、tawashiz様がはっきり書いてくださった御陰で気がつきました。 ただ、そう言い切るには、この作品はあまりにも「明るく和やかで、穏やかに涼しい風が吹いている」と私は思うのです。この思いは「人間の愚かな部分や汚い部分を抉り出す」とは、「相容れません」。 。。。と、なると、「鼻」はただ「それだけの作品ではない!」と言えると思います。では「「それだけ」に付け加えられているもの」は何?? となるのですが、それが私には「言語化出来ない」のです。 tawashiz様はどう思われますでしょうか?? 大変厚かましいお願いなのですが、この「疑問」を解く為にお手伝い頂けないでしょうか。。。? 「嫌な話」とお書きになっている事から、tawashiz様も「納得」はしていらっしゃらない、と感じているのですが。。。 出来ましたら、 >(私は共通しがちな感情の変化とは思いませんが) とお書きになっている、「そうは思わないtawashiz様のお考え」をお教え頂けたら。。。。と思うのですが、お願い出来ますでしょうか? 実は、私も「他人の不幸は蜜の味」等とは思いませんし、思いたくありません。でも、「じゃあ、どう思う?」となると、判らないのです。今までそのような場面には、出くわしている筈なのに、判らないのです。「どうして判らないのか?」が判らない。。。。何とも愚かな私です。。。

tawashiz
質問者

補足

まず私が「嫌な話」と言った部分は、「人間の愚かな部分や汚い部分を抉り出している」ことに対する感想ですので、その部分で誤解なさっています。 また、「明るく和やかで、穏やかに涼しい風が吹いている」 とも特に感じていません。内供が鼻が元に戻ってほっとしている終わり方に不気味さを伴う余韻は感じますが。 「そうは思わないtawashiz様のお考え」をお教え頂けたら… とのことですが、他人の成功を妬むという点においては、芸能人のゴシップで喜ぶ人が多くいる例からも現代に共通する感覚だと思います。 ただし、NO1の回答と重複しますが、他人同士が結託することなしに、多数がくすくす笑うという共通の行動を取ることはありえないと思います。 以上、私の解釈を述べさせてもらいましたが、このような質問をさせていただいているように、私は言葉の裏を読んだり読解力がある人間ではありませんのでご参考までに。

noname#122427
noname#122427
回答No.7

こんばんは。 またお邪魔してもよろしいでしょうか。。。 この物語の大前提となるのは、「当事者(=内供)」と「傍観者」の構図だと思います。そして、「傍観者に共通しがちな感情」として、#1の回答者様がおっしゃっている事だと思うのですが。。。 「傍観者」は決して「結託」したのではありませんが、この「感情の変化」は「傍観者に共通しがちな感情の変化」だと思うのですが、質問者様はどう思われますか? 「内供の心情」は、物語を通して「位置を変えていない」と思います。多少のブレはありますが。 しかし、「傍観者の心情」は大きく変化していると感じます。 *鼻が長い時   内供:苦に病んではいるが、それを悟られないように。      「自尊心の毀損」   傍観者:不幸に同情/(純粋に可笑しさから)陰で笑う。 *鼻が短くなった時   内供:「のびのびとした気分」→「不快」→「鼻の短さを恨む」   傍観者:鼻が短くなった=内供が「満足」している=ちょっと悔しい。。。(他人の不幸は蜜の味?の心理)      (その気持ちをそれとなく内供に知らしめたくて)目の前でくすくす笑う。 *再び長くなった時   内供:ほっとした   傍観者:?? こんな感じでしょうか。。。どう思われますか?  「他人の不幸は蜜の味」とまでは行かなくても、今の今まで「不幸」と評されていた人(=内供)が「満足に幸せ」になると、多少の「やっかみ」が人の心には芽生え易い、と言う事なのではないでしょうか。。。 なんとも「すっきりした言語化」にならず、私自身もいまいち腑に落ちないのですが、どうでしょうか。。。? うまく言葉に出来ません。。。汗

tawashiz
質問者

お礼

繰り返しご回答ありがとうございます。 わかりやすく書いていただきありがとうございます。 鼻が短くなったときの傍観者の心理について、芥川龍之介が「共通しがちな感情の変化」だと考えて書いたということであれば筋に納得がいきます。(私は共通しがちな感情の変化とは思いませんが) そして内供は、そのくすくす笑いに内面を見透かされたと感じて、外見を笑われる以上の恥ずかしさを感じ、鼻を戻したくなった。 とこんな解釈で良いのでしょうかね。 なんとも嫌な話ですが、そういう人間の愚かな部分や汚い部分を抉り出すような素晴らしい作品ですね。

noname#122427
noname#122427
回答No.6

こんにちは、#4の者です。 お気を悪くさせてしまったようで申し訳なく思っております。 決して、「非難」のつもりで回答したのでは無いのです。 >名作と呼ばれる作品だけに何かあるのではと思っていたのですが・・・。 とお書きになっていたので、その「名作の所以」について述べたつもりだったのです。言葉足らずで申し訳ありません。 人は「同じ条件」で皆「同じように感じる」訳ではありません。 同じく、「同じ文章」を読んでも、「同じく感じる」訳では無い。 でも、「あるひとりの心の動きの様」として、ここまで細やかに、またその動きの「思いがけなさ」を描き切っている事、それ自体が、「鼻」が名作である、と評される理由ではないのかな。。。と思ったのです。 「読んだ者全員」が、その「細やかさを感じる」ならば、その「細やかさ」こそが「作品の価値」ではないでしょうか。 ご質問とは逸れてしまった事がいけませんでした。 申し訳ありません。 ご質問の「笑われる理由」について、ですが。。。 物事の「当事者」と言うのは、事の重大さや深刻さの度合いに関わらず、「傍観者から見ると滑稽」なものではないでしょうか?  「当事者(内供)の真剣さ」は、「傍観者」には「滑稽さ」意外の何物でもなく、内供が真剣に悩めば悩む程、傍観者は「増して無責任に滑稽さを感じる」。。。その「不思議な対比」を描いたのではないでしょうか。。。 内供の鼻が、「長い時」「短くなった時」「再び長くなった時」とそれぞれに、「全ての当事者心理」と「全ての傍観者心理」が、「如実に描かれている」と思うのですが。。。 これではやはり「回答」にはなっていないでしょうか。。。?

tawashiz
質問者

お礼

再度コメントをありがとうございます。 「鼻」が名作と評されている所以についてはおっしゃられる通りと思います。 回答の部分ついては、申し訳ありませんが私には理解できませんでした。 鼻が短くなったときに笑われた理由だけを端的に説明することは難しいのでしょうか。

  • fedotov
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回答No.5

No.3です。 「はればれした心もちが、どこからともなく帰って来るのを感じた。」 禅智内供は、容姿を気にする事の虚しさを悟って、長い鼻を愛しむようになりました。 「こうなれば、もう誰も哂うものはないにちがいない。」 こう考えるということは、まだ完全には悟りを開いてはいないと思います。 でも、長い鼻を愛しむ姿を見た人には、完全に悟りを開いた真の高僧に見えると思います。 人の噂も七十五日、あれは何かの間違いだったのだ、と人々は思うようになります。 そして、禅智内供自身も、そのうちに自然と、人に哂われるとかどうとか意識しなくなって いくのだと思います。

tawashiz
質問者

お礼

再度の貴重なご回答ありがとうございます。 ただ今の所、私の解釈としては異なります。 禅智内供が虚しさを悟る描写は作中には全くなされてませんので、 「高僧も所詮俗人である」 と芥川龍之介は書いているように思います。

noname#122427
noname#122427
回答No.4

こんばんは。 芥川大好きの二十代後半の者です。 私が芥川の最大の魅力、と思うのは、具体的な所で、「切迫した状況での予想出来ない心の動き」を、「全く無理無く描いている」点だと思っています。 この質問を拝見して、改めて「鼻」や「地獄変」「偸盗」を読み返してみました。どれも「激しい葛藤」の末に「全く思ってもみなかった感情へ心が変化」しています。更に言えば、「それまで拒絶していた感情へ変化」しています。 私が思う「鼻」の一番の「読み応え」とは、「内供の感情の変化」であり、その「細やかな描写」である、と思います。「論理的な筋道」とは、「また別の視点」によって「良さを感じる」作品ではないのかな?、と思いました。 なので、 >大きな鼻を笑われていた主人公の鼻が短くなって、 >一層笑われるようになったのは何故なんでしょうか。 と言う質問者様の疑問も、「大切な視点」ではありますが、まずは「内供の心」に「ぴったり寄り添って感じ取る」事が、この作品の「味」を「最も堪能する方法」ではないかな?、と思います。 ちなみに、私は禅智内供が好きです。彼の「善良さ」がとてもとても「暖かく溜め息をつく」心持ちにさせてくれるのです。質問者様は、現実に「暖かく自分を和ませてくれる人」に何人お会いになった事がありますか? このような「善良で愛すべき人」って、とても「希少価値」だと思うのです。私は、読み通して、只の一度も「内供の悪意」を感じませんでした。 内供が、知らず知らず自分の鼻を撫でている様子等、思い浮かべると、今夜は「優しい夢」を見られそうな気がして来ます。笑

tawashiz
質問者

お礼

アドバイスをありがとうございます。 私も芥川氏の作品に大きな魅力を感じていますが、できるだけ深く正しく理解したいために今回の質問をさせていただいています。 「大切な視点」とおっしゃっていただけるのであれば、私の質問に対して非難せずに、ご回答いただければと思います。

noname#91781
noname#91781
回答No.2

この「鼻」の物語は、もちろん実話と言うより芥川竜之介の創作であろうが、 この物語における竜之介の人間心理の分析に、非常に違和感を覚える。 そもそも、時代は変わっても、他人の身体的欠陥や顔の作りの異常さを、 たとえ陰に隠れても笑う者は余り居ないと思う。普通は気の毒がったり哀れに思うのがオチだ。 もし、他人の顔の造作が余りにも可笑しくて笑うことがあっても、 それは決してその者を卑下して嘲笑うのではなく、ただ単純に滑稽なだけのためだ。 そして、鼻が正常になっても相変わらず笑う人間がいるとするなら、 その者は、彼の鼻が長かった時のことを思い出して思わず笑ってしまうのだろう。 再び鼻の持ち主を貶めようとして笑うのでは決してない。 それどころか、正常になった彼の鼻を見てホットするのが普通だろう。 芥川竜之介が、この「鼻」において余りにも人間心理への不信を表明してることは、 将来、彼が自殺したことと結びつくのかも知れない。

tawashiz
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 その説が正しいとすると、私としては非常に残念です。 名作と呼ばれる作品だけに何かあるのではと思っていたのですが・・・。

回答No.1

以下は「鼻」から抜粋した分なのですが、 『人間の心にはたがいに矛盾したふたつの感情がある。もちろん、だれでも他人の不幸に同情しないものはない。ところがその人がその不幸を、どうにかしてきりぬけることができると、こんどはこっちでなんとなくものたりないような心持がする。すこし誇張していえば、もう一度その人を、おなじ不幸におとしいれてみたいような気にさえなる。そうしていつのまにか、消極的ではあるが、ある敵意をその人にたいしていだくようなことになる。』 質問者さんの質問の答えとなるところは、このように書かれています。つまりは、長い鼻を気にしていた和尚?が、その悩みを脱したことに対して、他の者はどこか面白くないと感じるのでしょう。そこで、その和尚を笑うことで、もう一度その僧侶を不快な思いにさせようと考えた。ってところが原因だと思います。 自分自身解釈が下手なので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、単に鼻が短くなって笑われたわけではないのは確かです。

tawashiz
質問者

補足

他の者というのは多数ですよね。 不快な思いにさせようと考えて笑うというのは主人公が出会う人同士が裏で結託する必要があるわけで、鼻を短くしても笑われたことの筋が通らない気がしますが。

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